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【川崎フロンターレ】岡谷エレクトロニクスの新技術、猛暑とゲリラ豪雨でも利用可能な『賑わい状況リアル配信システム』を熱中症回避のためホームゲームで導入

PR TIMES

岡谷エレクトロニクス株式会社
38℃を超える中、等々力陸上競技場のキッチンカー出店エリアにて行列緩和の実証実験を行いました。プライバシーを配慮して広範囲測定可能なシステムを応用することで熱中症回避に期待ができます。

岡谷エレクトロニクス株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:水野 治、以下 岡谷エレクトロニクス)は、Jリーグに加盟する株式会社川崎フロンターレ(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:吉田明宏、以下 川崎フロンターレ)と、「3D-LiDAR」を利用した「賑わい状況リアル配信システム」を活用し、8月6日に行われた等々力陸上競技場でのホームゲーム(vsガンバ大阪)にてキッチンカー出店エリアの混雑状況可視化及びリアルタイムの賑わい状況をライブ配信する実証実験を行いましたのでお知らせいたします。





川崎フロンターレは地元に密着したサッカークラブとして設立され、2020年2月より新型コロナウイルス感染対策を実施することで、観客が快適かつ安心して観戦できる環境づくりを整備してきました。2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことにより、試合会場となる等々力陸上競技場では来場者が増え、多くの行列ができるようになりました。
また、今年はエルニーニョ現象の発生により、猛暑日が続き観測史上最も暑い年と言われるほどの暑さとなりました。19時からの試合に合わせ等々力陸上競技場周辺ではイベントも開催され、昼過ぎの最も暑い時間帯にはキッチンカーの出店エリア周辺は多くの人で賑わい、待ち行列による熱中症の懸念が強くなりました。
待ち時間等を表示させるシステムは以前より多くの企業で使われていましたが、行列に対しては人の手でカウントし表示させる場合が多く、さらに各出店者ごとに契約しなければならないため、不特定で日ごとに入れ替わるキッチンカー出店エリアでのシステム導入は一般的に難しいとされています。そこで、川崎フロンターレと岡谷エレクトロニクスでは、混雑回避や熱中症防止に向けて、賑わい状況配信システム導入による実証実験を行いました。

8月6日13時 38.4℃を示す温度計

<実施概要>




Youtubeリアルタイム配信画面 17時頃
実際の混雑状況

当日は川崎フロンターレX(旧:Twitter)とエリアに設置のパネルにて周知し、3万6千人以上の方々にご覧いただきました。気温38℃を超える炎天下の中、計測を実施した13時~19時で多くの方の往来がありました。試合の動員数も2万人を超えました。16時頃にゲリラ豪雨に襲われましたが、3D-LiDARは全天候型で雨天時でも使用可能なため、問題なく配信を続けることができました。

14時~16時頃は試合開始まで時間があるため、キッチンカーエリアへの来場者はまばらで、キッチンカーの行列も3~5名ほどでしたが、試合開始時間が近づいた17時頃には来場者が増え、エリアも混雑しました。
エリアの賑わいにともない、リアルタイムの配信画面上の人も増え、エリアにいる実際の人数とシステムによって観測された人数(画面上のピクトグラムの数)を比較しても大きな遜色はありませんでした。また、カメラではなく3D-LiDARセンサーを使うことで、人の顔や服装を取得することなく、プライバシーを保護した状態でリアルタイム配信をいたしました。

エリアにて来場客20人にインタビューを実施したところ、インタビューでは90%の方が賑わい状況リアルタイム配信に利便性を感じ、導入してほしいとお答えいただきました。また、「行列を見て購入をためらった場合、空いている時間にずらす:15名」、「アプリで待ち時間がわかれば参考にする:19人」、「モバイルオーダー機能があれば使いたい:17人」と回答がありました。これらの結果から、混雑状況がわかれば時間調整やモバイルオーダーの活用といった行列回避の行動を自然ととっていただけるとわかりました。これによりサポーターや来場客自身の調整で、待ち時間の回避行動が起こり、行列が短くなることで炎天下での熱中症予防効果も期待できます。

その他の意見としてプライバシーへの配慮から女性の多くがカメラ映像ではなく3D-LiDARセンサーを使った顔のわからない状態での配信を希望されていました。導入不要という意見では、「常連で行く店が決まっているので事前にわかっていても行列に並ぶ」がありました。

賑わい状況を配信することによって、等々力陸上競技場が多くの人で賑わっていることが市民に伝わり、来場を促進する狙いもありました。しかし来場動機がリアルタイム配信を見たことによるものかはわかりませんでした。特に来場者数のピークである18時前後においては、川崎フロンターレX(旧:Twitter)やYouubeの閲覧者数が少なく、サポーターや市民への周知が課題となりました。

<当日に行ったインタビュー結果>※一部抜粋

女性 20代
カメラで撮影されてオンラインで配信されるのは絶対に嫌だ。多少精度が落ちたとしてもデフォルメされて顔がわからずプライバシーが守られた状態で配信してほしい。



女性 40代
リアルタイム配信動画を見て、混んでいれば積極的に訪問時間を変える。そのためこのサービスはとてもありがたい。本日初めて等々力陸上競技場に来たのでとても参考になった。



カップル 20代
他のサッカークラブでは競技場内のフードコーナーで待ち時間の表示やモバイルオーダーを実施していることがあり、とても利便性が良いと感じている。多くのクラブでこのようなシステムを導入してほしい。



男性 30代
自宅が等々力陸上競技場から近いので、リアルタイムで配信されていると時間の調整ができてありがたい。



女性 20代
以前、たこ焼きを購入するために1時間以上並び、選手紹介に間に合わなかった。



3D-LiDAR
川崎フロンターレ公式X(旧:Twitter)
来場客20人へのアンケート結果



岡谷エレクトロニクスは、約40 年にわたり、お客様の課題に対応するために常に最新のソリューションを提供してまいりました。数年前からは、自動運転技術にも使用され、自動車や歩行者、障害物などの距離・形状や位置を三次元で測定できるOUSTER社(本社:米国カリフォルニア)の3D-LiDAR の取扱いを開始いたしました。3D-LiDARはレーザーを照射し、対象物から跳ね返ってくるまでの時間差を計測し、距離や位置、形状を点群として3次元で測定する技術です。この点群データにAIに長けた企業であるSeoul Robotics(本社:韓国ソウル)のAI分析技術を組み合わせ、物体を検知・識別・追跡することで、広範囲での人の人数、動線、滞留時間等を計測できるソリューションを実現いたしました。

人流観測には大きく分けて、AIカメラを使用したものとセンサーを使用したものがあります。岡谷エレクトロニクスの人流計測は後者で、LiDARセンサーを使用したものです。LiDARセンサーを使った人流観測はAIカメラとは違い、人の顔や服装等を取得しないため、個人情報やプライバシーの保護に極めて高い優位性があります。そのため、リアルタイムで人が動いたり並んだりしている様子をオンラインで配信しても歩行者のプライバシーを侵害することがなく、特に行政や公共交通機関での活用が期待されています。
AIカメラは画像をAIで認識・処理することで人物や行列の特定をするため、雨や埃、夜で画像の取得がうまくいかない場合に計測自体が不可能になります。また、人の動きによって画像が著しく変化するため、同一人物を追い続けることが難しいとされています。対してセンサーを使った人流観測は、雨天や夜間に強く、広い範囲で同一人物を追跡することが可能です。LiDARを複数連携させることで広範囲エリアの計測に効果を発揮するため、スタジアムや空港、大型商業施設での活用が期待されています。



今回の実証実験により、待ち時間の表示やモバイルオーダーシステムを導入してほしいとの意見が多く、導入によって来場者側が来訪時間、受け取り時間の調節や、スタジアムへの配達を依頼するなど状況に合わせて柔軟に行動でき、ストレスとなるような混雑を避けられると考えられます。それにより、賑わいを見せながらも混雑による熱中症リスクの軽減や来場者の離脱を防ぐことが期待できます。今後は、混雑度検知の精度を高め、待ち時間の表示をシステムに組み込むことやデリバリー各社との連携を視野に入れつつ、サービスを発展させてまいります。
岡谷エレクトロニクスは今後も川崎フロンターレと共同で賑わい状況を配信することで集客の最大化を図りつつも、イベントや施設が居心地の良い賑わいを獲得できるよう貢献してまいります。


■「川崎フロンターレ」について( Webサイト https://www.frontale.co.jp/
神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2021年までに6つのタイトルを獲得。「スポーツの力で、人を、この街を、もっと笑顔に」をミッションとし、ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れていて、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けています。

■「岡谷エレクトロニクス株式会社」について( Webサイトhttps://www.oec.okaya.co.jp/
岡谷エレクトロニクス株式会社は、上場企業である岡谷綱機株式会社の100%出資にて1984年に設立。創業当初から数々の世界的大手企業とパートナーシップを結び、半導体やソフトウェア、電子部品などの製品を提供することで、ものつくりに貢献してきました。近年では付加価値を高めるソリューション提供に注力し、特にIoTセンサーやLiDARセンサー等を活用した混雑度センシングソリューションに力を入れています。40年近くに及ぶ歴史の中で蓄積された技術力を発揮し、これからも社会課題解決に貢献してまいります。岡谷エレクトロニクス株式会社は、川崎フロンターレのクラブパートナーです。