Salesforce、新しい「Einstein 1 Platform」を発表 データ、AI、CRMを活用して生産性と顧客体験の信頼性を向上
株式会社セールスフォース・ジャパン
※本資料は2023年9月12日に米国で発表されたニュースリリースの抄訳版です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
新しい「Einstein 1 Data Cloud」は「Einstein 1 Platform」とネイティブに連携、顧客はあらゆるデータを結びつけ、顧客プロファイルの一元化やすべての顧客体験にAI、自動化、アナリティクスを導入することが可能に
次世代のすべてのSalesforce CRMアプリケーションを支える対話型AIアシスタント「Einstein Copilot」は安全性を確保しながらビジネスと顧客データに基づいて生成
新しいEinstein Copilot Studioにより、開発者はローコードのPrompt BuilderとSkills Builderを使用して、簡単にカスタム生成AIアプリケーションの構築が可能
米国セールスフォース(以下、Salesforce)は本日、Einstein 1 Platformを発表しました。Salesforce Data CloudとEinsteinのAI機能の大きな進歩を特徴とする同プラットフォームは、そのすべてがSalesforceの基盤となるメタデータフレームワーク上に構築されています。企業はEinstein 1 Platformを利用して、あらゆるデータを安全に結び付け、AIを活用したアプリをローコードで構築し、まったく新しいCRM体験を提供することができるようになります。
Salesforceの共同創業者兼CTOを務めるパーカー・ハリスは、次のように述べています。
「企業のAI戦略は、データ戦略があってこそ意味を持ちます。25年ほど前、当社はアプリケーションを横断したシームレスなデータのやり取りを行うためのメタデータフレームワークの先鞭をつけましたが、このフレームワークはイノベーション活性化の橋渡しとしての役割を担っています。今回Data CloudとEinstein AIが、Einstein 1 Platform上にネイティブに構築されたことで、企業はAI搭載アプリやワークフローを簡単に生み出し、それにより生産性の大幅な向上や、コスト削減、すばらしい顧客体験の提供が可能となります」
重要な理由:顧客データの断片化は深刻です。平均すると、各組織が使用するアプリケーションは1,061種類にもなりますが(https://www.mulesoft.com/lp/reports/connectivity-benchmark)、その中で統合されているアプリケーションは29%しかありません。企業のデータスタックは複雑化し、クラウド、ソーシャル、モバイルという先のコンピューター革命によりサイロ化された顧客データは莫大な数に上ります。
Salesforceが構築した従来のメタデータフレームワークは、企業がSalesforceアプリケーション全体でデータを整理して理解するのに役立ちます。これは、中核となるプラットフォーム上に構築されたさまざまなアプリケーションが互いに意思疎通できる共通言語を手に入れるようなものです。これによりデータをSalesforceのメタデータフレームワークにマッピングすることで、異なる社内システムでのデータ構造に関係なく、企業全体でデータを一元的に把握できるようになります。
組織はそのように把握した内容に基づき、Einstein(AI予測とコンテンツ生成)、Flow(自動化)、Lightning(ユーザーインターフェース)など各種ローコードプラットフォームサービスを利用して、ユーザー体験をカスタマイズし、データに基づいてアクションを起こすことができます。これらのカスタマイズでは、コストがかかり脆いインテグレーションコードを書く必要がなく、組織が使用している他の主要アプリケーションで即座に利用できます。
また、Salesforceが提供する年3回の自動アップグレードにより、メタデータフレームワークはハッキングによる一切の連携やカスタマイズ、またセキュリティモデルの崩壊を阻止します。
各組織はSalesforceプラットフォームの発展に合わせながら、同プラットフォームに対する機能の追加、拡張、構築を簡単におこなえます。
Einstein 1 Data Cloudはビッグデータ規模のデータや高速な自動化をサポートし、データドリブンなAIアプリケーションの新しいトレンドを推進
Salesforceが提供するリアルタイムでハイパースケールなデータエンジンであるData Cloudは、顧客データ、企業コンテンツ、テレメトリーデータ、Slackでの会話など、構造化データと非構造化データを一元化して整合性を取り、顧客の単一のビューを作成します。Data Cloudは現時点で毎月30兆件のトランザクションを処理しており、1日あたり1000億件ものレコードの関連付けと整合を行っています。
新しいData CloudがEinstein 1 Platformにネイティブに連携されたことで、企業はサイロ化されたデータをまったく新しい方法で解放し、顧客プロファイルの内容を充実させながら一元化し、これまでになかったCRM体験を実現できるようになりました。
大規模なデータ処理:Einstein 1 Platformは、顧客ごとに数千件のメタデータ対応オブジェクトをサポートできるように拡張され、それぞれが数兆を超える行を設定することができます。さらに、買収を通じてSalesforceのCustomer 360ポートフォリオの一部となったコンシューマー規模の技術スタックであるMarketing CloudとCommerce Cloudは、Einstein 1 Platform上で再設計されています。
大規模な自動化:他のシステムから莫大な量のデータをEinstein 1 Platform に取り込み、即座に実行可能なSalesforceオブジェクトとして利用できるようになりました。フローはIoTデバイス、演算により得られた分析情報、AI予測など、規模の大小に関わらず、あらゆるオブジェクトに対する任意の変更イベントによって作動します。最大で毎秒2万件のイベントを大規模に処理することができ、MuleSoftを通じて、レガシーシステムを含めた企業内のあらゆるシステムとデータのやり取りが可能です。
大規模なアナリティクス:Salesforceは、さまざまなユースケースに関して多種多様な分析情報やアナリティクスソリューションを提供しています。その中には、レポートとダッシュボード、Tableau、CRM Analytics、Marketing Cloud Reportsなどが含まれます。Einstein 1 Platformの共通メタデータスキーマとアクセスモデルを通じて、同じデータに対してこれらのソリューションすべてを大規模に実行できるようになりました。これにより、あらゆるユースケースに関して豊富な分析情報を得られます。
Salesforceはさらに、Enterprise Edition以上を利用するすべての顧客が、Data Cloudを無料で利用できるようになったことを発表しました。既存のお客様は、Data Cloud とTableauを使って、データの取り込み、一元化と整合性の実現、探索を開始し、あらゆる事業にわたってデータの力を拡張させ、AIの旅を始めることができます。
Einsteinは生成AI搭載の対話型アシスタントを提供 ー ワークフローにシームレスに組み込まれ、生産性向上を大幅に向上
Salesforceが提供する次世代版Einsteinは、次のような対話型AIアシスタントをあらゆるCRMアプリケーションと顧客体験に導入します。
Einstein Copilot:Salesforce アプリケーションのユーザーエクスペリエンスに搭載された新しい対話型AIアシスタントで、高い信頼性を備え、カスタマイズなしですぐに使用することができます。Einstein Copilotはワークフローの中でユーザーをサポートし、ユーザーが自然言語で質問すると、Salesforce Data Cloudの安全な独自の企業データに基づき、適切で信頼性の高い回答を提供し、生産性の向上を支援します。さらに、Einstein Copilot は営業電話後の推奨アクションプランや、顧客の注文状況の確認、配送日の変更など、ユーザーの問い合わせ以外の追加アクションのオプションをプロアクティブに提案します。
Einstein Copilot Studio:取引を迅速にクローズしたり、カスタマーサービスを効率化し、パーソナライズされた閲覧履歴に基づいてWebサイトを自動作成したり、あるいは自然言語のプロンプトをコードに変換するなど、何百通りもの業務タスクにあわせた特定のプロンプト、スキル、AIモデルを使ってまったく新しい世代のAI搭載アプリを構築できる新しい方法です。また、Einstein Copilot StudioはEinstein CopilotをWebサイトなどのコンシューマー向けチャネルで利用できるようにするための設定機能も提供し、リアルタイムチャットを強化したり、Slack、WhatsApp、SMSなどのメッセージングプラットフォームと統合したりすることが可能になります。
Einstein CopilotとEinstein Copilot Studioは、Einstein 1 Platform上にネイティブに構築されたセキュアなAIアーキテクチャであるEinstein Trust Layer(https://www.salesforce.com/products/secure-ai/)内で動作します。これにより、企業のデータプライバシーとセキュリティ基準を維持しながら生成AIのメリットを享受できます。
Einstein 1 Platformのメタデータフレームワークは、機械学習アルゴリズムが動作するためにフレキシブルかつ動的で文脈に富んだ環境を提供することで、AI活用への迅速で信頼性の高い道筋を提供します。メタデータはシステム内のデータの構造、関係性、動作を記述するため、AIモデルは顧客とのやり取り、ビジネスプロセス、特定のやり取りをおこなった結果をより良く理解することができます。さらにこれらの結果は、大規模言語モデルをファインチューニングするために使用され、時間の経過とともに継続的に改善される結果を提供することができます。
お客様の声
FedEx セールス&ソリューション担当SVP Mark Columbo氏
「FedExのグローバルな輸送ネットワークは拡大を続けており、データが豊富です。SalesforceのData CloudとAI機能を活用することで、Salesforceのあらゆる側面が深く統合され、成長を促進し、より多くの顧客エンゲージメントを実現することで、配送の全プロセスを通じて顧客にパーソナライズされた体験を提供できます」
Sirius XM チーフプロダクト&テクノロジーオフィサー Joe Inzerillo氏
「Salesforceは、独自のAIツールと技術を革新し続け、同時に広範囲なデータエコシステムに参加することで顧客のデータジャーニーの全ての段階で優れたパフォーマンスを発揮する最先端のプラットフォームを作り上げました。Sirius XMは、Salesforce Einstein AIとData Cloudの力を借りて、次世代プラットフォームを推進することをとても楽しみにしています」
Independence Pet Group、CTO、Chip Aubry氏
「ペットの飼い主の方々の気持ちを理解してサービスをお届けする方法は急速に進歩してきており、当グループに向けられる期待も同様に変わっています。当グループは顧客エンゲージメントを変革すべく、Data Cloudを導入して各ブランドから得たデータの一元化を進めています。リアルタイムのデータというこの貴重な財産を活用して、業務改善、事業に関する意思決定の質向上、真にお客様の心にかなう高度にパーソナライズされたサービスの提供に役立つ生成AIを利用できるよう準備しています」
エア・インディア、チーフ・デジタル&テクノロジー・オフィサー、Satya Ramaswamy博士
「顧客を理解して最高のカスタマーエクスペリエンスを提供することが、当社の最優先事項です。Salesforceの柔軟なテクノロジーと一元化された顧客データプラットフォームにより、当社が必要とする回復力を構築し、顧客が求めるパーソナライズされたサービスを実現できました」
PenFed、EVP兼CIO、 Joseph Thomas氏
「PenFedは世界中で290万を超える会員の皆様にご加入いただいており、皆様が期待されている世界クラスのデジタル体験を提供しています。Einsteinが提供する極めて重要で信頼性の高いAI機能により、効果的なテクノロジーをワークフローに直接実装できました。そのおかげで、従業員がサービスリクエストの解決を1分以内でできるようになりました。今後も、Data Cloudによってリアルタイムのデータを活用し、既存顧客や見込み顧客に対してパーソナライズされた体験を生みだしていけるでしょう。生成AI機能を発展させていけることが楽しみです」
詳細情報
SalesforceのAIテクノロジーである次世代版Einsteinを発表しました。
Salesforceは、Salesforce Data CloudとSnowflake Data Cloudとの「Bring Your Own Lake(BYOL:Lake持ち込み)」式データ共有の一般提供開始を発表しました。詳細はこちら(https://www.salesforce.com/news/stories/salesforce-snowflake-bring-your-own-lake/)。
SalesforceとDatabricksは、戦略的パートナーシップの拡大を発表しました。これにより、Salesforce Data CloudでゼロETL(Exact、Transform、Load)データ共有が実現します。詳細はこちら(https://www.salesforce.com/news/stories/salesforce-databricks-data-ai-news/)。
SalesforceとAWSは、BYOLおよびBYO LLM(Bring Your Own Large Language Model)のパートナーシップの拡大を発表(https://www.salesforce.com/news/stories/salesforce-aws-ai-announcement-dreamforce/)しました。
価格と提供時期*
Data Cloudは、すべてのEnterprise Edition以上の顧客に無料で提供されています。提供される機能には、1万の顧客プロファイルの統合と、2つのTableau Creatorライセンスを使用した探索の開始が含まれます。
Einstein Copilotは現在パイロットを実施中です。
Einstein Copilot Studioは、2023年秋にパイロットが実施される予定です。
Einstein Trust Layerの機能強化は2023年10月に一般提供され、Einstein製品に含まれます。
*国内価格と日本語環境での利用については提供時に案内予定。
Salesforceについて
Salesforceは、データ+AI+CRM(顧客関係管理)+信頼の力で、あらゆる規模や業種の企業が顧客とつながることを支援します。Salesforceの詳細については、salesforce.com/jp をご覧ください