透明性と情報の秘匿性を両立した「秘匿化トレーサビリティーAPI」提供開始
chaintopeは10月3日、EU規制に対応した、透明性と秘匿性を両立する秘匿化トレーサビリティーブロックチェーンアプリの開発を高速化、容易化する「秘匿化トレーサビリティーAPI」をリリースした。
このAPIは、同社が開発したオープンソースブロックチェーン「Tapyrus(タピルス)」の特性を活用したブロックチェーンアプリの開発を支援する「Tapyrus API」の一つであり、ユースケースごとに用意されたAPI群がより充実した。
背景
同社は、サーキュラーエコノミー(循環経済)社会に向けて、近くEUで制度化される見通しのデジタル製品パスポート(DPP)の動向を注視し、製品を製造する過程で使用された資源の情報を自社開発したオープンソースブロックチェーン「Tapyrus(タピルス)」に記録し提示できるようにする準備を進めてきた。
近年、さまざまな製品の製造や流通に複数のステークホルダーが関わることが一般的で、特に自動車産業などでは巨大な国際サプライチェーンが形成されている。このようなサプライチェーン上の企業にとって、製品のトレーサビリティー情報やサステナビリティー情報が今後非常に重要なリスク事項になることが予想される。
例えば、EU(欧州連合)の経済圏では、デジタル製品パスポート(DPP)による規制の準備がすでに始まっている。サプライチェーン上の企業が今まで通り、DPP制度が導入された市場で自社の製品を取引したい場合は、その製品を構成する1つ1つの部材についてまで環境基準をクリアしていることを証明する必要があり、表示に不備や不正が発見された場合に流通を止められるリスクがある。
ソリューションの開発
こうした状況において、同社が開発したソリューション 秘匿化トレーサビリティーは、サプライチェーン上のステークホルダーにとって非常に重要な、原料の成分に関する知的財産を保護することと、公開情報に基づく検証可能性(透明性)によって不正な表示を防止することの相反する課題を、ブロックチェーンとゼロ知識証明の技術を用いて解決する。
同社が保有する特許技術である独自の圧縮技術、そして2月に取得した特許である秘匿化技術、そして過去の実証実験などで培われたトレーサビリティー実績によって秘匿化トレーサビリティーが実現された。
現在、この秘匿化トレーサビリティーを用いた初期の実証事業として、福岡県 Ruby・コンテンツビジネス振興会議が実施する「福岡県先端情報技術開発・実証支援事業」の採択を受け、九州工業大学脇迫研究室、プラテクノマテリアル、さらには飯塚市内の小学校・中学校と連携して、DPPに対応したペットボトルキャップのサーキュラーエコノミー構築の実証事業を開始している。
秘匿化トレーサビリティー APIの提供開始
同社は、上記のような特性をもつオープンソースブロックチェーン Tapyrusを独自開発。さらに、Tapyrusを用いたブロックチェーンアプリケーション開発を支援するAPI群、Tapyrus APIをユースケースごとに用意し、提供している。
■リリースされているTapyrus API
トレーサビリティーAPI:産地証明による商品価値の向上
サステナビリティーAPI:CO2排出削減量の見える化、証書化による行動変容促進
トラストサービスAPI:地方自治体が発行する証書等のDX化を実現
デジタルアセットAPI:地域通貨発行による地域振興やDAOをバックアップ
今回リリースする秘匿化トレーサビリティーAPIは、すでにリリースされているトレーサビリティーAPIに対して新たに取得した特許技術を組み合わせることで発展させたものとなる。
サーキュラーエコノミーを透明性と情報の秘匿性をもたせたサプライチェーンで実現するために、秘匿化トレーサビリティーAPIは適した選択肢となる。
問い合わせ
秘匿化トレーサビリティーAPI、Tapyrus APIの問い合わせは以下の通り。
chaintope
本社所在地:福岡県飯塚市幸袋530-25
URL:https://www.chaintope.com/
info@chaintope.com