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USB-C搭載、Proはチタンで軽量化! iPhone 15徹底大特集 第41回

無印とProとで速度が違う:

アップル「iPhone 15」USB-Cケーブルの選び方

2023年09月14日 20時00分更新

文● ASCII

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iPhone 15のUSB-C端子

同じUSB-Cでも速度に違いがある

 iPhone 15シリーズでは、すべてのモデルでLightning端子からUSB Type-Cへの移行がなされたのは既報の通りだ(参考:ASCII.jp:iPhone 15/iPhone 15 Proと過去のほぼ全部のiPhoneを詳細表でスペック比較!)。

 ただし、転送速度には違いがあり、iPhone 15/iPhone 15 PlusはUSB 2.0の480Mbps、iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxは10Gbpsとなっている。なお、これらのUSB-CコネクタはDisplayPort出力もサポートしているとのこと。

 ちなみに、iPhone 15/15 Plusは、速度はUSB 2.0相当の480Mbps止まりではあるものの、別売りの20W以上のACアダプタを用いることで高速充電に対応。約30分で最大50%の充電が可能としている。この充電の仕様に関してはiPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxも同じようだ。

iPhone 15シリーズはUSB-C対応

「みんなうれしいUSB-C」とあるが、無印とProには違いがある

 では、どのUSB-Cケーブルを選べばいいのか。本記事ではそれを説明していく。

 なお、次の項目の「ちょっとややこしいUSBの規格」は規格に関する説明になるため、iPhone 15シリーズで必要なUSB-Cケーブルが知りたい……という人は飛ばしてもらってかまわない。

ちょっとややこしいUSBの規格

 そもそも、同じUSB-Cなのに、どうして速度が異なるのか。

 USBは“Universal Serial Bus”の略だが、現在、よく使われている規格としては「USB 2.0」「USB 3.2 Gen 1」「USB 3.2 Gen 2」あたりだろう。ほかにも、新しい規格として「USB4(USB4 Gen 2x2など)」も普及しつつある。

 USB-Cは、USB端子の最新規格だ。後発の規格のため、2.0と3.0以上が同時に登場している。よって、見た目は同じでも、対応している速度が同じとは限らない。

 iPhone 15/iPhone 15 PlusのUSB-C端子は、USB-Cとはいっても転送速度がUSB 2.0のため、速度は480Mbpsとなるわけだ。

 しかし、USB 3.2 Gen 1やUSB 3.2 Gen 2あたりになると、ややこしくなる。

 たとえば、Wikipediaで「ユニバーサル・シリアル・バス」の項目を見ると、USB 3.2 Gen 1は「USB 3.2 Gen 1(USB 3.1 Gen 1)(USB 3.0)」という複雑な表記になっている。なぜこうなったのか。

 2013年に「USB 3.1 Gen 2」が策定された際、それまで「USB 3.0」とされていたものは「USB 3.1 Gen 1」となった。さらに2017年、USB 3.2 Gen 2×2が策定された際、USB 3.1 Gen 1はUSB 3.2 Gen 1と改名されたという歴史がある。また、USB 3.1 Gen 2はUSB 3.2 Gen 2に改名されている。

 まとめると、以下の通りだ。

・「USB 3.0」=「USB 3.1 Gen 1」=「USB 3.2 Gen 1」
※転送速度:5Gbps

・「USB 3.1 Gen 2」=「USB 3.2 Gen 2」
※転送速度:10Gbps

 USBの規格をとりまとめるUSB-IF(USB Implementers Forum)は、2022年9月に一般ユーザー向けに転送速度をベースにした名称に統一するガイドラインを策定。USB 3.2 Gen 1は「USB 5Gbps」、USB 3.2 Gen 2は「USB 10Gbps」という名称を使うように推奨している。

 また、USB-Cケーブルは外見でその速度を判断できないという問題があった。そのため、USB-IFは2022年10月にロゴを作成している。正規認証を取得した製品であればこのロゴを表記できるので、これを参考に購入することが可能になった(Enabling USB — Japanese Certification)。

USB-IFが作成したロゴ

USB-IFが作成したロゴ。なお、5Gbps未満の製品に関しては、ロゴに速度表記は含まれない

 もっとも、2022年に作成されたこともあり、このロゴが表記されていないこともある。その場合は、従来の規格名から製品を選ぶことになる。

 なお、iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxでも10Gbpsまでしか対応していないので、この2モデルに接続することだけを考えた場合、無理に「USB 80Gbps」「USB 40Gbps」「USB 20Gbps」に対応したケーブルを選ぶ必要はないといってよいだろう。

ケーブルを購入する場合
「USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)」以上を選ぼう

 iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxは、アップル公式の仕様では「USB 3(最大10Gb/s)」という表記になっている(iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Max - 仕様 - Apple(日本))。注意書きには「※10Gb/sの速度のUSB 3ケーブルが必要です」ともある。

iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxの仕様

iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxの仕様には「USB 3(最大10Gb/s)」と表記

 「USB 3」という表記は見慣れないが、通信速度が10Gbpsとある以上、おそらくUSB 3.2 Gen 2を採用している。なので、USBケーブルを購入する際は「USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)」以上のものを購入するのがよいだろう。

 なお、iPhone 15/iPhone 15 Plusの場合は速度が480Mbpsとあるものの、iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxと同じく、DisplayPort Alternate Modeにも対応している(iPhone 15とiPhone 15 Plus - 仕様 - Apple(日本))。

 もしiPhone 15/iPhone 15 Plusで映像出力を使いたいのなら、「USB 5Gbps(USB 3.2 Gen1)」以上のケーブルが必要となる点には注意したい。

iPhone 15/iPhone 15 Plusの仕様

iPhone 15/iPhone 15 Plusの仕様には「DisplayPort」と表記されている

 結論としては、発表されている仕様を確認する限り、iPhone 15シリーズでUSB-Cケーブルが必要になった場合は「USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)」以上に対応した製品を購入すればOKといえるだろう。

 なお、「こういう用途で使いたいのだが、オススメは何か」「日常の充電用と高速データ転送用は分けるべきか」など、USB-Cケーブルの選び方をさらに知りたい場合は以下の記事を読んでほしい。

用途別のUSB-Cケーブルの選び方についてはこちら

USB-Cケーブルは対応する規格によってさまざまな種類が存在しており、何を買えば良いのかが悩みの種になるかもしれない。この記事では、用途別にオススメのUSB-Cケーブルと、その選び方について紹介していく。

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