ディーアンドエムホールディングスは9月27日、DALIブランドのハイエンドスピーカー「EPIKORE 11」を国内でも取り扱うと発表した。受注生産で10月6日に受注開始。価格は400万円/本(※ペア販売のみ)。
KOREとEPICONシリーズの間を埋める製品。4.5ウェイ構成で、35mmソフトドーム型と55×10mmのリボン型を組み合わせた“EVO-Kハイブリッドトゥイーターモジュール”はKOREと共通。これに新世代SMC(Soft Magnetic Compound)やカスタムペーパー&ウッドファイバーコーン構造を採用した6.5インチのミッドレンジユニット(EPIKOREミッドレンジ)、8インチのウーファー(EPICORE新世代SMCウーファー)を4基組み合わせている。仕上げはグロスブラック、グロスマルーン、グロスウォールナットの3種が選べる。
40周年の節目に投入するモデルだが、アニバーサリーモデルではなく次の40年間に進むためのモデルという位置づけだという。
ミッドレンジとバスユニットに使用するSMCは鉄粉の表面を化学処理で絶縁したもの。電気的には導体で、化学的には絶縁体という独特の特性を持つ。非磁性体の金属を間に挟むことで、磁石から発する磁界とコイルから発する磁界の通り道を分け、相互干渉を減らす工夫をしている。新世代SMCというのは、KORE同様のSMC Gen-2という意味だ。
クロスオーバー・ネットワークは、エンクロージャーの底部に隔離・配置し、ドライバーと入力端子の間をつなぐクロスオーバー出力は高品質の無酸素銅撚り線で内部配線している。
エンクロージャーは、フォルムと機能を考慮して選択。18mm厚の曲面と突き板仕上げのMDF製リア・シェルと、各バス・ドライバー・セクション用のなだらかなプロファイルを施した40mm厚のMDF製フロント・パネル、そしてミッドレンジ・ドライバーとEVO-Kハイブリッド・トゥイーターを収納するアルミダイキャスト製エレメントで構成している。
ベースには高さ調整可能なアウトリガータイプのスパイクシステムを搭載。端子は新設計の削り出しの金メッキ仕様。4mmのバナナプラグ、Yラグなどに対応し、バイワイヤリング接続も可能。
HIGH END Munichで発表されたのち、到着してまだ4日というデモ機での試聴のため鳴らし込みが進んでいない状態とのことだが、音のまとまりがよく鳴らしやすく仕上がっているとのこと。MDF突板仕上げの筐体は、積層合板を使用したKOREよりもスリム。天井の高さはある程度必要だが、少し広めのリビングでもその性能を十分に発揮できるという。価格だけでなく、サイズや重量面でも日本のリビングに導入しやすい製品と言えそうだ。
なお、上下に2基ずつ配置したウーファーはKORE同様、担当する周波数をずらしたスタガー接続となっている。ただし、高域は2.1kHz以上の全域をドーム型が担当し、さらに15kHz以上にリボン型の音を重ねるKOREの仕様とは異なり、12.5kHzで帯域分割しているという。これは純粋に音の良さで判断したという。
インピーダンスは4Ω、感度は89dB、周波数帯域は29Hz~34kHz(±3dB)。本体サイズは幅422×奥行き554×高さ1602mm。重量は75.6kg。