9月7日、米ValveのPCゲーミングプラットフォーム「Steam」で、ChatGPTを組み込んだゲームが将来的な可能性も含めて永久にBAN(禁止)されたというニュースが世界中に飛び回りました。一方、そのゲームを受け入れるとライバル企業のEpic Gamesのティム・スウィーニーCEOが発言したことで、さらに騒ぎが大きくなりました。生成AIとゲームをめぐり、一体何が起きているのでしょうか。
クラフトビレッジ系のゲームが「永久BAN」に
騒動になったのは「Heard of the Story?」というクラフトビレッジ系ゲーム。このタイトルを3年半かけて作っていた開発者が、ゲーム内にChatGPTのMODを入れるようプログラムに追加したんですね。本機能ではなく試験的に入れた機能で、プレイテスターはOpenAIのAPIを入れて、固有の番号を入力する必要があるものでした。この状態でSteam側にレビューのためにゲームを提出したところ、AI周りについての「追加レビューが必要」と連絡を受けました。そして、その機能を選択的して使わないようにもできる状態で再提出しましたが、何の反応もないままその1ヵ月後に「あなたのゲームにはAIが含まれています」という一文とともにアプリが販売できなくなってしまった。しかも、二度と意見を受け付けないという非常に厳しいリジェクトになっていました。
開発者のShasaurさんが、この顛末をアメリカのSNS「Reddit」に投稿したことによって騒ぎが起きました。Steamが生成AIを使ったゲームに厳しいスタンスで望んでいることは知られていました。それで、ChatGPTのMODを外して再申請もしたのに、「アプリの登録料だけは返します」と書かれているだけで、理不尽というわけです。この対応が明らかにされたことで、オンライン上では様々な意見が飛び交うことになりました。この投稿は1週間で100万ビューを超え、1100件を超すコメントが付きました。

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