このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

店舗に全長7mの恐竜全身骨格が登場! ソニーストア 名古屋で“恐竜ミュージアム”開催

2023年10月07日 10時00分更新

文● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ソニーは「恐竜ミュージアム ‐科学で紐解く恐竜の世界‐」をソニーストア 名古屋で開催する。会期は10月7日から10月22日まで。入場無料。

 世界で初めて脳腫瘍の痕跡が見つかったゴルゴサウルス「ルース」の全身骨格など計20点の骨格標本、CG映像を展示。事前申込制のさまざまなワークショップも開く予定。前日となる10月6日にはプレス説明会を開催。“恐竜くん”こと田中真士氏による解説ガイドツアーも実施し、展示の見どころが詳しく説明された。

ルースと恐竜くん

ルースの全身はボロボロ

 恐竜ミュージアムでは、白亜紀末期に息づいていた恐竜たちを、骨格標本として展示するだけでなく、生き物として科学的視点でとらえ、恐竜たちの世界を精緻に再現したCG映像や3DCGモデルを使って紹介。木製のハンマーとのみを使い、石膏プレートに埋め込んだ本物の化石を削り出す体験、VLOGCAMを活用した恐竜ミュージアムのCM作成体験など、親子で楽しめる取り組みも用意している。

 裸眼で立体的な3Dモデルを観られる“空間再現ディスプレイ”(ELF-SR2)や、Crystal LEDの最新モデル「ZRD-CH12D」で組んだ110インチの大画面ディスプレーなど、ソニーの最新映像技術を存分に楽しめるショーケースにもなっている。

 ソニーマーケティング リセールセールス&マーケティング本部 本部長の新宮俊一氏は「『テクノロジーとエンターテインメントの力で世界を感動で満たす』というソニーのミッションに基づき、かつて地球上に存在した恐竜をリアルのものとして再構築するわくわく感を提供する」ことがキーワードであるとし、「ソニーが持つ映像製品、音響製品、カメラ製品の技術を通じてよりリアルでビビットな広がりを感じさせ、恐竜と地球の世界を感じていただく手伝いをしたい」とコメントした。加えて、「絶滅した恐竜に思いを馳せることは、豊かな地球の中で、われわれの社会や文明を考える機会を与え、地球とどう寄り添っていくかという持続可能性などのテーマともつながる」と語った。

 恐竜くんは、ルースの骨格からは何度も骨折しそれが治ったあとが多数確認できると説明。その理由はルースの小脳に腫瘍ができて、運動能力に障害が出たためだと予想されている。しかし、このケガが治っているということは、ルースの体が不自由になった後も懸命に生き続けたことも示している。恐竜というと、ティラノサウルス、トリケラトプスなど種類を中心に語られがちだが、ルースの骨格を調べればゴルゴサウルスではなく、ルースという個体がどう生きたのかに想いを馳せることができる、とする。

石膏の中からハンマーとノミで化石を取り出そう。

化石はホンモノらしい。

YouTuber的な体験もできる?

展示は敢えて白亜紀の恐竜の姿に絞り、ディティールを追究

 ストアの入口付近にブースを用意した展示は、2021年にパシフィコ横浜で開催した恐竜科学博の内容を踏まえ、白亜紀後期、北米大陸西部に存在した“ララミディア大陸”の内容に限定。そこに生息したティラノサウルス、トリケラトプス、エドモントサウルスの3つを中心に構成している。恐竜そのものの歴史を俯瞰するのではなく、敢えて絞ることで内容の深さやディティールを追究しているのがポイントだ。

発掘されている化石から想像したトリケラトプスの子供の骨格

ティラノサウルスの歯は生え変わるが、伸びきるのに数年かかるため写真のように歯並びが悪くなる

自分の歯で、頭蓋骨の上アゴに穴が開いてしまうこともあるそう

戦いがあるためか、骨格には穴がよく空いている。共食いしていた可能性もあるという。

 大画面ディスプレーで上映される映像(約3分間)では、恐竜の姿を誇張することなく、現代の科学的知見に基づいてリアルに描き出すことを大切にしている。恐竜くんは、この映像の監修も担当。動き方、まばたき、皮膚のシワといった恐竜そのものの表現はもちろんだが、その舞台となる平原や森林の植生などにもこだわり抜いている。映画や再現映像では、恐竜の3Dはリアルでも背景は実写した現代の映像になるケースが多く、実際とは異なる内容になっている場合も多いという。

110インチのディスプレーで楽しめる再現映像

 また、登場する恐竜も実際に発掘された恐竜の個体が当時生きていたら……という想定になっている。つまり、元ネタの骨格があるわけだ。映像では自然の中でエドモントサウルスの群れが走り去るシーンもあるが、ここも同じ3Dモデルをコピーして使うのではなく、発掘されたものから複数のパターンを作り、それを組み合わせている。

 小型恐竜のラプトル、トリケラトプスの親子、ティラノサウルスが絡む狩りのシーンも再現。ここでは鳥の先祖で鋭敏な耳を持ち、ティラノサウルスの襲撃にもいち早く気づくラプトルと、耳や空間把握能力で劣り、反応が遅れるトリケラトプスのリアクションの違いを表現。これも科学的な証拠から分かる特性の違いを反映している。ティラノサウルスは音を立てず身を潜めており、一撃で獲物をしとめるため、トリケラトプスの首を狙うが結果は角に入り失敗。両者のにらみ合いとなる。

 映画などでは、雄たけびのように吠えながら狩りをするティラノサウルスが描かれることもあるが、これは自然界の狩りとしては不自然。吠えながら狩りをするのでは獲物が逃げてしまうし、動物が威嚇行動をとるのは、相手を襲うときではなく追い払うためである。狩りの失敗後、吠えて威嚇するティラノサウルスもまた、反撃を恐れるギリギリの状態であることが分かる。最後は、偶然の倒木をきっかけに双方がその場を去って決着となるが、強い捕食者のティラノサウルスだからといって、常に狩りが成功するわけではなかっただろう。こうした一瞬のやり取りも、考え抜いて作られたものだと分かった。

 短い3D映像だが、ここまで厳密さを追究して制作されたものは少ないという。恐竜くんも「現時点で世界最高のもの」ではないかと自信を見せていた。

空間再現ディスプレイ

 なお、恐竜の3Dモデルは空間再現ディスプレーを使って観ることもできる。眼前に立体的に浮き上がりさまざまな角度から見ることが可能。恐竜の姿を具体的かつリアルに知るのに役立つ。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン