420mm「Corsair iCUE H170i ELITE CAPELLIX XT」を採用するBTOPCもチェック
選べる約15種、パソコンショップSEVENのBTOPCはどんな水冷CPUクーラーがカスタムできる?
2023年10月23日 11時00分更新
しっかり冷やせるか、取り付けやすいかで選定
──本日はよろしくお願いします。パソコンショップSEVENでは、どれくらいの水冷CPUクーラーを取り扱っているのでしょうか
中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):15種類くらいになっていると思います。
──結構な数ですね。BTOパソコンへの選定の基準はありますか?
中嶋氏:まず第1ステップとして、弊社取り扱いケースへ無理なく取り付けられるのかというのが大前提になります。そこから、BTOパソコンの価格帯に合わせて、ちょうどいいクーラーを選定するといった感じです。
西川龍氏(以下、西川氏):もちろん、性能も重視しています。社内で検証を重ねたうえで、これならしっかり搭載CPUを冷やせるなと、基準をクリアしたものを採用している次第です。また、チューブやケーブルの長さも結構大切で、短すぎると裏配線の取り回しが厳しくなる場合もあるため、マザーボードとの相性も見ています。
──PCケースも水冷CPUクーラーも販売されているメーカーも結構ありますが、なるべく揃えようといった考え方はされますか?
西川氏:そこはケースバイケースですね。どちらかというと、BTOカスタマイズにてメーカーを揃えたいと考えていらっしゃるお客様が少なくないので、そういった傾向にある場合は、メーカーで揃えたモデルを作ってみようかなというときはあります。
中嶋氏:サイズは360mmが多いんですけど、ベースモデルの比較的お手頃なモデルとしてCoolerMasterの「CoolerMaster 360L CORE ARGB」と、「Deepcool LS720」を用意しています。CoolerMaster 360L CORE ARGBは、ホワイトとブラックの2色、Deepcool LS720はブラック1色となっています。
──なるほど、ベースを用意しておいて、コンセプトがあるモデルで別のクーラーを付けるといった感じですね。
西川氏:ある程度コンセプトを決めて、それに合わせてCPUクーラーを選定したり、搭載CPUによって変えたりと、理由はさまざまですが、そのような感じです。
中嶋氏:例えばですけど、NZXTのPCケースが人気だからNZXTのクーラーも揃えたモデルにしようとか、ASUSのケースを採用したBTOパソコンでは、パーツもASUSの製品で揃えるお客様が多いから、いっそ全部ASUSにしちゃおうとか、お客様の傾向も加味しつつ、決めています。
真重翔氏(以下、真重氏):お客様の中には、メーカーさん自体が好きだから、そのメーカーで統一するといった方も少なくないです。メーカーで統一したモデルを検討する場合は、そういったお客様の声で決めることも多いですね。
──1度採用された水冷CPUクーラーは、結構長く使い続けるんですか?
西川氏:いえ、水冷CPUクーラーは移り変わりが速いので、同じような価格帯でかつ性能がしっかりしているモデルが出たら、しっかりと検証したうえで入れ替える場合が多いですね。新しく出たパーツを検証して、よければすぐ試験的にでも導入できるという柔軟さも、我々の特徴だと思っています。
──ちなみに、「CORSAIR iCUE H170i ELITE CAPELLIX XT」は420mmですが、今後このサイズのラインアップは増やされる予定でしょうか?
中嶋氏:ご要望が多ければ検討しますが、ラインアップを豊富に取り揃える予定は、今のところないです。なお、弊社で取り扱っているケースで、420mmの水冷CPUクーラーに対応しているのは、ASUSの「ROG Hyperion GR701」、CoolerMasterの「COSMOS C700M」と「HAF 700 EVO」の3ケースくらいです。
西川氏:単価が高いですし、現状のCPUは360mmで十分冷やせます。また、420mmが入るケースも限られますので、CPUクーラーやケースにコダワリが強いお客様や、長時間起動し続ける法人や研究機関のお客様といったニーズが多いと予想されます。弊社の多くのお客様のニーズがゲームですので、そういった方々には、420mmは必要ないのかなというのが、今のところの考えです。今後、360mmで冷やしきれないCPUが登場したり、爆発的に人気な420mmのクーラーが登場したら、変わるかもしれませんが。
──ちなみに、本格水冷を取り扱おうと考えられたことはありますか?
西川氏:うーん、今は簡易水冷が定番ですし、本格水冷を安心してお客様のもとにお届けするのであれば、弊社で輸送までする必要があります。また、本格水冷は簡易水冷に比べて手入れも大変です。保証を付けて販売するBTOパソコンでは不向きということで、本格水冷の取り扱いは考えておりません。
──確かにそうですね。ちなみに私は自宅のパソコンの水冷に液晶が付いたモデルを採用しているのですが、液晶パネル付きの水冷CPUクーラーは今後増やす予定はありますか?
中嶋氏:弊社で取り扱っているのは、NZXTの「NZXT Kraken 360 RGB White」のみとなります。液晶を搭載するモデルの中では比較的お求めやすい価格帯なので採用しています。液晶を採用するCPUクーラーはこの1モデルとなります。今後液晶付きの水冷CPUクーラーの人気が上がったり、お手頃価格なモデルが登場したら、その際は検討しようかなとも思っています。
真重氏:NZXT Kraken 360 RGB Whiteを選択するお客様は、この水冷CPUクーラーに加えて、メモリーもRGBを搭載したモデルを選択されることが多く、机の上に置いて眺める用途として選んでいただいているのではないかと思っています。NZXEの「H7」や「H9」を採用したマシンで、カスタマイズでNZXT Kraken 360 RGB Whiteを選択される方も見受けられますので、NZXTのファンといった方にも人気です。
──基本的には市場を見つつ、お手頃なベースモデルと、人気のクーラーをラインアップしておくといった感じですかね?
真重氏:そうですね。お客様の中でも、BTOカスタマイズで水冷CPUクーラーを変更される方が多いです。そのため、市場で人気のメーカーさんや製品は、なるべくチェックするようにしています。
──あとここにはないですが、240mmのラインアップはいかがでしょうか?
中嶋氏:240mmは、CoolerMasterとDeepCoolに加え、Razerのモデルを取り揃えております。Razerの水冷CPUクーラーは、大型のものも気になってはいます。
──ちなみに、水冷ではなく空冷のCPUクーラーで人気のモデルはありますか?
中嶋氏:Noctua製の空冷クーラーは人気がありますね。ハイエンドなCPUの推奨クーラーがほとんど水冷ななか、Noctuaの空冷のみがリストアップされていることもあるので、リーズナブルな製品ではないですが、空冷でもしっかり冷やしたいという人には人気です。