グローバル人材育成を支援するエー・トゥー・ゼットが、AIを使った小学生向け英語パフォーマンステスト「Clara」を全国へ提供開始
株式会社エー・トゥー・ゼット
ALTによる授業支援が「発音」の評価に貢献する実証実験結果も明らかに
「真のグローバル人材の育成」を目指す株式会社エー・トゥー・ゼット(本社:長野県松本市、代表取締役社長:遠藤美千子)は、AIを使った小学生向け英語パフォーマンステスト「Clara」(クララ)を、全国の公立小学校へ提供開始することをお知らせいたします。 当社がアイード株式会社と提携し開発した「Clara」は、2022年9月より長野県内の公立小学校を対象にテスト導入を実施しており、AIによる評価の正確性や評価結果の授業改善への活用についての実証実験を進めてきました。この度、小学校の英語教育現場での十分な活用および授業の改善提案が実現できると判断し、正式版として全国の公立小学校へ提供を拡大いたします。また、当社ALT(Assistant Language Teacher)が小学校低学年時から英語指導を行っている自治体の学校では、特に「発音」に関する英語力が向上していることを定量的に測ることができましたので、その結果についてもお知らせいたします。
今後、指導方法の格差や教師の工数負担が大きい小学生の英語教育における様々な課題を「Clara」と当社ALTのサポートによって支援し、子どもたちが「英語を話すのが楽しい!」と感じられるように、公立学校からグローバルに活躍する人材の育成を目指してまいります。
全国展開の背景
文部科学省が2023年7月31日に発表した令和5年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果では、4年ぶり2回目の実施となった中学校の英語の「話す」技能の平均正答率が12.4%となり、英語のスピーキング力が低いことが明らかになりました。
近年、令和3年から小学3年生と4年生で英語を学ぶ「外国語活動」が必修となり、小学5年生以上は「教科」として通知表で評価されるようにするなど、公立学校での英語力強化は進みました。一方で、実態としては多くの日本人教師が自信を持てない、もしくは指導の時間を割きづらいとされる英語スピーキングの領域において大きな課題があることが、全国学力テストの結果からもわかっています。
当社はこのような課題に向き合うため、アイード株式会社との共同開発により、小学生の英語教育を支援するための英語パフォーマンステストを開発しました。このテストは、当社がALT派遣を通じて長年にわたり蓄積してきた小学生の英語教育におけるノウハウと、教育現場で広く導入されているCHIVOX(R)︎(チボックス)という英語スピーキング評価AIを連動させることで実現しました。
その後、2022年9月から長野県内の公立小学校で約8か月にわたりテスト導入を行った結果、ネイティブや英語指導の専門家の採点結果と比較しても約96%の正答率を達成。現場での活用および授業改善の具体策に繋げることが可能となったため、この度、小学生向け英語パフォーマンステスト「Clara」として正式リリースし、提供エリアを全国に拡大する運びとなりました。
長野県での実証実験 結果分析
(1)自治体ごとの英語学習に対する取り組みの違いが結果に影響
当社が長らくALTを派遣し、カリキュラム構築も支援することで小学生低学年から英語に馴染んでいるA町学校の児童は、総合点と「発音」の平均点が、全体平均を大きく上回る結果となりました。自治体ごとの英語学習に対する取り組みの違いが結果に影響し、子どもの発達段階に合わせて発話中心の指導を体系的に実施してきたことが成果に繋がっていると考えられます。従来ではこの成果を定量的に測ることは困難でしたが、「Clara」の導入により成果が可視化されました。
英語教育においては、子どもの言語習得はまず「聞く」ことから始まるため、保育園や低学年の段階から正確なネイティブの発音を聞き、発話できる環境があることは将来的な発音に影響を与えることがわかります。
(2)ネイティブや専門家の評価に対して、AI自動採点が96%の正答率を達成
ルーブリック評価(※)のネイティブや英語指導の専門家の採点結果と比較して、AI自動採点が約96%の正答率を達成しました。
録音者の声が小さい、発声が不明瞭、雑音などが影響して適正な採点ができなかった音声もあり、これらは受験環境の整備によって排除に繋げられることも明らかになりましたが、システム面の改善も重ねることでさらに利便性を向上させることができます。
さらに、児童がテストを受ける環境の具体的な改善も実現していきます。
※ルーブリック評価:学校教育などで、目標達成度を評価するための表。学習における具体的な目標と、それぞれの達成レベルを一覧表にしたもの。また、それを用いた評価法。出典:デジタル大辞泉(小学館)
(3)可視化された学習効果を授業改善の向上につなげる
上記のように「Clara」の活用を通じて、地域や学校、クラスごとの課題をデータから抽出し、学習効果に対して授業改善の提案を具体的に行うことが可能です。
例えば、「流暢さ」が平均より低い結果となったクラスは、恥ずかしさを払拭するための取り組みを強化してみたり、「発音」が平均点より低い単語にフォーカスしてクラス全体で苦手な単語の発音を克服するなどの対応が挙げられます。
(4)評価にかかる時間を大幅削減
学習指導要領のうちの「話す」技能の評価には、これまで児童一人あたり約3分の個別テスト時間がかかるケースもあり、例えば児童数が30人のクラスでは全体で90分以上かかる状況も発生しています。今回「Clara」を使うことで、教室内で児童がいっせいにテストを受けることが可能となり、90分かけていたテスト時間が20分程度で完了。空いた時間をテストの復習やALTとのコミュニケーションに充てることが可能となりました。
実証実験に参加した児童、教師の声
児童の感想
「なんかゲームみたいだった。もっとやりたい」
「次のClaraはいつ?」
楽しくテストを受けることができるゲーム性が、児童たちの英語学習意欲につながっているような感想を多くいただきました。
教師の感想
「普段、児童たちに新しいことを試してみたり、英語を楽しんでもらうのはなかなか難しいんですが、このパフォーマンステスト『Clara』を始めてみたら、雰囲気がグーッと楽しくなった。児童たちが積極的に取り組むのを見るのが嬉しかったです」
AIを使った小学生向け英語パフォーマンステスト「Clara」概要
「Clara」(クララ)の由来
「Clara」という単語は古代ギリシャ語で「明確」という意味を持ちます。「Clara」は、子ども達の得意なことと苦手なことを明らかにし、一人ひとりが何を練習すれば英語が話せるようになるかを明確にしていきたいという意味から名づけました。さらに、日本中の子ども達が「使える英語」を身につけ、世界と共存し活躍してほしいという想いも込められています。
テストに登場するキャラクターはフクロウの「クララ」。フクロウは「知恵の象徴」「学問の象徴」として古くから学問や知恵の象徴として親しまれています。
テストの流れ
各自に割り当てられたID/パスワードで児童はClaraにログインし、目的・場面・状況に応じた各テストとテスト実施の説明動画を選択。
説明動画にて、テストの流れや注意点等を確認し、フクロウの「クララ」と一緒に、問題文を聞いて、音声で回答を吹き込みます。
内容
学習指導要領に則る
対象となる要綱
「聞く、話す(やり取り,発表)、読む、書く」の4技能5領域のうち、話す技能のやり取りと発表の2領域
対象学年
小学6年生
必要なデジタル端末
タブレット、PC
※契約期間は基本的に一年間です
※「Clara」システム単体の導入も可能です
※ALT派遣も一緒に検討可能ですので、お問い合わせください
お問い合わせ先
導入をお考えの自治体、学校関係者の方はこちらにお問い合わせください。
公教育部門:胡桃澤(くるみざわ)
電話:0263-28-2366 Email:yoshitomo@atoz-ed.com
■長野県に展開を開始したプレスリリースはこちら(2022年9月)
https://atoz-ed.com/%E5%85%A8%E8%88%AC/%E5%85%AC%E7%AB%8B%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%AE%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E8%A9%95%E4%BE%A1ai%E3%80%8C%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%83%91/
■エー・トゥー・ゼットについて https://atoz-ed.com/
エー・トゥー・ゼットは1987年の英会話スクール創業以来、長野県を中心としてALT派遣をはじめとする公教育支援、語学スクールの運営、法人支援など幅広い事業を展開し、「真のグローバル人の育成」を掲げています。魅力的で優秀な外国人講師(ALT)派遣は累計800名を超え、学校の英語授業からどなたでも通えるスクールやオンラインプログラムまで、語学習得にとどまらない異文化理解が可能なオリジナルプログラムを順次開発しています。これからも、長野県で“グローバル人育成エコシステム”を創り、世界で活躍する日本人の増加に貢献してまいります。
■アイード株式会社について https://aied.jp/
グローバルで1,000社超が導入するPaaS(Platform as a Service)の英語スピーキング評価AI「CHIVOX(R)️」を展開するEdTechベンチャー。「EdTechのコア技術で“未来の学び”をすべての人に」をMISSIONに、幼児から法人向け英語学習教材まで幅広く英語教育業界にテクノロジーソリューションを提供している。
・会社名:アイード株式会社
・代表者:代表取締役 窪田 優希
・本社所在地:東京都新宿区津久戸町1番8号 神楽坂AKビル8階
・事業内容:英語スピーキング評価AI「CHIVOX(R)︎」を活用したビジネスデベロップメント