このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第237回

Y!mobileの10月開始予定の新プランは得か損か、UQやirumoとも比べた

2023年08月28日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Y!mobileの新料金が発表された。「シンプル S/M/L」から“2”が付いた「シンプル2 S/M/L」に移行。通信量と料金に加え、割引条件も変わる。本連載でも比較相手として、たびたび取り上げているライバルのUQ mobileにドコモ「irumo」を加えて料金をチェック。どの点に注目して選んだらいいかをまとめた。

 なお、シンプル2の開始時期は「10月以降」とハッキリとした日付は現時点では示されていないが、シンプル2の開始後は現在のプランは新規申込が終了するため、検討だけは進めておいたほうがよさそうだ。

Y!mobile

10月開始予定のY!mobileの新料金プラン。真ん中の部分の割引に注目

通信量の区切りが代わり、
値下げとなるケースもあるが、基本的にはやはり値上げだろう

 Y!mobileの従来プランではS/M/Lの月間通信量がそれぞれ3GB/15GB/25GBだったが、新プランでは4GB/20GB/30GBと増量される。同時に料金も2178円/3278円/4158円が、2365円/4015円/5115円へと変更された。通信量が変わったので必ずしも値上げというわけでもないのだが(実際に割引前の時点でも1GBあたりの料金は若干安くなっている)、割引条件を満たせば値下げになることもある。

 たとえば、今まで毎月19GBをピッタリ使っている人がいたとして、従来プランだと「シンプル L」を選択して4158円。ところが新プランだと「シンプル2 M」で済むので4015円と若干安くなる。

Y!mobileの新旧両プランの通信量と料金の比較

Y!mobile

 また「シンプル2」では、対応固定回線のセットで適用される「おうち割 光セット(A)」での割引額が多くなるケースがある。具体的には、従来の「シンプル」では一律1188円引きだったが、「シンプル2」では、Sで1100円引き、MやLで1650円と増額されている。さらにPayPayカードで料金を払った場合の「PayPayカード割」が新たに登場し、187円引き。つまり、基本料金を上げつつ、割引額を増やすことでバランスを取っているわけだ。

 とはいえ、ソフトバンク系の光回線やNURO光、SoftBank Airといった割引対象の固定回線を契約しなかったり、PayPayカードを持っていない場合は従来プランより不利になることは間違いない。

 また、制限も1つ加わっている。通信量を使い切った後の速度だが、MとLは最大1Mbpsで使い続けられたところ(Sは300kbps)、「シンプル2」では最初は1Mbps(300kbps)だが、Sは6GB、Mは30GB、Lは45GBを超えると最大128kbpsとさらに減速する。これもある意味、値上げとも言えるだろう。2段階減速はIIJmioなどでも見られるが、IIJmioは2回目の減速をあまり前面に出していないことに対して、今回のY!mobileはハッキリと言っている点は評価できる。

掲載当初、「おうち割 光セット(A)」の対象回線について間違いがありました。お詫びして修正いたします。(9/28 01:40)

Y!mobile

新たに2段階目の速度制限が追加された

UQ mobileとの比較では月4GBまでならイコール
月20GBならUQ mobile、それ以上はY!mobile

 Y!mobileといえば、やはり直接のライバルとなるUQ mobileとの比較に注目が集まるだろう。少し前まではUQ mobileも通信量別のS/M/Lで一時期はほぼ横並びだったが、UQ mobileが6月からの新プランでそうした単純な内容ではなくなった。そのため、利用スタイルによっては有利不利が分かれる。

Y!mobileの新プランとUQ mobileとの比較

Y!mobile

 今回ほぼ内容が揃ったのは月4GBまでのライトユーザー向けプラン。Y!mobileの「シンプル2 S」とUQ mobileの「ミニミニプラン」は各種割引前の基本料金や固定回線とのセット割引、自社クレカでの支払時の割引も横並びだ。

 一方、月20GBまで使う人で、対応固定回線などを持っていない場合はUQ mobileが有利。1回10分までの定額通話までついて月3278円の「コミコミプラン」があるからだ。「コミコミプラン」はahamo対抗ということもあってか、固定回線セットや家族割引はない。Y!mobileで近い内容を考えるなら、「シンプル2 M」と「だれとでも定額+」を追加して4895円になってしまう。

 しかし、Y!mobileで割引が入ると逆転する。「シンプル2 M」は最安で2178円。「だれとでも定額+」を追加しても3058円(こうした割引が適用できないなら「LINEMO」を検討するのがよさそう)。

 また、UQ mobileには20GB以上のプランがない。30GBの「シンプル2 L」が用意されているのは大量データ消費時代に対応しているからか。UQ mobile側はそれ以上のデータ通信を使うのなら、auの「使い放題MAX」系プランをぜひ、ということなのだろう。

月1GB以下の利用なら、大きく割り引かれる制度ができた
「プラン変更先取りプログラム」はY!mobile独自の良サービス

 さらに「シンプル2 M/L」には、ほとんど使わなかった場合の割引が付いた。通信量が1GB以下ならば、Mは1100円、Lは2200円引きとなり、固定回線セット割があれば「シンプル2 S」に近い料金になる。UQ mobileでも「トクトクプラン」に似た内容がある。

 なお、あまり知られていないが、Y!mobileには「プラン変更先取りプログラム」というサービスが昨年12月から用意されている。月の途中で予想外にデータ容量を消費してしまった場合、翌月の上位プランへの変更を待つことなく、上位プランとの差額相当分のプログラム料を払うことで、当月からプラン変更したのと同様の通信量が使える。これなら追加チャージより、かなり割安になる。今回の「シンプル2」でも引き続き「プラン変更先取りプログラム」が用意されている。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン