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石川温のPCスマホニュース解説 第178回

NTT法廃止に猛反発。NTTの失敗は、ドコモ完全子会社化で信頼を失ったことだ

2023年10月23日 07時00分更新

文● 石川温

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「徹底的に議論し、世論として国民に説いていきたい」

 ソフトバンク宮川潤一社長、KDDI髙橋誠社長、楽天モバイル鈴木和洋共同CEOの3人が同席した共同説明会が10月19日朝、開かれた。

 テーマは「NTT法のあり方について」。宮川社長は冒頭のように徹底的な議論が必要だと力説する。

 実は共同説明会直前、3人とオンラインで参加した楽天モバイルの三木谷浩史会長、さらにNTTの島田明社長は自民党に呼ばれ、NTT法のあり方についてヒヤリングをされていたのだ。

 NTTの島田社長は「NTT法の役割は終わった。廃止すべし」というスタンスなのに対して、競合3社は「一部見直しには賛成するが、廃止は絶対に反対」という主張する。

 両社の議論は平行線を辿ったままだ。

見直しには一部賛成も「維持すべき」点は多い

 NTTは特殊法人としてNTT法が制定されている。

 研究成果を開示する義務があったり、社名変更することが認められなかったり、取締役に外国人を起用できないなどの制限がある。

 NTTとしてはそうした縛りがあることで、国際競争力が損なわれていると主張。だからこそ、NTT法を廃止してほしいというわけだ。

 NTTは日本電信電話株式会社が正式名称だが、もはや電信は扱っていない。NTTとしては電信を削除し、名前を変更したいようなのだが、それに対してソフトバンクの宮川社長は「名前が変えられないからNTT法を変えたいというのならば、その名前をウチに譲ってほしい。『日本電信電話ソフトバンク』という名称にしてもいい。NTTというのは日本を代表する世界に通用するブランドだ」と語る。

 ただ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルともに研究成果の開示義務、社名変更、取締役の選任に対する規定に対しては「見直してもいい」と理解を示す。

 一方で、NTT法で「維持すべき」としているのが「NTTグループの一体化への防止」「全国6000万ユーザーへのあまねく提供義務の維持」「公共性の高い通信に帯する国のコントロール権の確保」だ。

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