iPhoneで高品質な音を記録するには? 目的に合った外付けマイクを選ぶポイントはこれ!
2023年09月06日 09時00分更新
動画制作では、映像に心を奪われがちだが、「音」も非常に重要な要素だ。なぜ、音が重要なのか? それは、人が動画を見る際、視覚情報よりも聴覚情報のほうが速く届くからだ。
つまり、音の品質が低いと、その動画全体の印象が下がってしまう。快適に視聴してもらうには、音質が非常に大きなウエイトを占めているということだ。
動画制作においては、目的に応じた外付けマイクを選ぶことが重要。今回は、アクセサリー編の第2弾として、マイクの基本的な知識と選び方を中心に紹介していこう。なお、ここではマイク音声をiPhoneに入力して同録(同時録音)することを前提としたアクセサリーを紹介する。
外付けマイクを使うと音質が大幅に向上する
iPhoneには内蔵マイクがあるが、これは通話向けのマイクなので音質がよくない。編集で音質を向上させることもできなくはないが、作業は面倒だし、思ったとおりに調整できないことも多い。その点、外付けマイクは、音を細部まで捉え、クリアさやリアリティ感を大幅に向上させてくれる。
ただ、「外付けマイクを使えば、遠い場所の音もきれいに撮れる」という誤解もあるようだ。確かに、指向性の高いマイク(長い棒のマイク)は、遠くの音も比較的拾えるが、ノイズが混入するし、環境によっては収録できないこともある。
実は、マイクが持つ機能とは「適切な距離の音をクリアに撮る」というものだ。つまり、マイクの特性に合わせて、被写体から適切な距離に設置することで、いい音が収録できるのだ。そこで大切になってくるのが「指向性」。この指向性を理解しておくと、撮影の目的に合ったマイクを選びやすくなる。
選ぶときはマイクの指向性をチェック
マイクを選ぶ際に、「指向性」という言葉を目にすると思う。これは、マイクが、音をどの方向からどの程度拾うかを示すものだ。マイクの種類によって、この指向性は大きく異なり、大まかに「全指向性(無指向性)」「単一指向性」「双指向性」の3つに分けられる。
【全指向性(無指向性)】
全方向からの音を均一に録音できるので、マイクの向きを意識しなくても音を拾えるのがメリットだ。逆に言うと、余計な音が入りすぎてしまう可能性もある。
全指向性のマイクには、「ピンマイク」がある。これは、服やアクセサリーに取り付ける小型のマイクのことで、「ラベリアマイク」とも呼ばれる。マイクを付けた人の声を近くで直接拾うので、周囲のノイズを最小限に抑えつつ、クリアでナチュラルな声を録音できる。マイクの位置が多少ずれても、しっかりと音を拾えるのがメリットだ。
最近は、ワイヤレスタイプのピンマイクも増えてきており、話者が自由に動き回っても、一定の音量で収録できるのは大きな強み。撮影の幅も広がるので、人の声を収録するならピンマイクが圧倒的に効率的だ。
【単一指向性】
単一指向性とは、マイクを向けている一定の方向からの音だけを拾う特性を持つ。このタイプは、特定の方向にある音源を高音質で録音できるというメリットがある。
ただし、少しでもマイクの向きがズレると音質が一気に劣化してしまう。そのため、カメラの向きとマイクの向きを同時に考えなければならず、一人で作業する場合は取り扱いが難しい。特に、移動撮影が伴う場合は、かなりやっかいだ。
代表的な単一指向性のマイクは「ショットガンマイク」だ。これは、長い棒状のマイクで「ガンマイク」とも呼ばれる。適切な距離にある音源にマイクを向ければ、その音を高音質で録音できる。なお、音を収録できる射程はマイクの長さによって異なり、一般的に長くなるほど遠くの音を収録できる。
【双指向性】
双指向性とは、マイクが向いている前方と後方からの音を拾い、両側面からの音はほとんど拾わない特性を持つ。このタイプのマイクは、対談やインタビュー、楽器のセッションなど、相手が対面に位置している場面で使用されることが多い。また、自撮りをする場合に、前方の音と自分の音声を同録する場合にも向いている。
双指向性のマイクにはさまざまな形状のものがある。普段はステレオマイクだが、マイクの向きを変えると双指向性のマイクになるものなど、ユニークなものもあるので目的に応じてチョイスするといい。
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