親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第240回
安全対策は家族が積極的に説明してあげることが重要
スマホデビュー時は家族に注意を受けるとルール設定率アップ~10代だけでなくシニアでも
2023年10月10日 09時30分更新
スマホデビュー時に家族が注意する傾向
子どもやシニアにおけるスマホのトラブルが目立つが、対策はどうすればいいのか。NTTドコモのモバイル社会研究所が発表した「2022年スマホ利用者行動調査」(2022年1月)を見てみよう。
おすすめの関連記事
偽ソフトバンクから「48時間以内に未納料金を支払え」と突然メールが飛んで来る
スマホ利用の危険性を家族から説明を受けたことがあるかを聞くと、10代男女と70代女性は3割と、ほかの年代より高くなっていた。40代までは男女差はほとんどないが、50代と60代では約10ポイント、70代では20ポイント以上女性のほうが高かった。
スマホデビューは、小中学生など10代のうちが多い。また最近は高齢になってからスマホデビューするシニア層も多く、スマホデビューに合わせて家族から注意を受けたと考えられる。筆者の両親も70代になってからスマホデビューしている。
スマホは便利だが扱いが難しく、トラブルも多い。そこで10代、シニア層ともに、スマホデビュー時に家族から危険性について注意を受けているのだ。
家庭で話し合いルールを決めることが大切
スマホ利用の危険性について家族から説明を受けた人と受けていない人で、スマホ利用時に決めるルールの設定率に違いがあるのだろうか。確認すると、「個人情報が漏れないようにする」「困ったときにすぐに家族に相談する」という各ルールについて、すべての世代で家族から説明を受けた人のほうが、受けていない人よりルールの設定率が16~39ポイント上回っていた。
なお、10代(15~19歳)は「学校でスマホ利用の危険性を学んだ」人が約9割と、ほかの世代より学校でスマホの危険性について学ぶ機会が多い世代となっている。
アンケートでは、学校で学んだ人を対象に、さらに「スマホ利用の危険性について家族から説明を受けている」人と「説明を受けていない」人を比較している。すると、「個人情報を流出させないルール」は25ポイント、「困ったときにはすぐに家族に相談するルール」は16ポイント、スマホ利用の危険性について家族から説明を受けた人のほうが設定率が高い結果となった。
学校で学ぶ機会は大切だ。しかしそれだけでなく、家庭でも危険性について話し合うことで、危険に対して対処したり、ルールを決めて利用する割合が高くなるのだ。家庭で話し合い、ルールを決めることが大切ということがよくわかる。
みなさんのご家庭でも、10代の子どもや高齢の両親などがスマホデビューする際には、ぜひ危険性について説明したり、話し合ってルールを決めてあげてほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
この連載の記事
-
第268回
デジタル
日本人のスマホ比率は97%、70代シニアも9割以上が所持 -
第267回
デジタル
子どもに敵わない保護者のリテラシー。今後は大人への啓発が必要 -
第266回
デジタル
6~9歳の5人に1人はSNS投稿・動画撮影経験済み。小学1~3年生が配信する例も -
第265回
デジタル
11~15歳の6人に1人はネットいじめを経験している -
第264回
デジタル
タイパを求め10代は倍速視聴・ながら視聴で生活の質を上げている -
第263回
デジタル
災害時に情報発信・拡散したことある人が2割もいる -
第262回
デジタル
「スマホ育児は良いこと」が8割。子どものスマホ利用は当たり前の時代に -
第261回
デジタル
板書は撮影、スクショがメモ代わり。中高生の勉強法は理想の紙×デジタル使い分けかも -
第260回
デジタル
意外!? 子どものスマホ所有開始年齢が10.6歳で下げ止まり -
第259回
デジタル
5年で新聞は減少、ネット・SNSが大幅増。ついにシニア層でも変化が! -
第258回
デジタル
炎上スピード増速中! 炎上最多はTwitter(X)、何気ない発言・写真も原因に - この連載の一覧へ