若かりし頃のミズグチさんを探して……
実は今回の展示会開催の数週間前に、オレのツイッター宛てに大友克洋ファンクラブのT氏からDMをいただきました。そのT氏の案内で、1週間前に大友克洋ファンクラブ会長さん宅に伺い、若かりし頃のミズグチさんの作品を借り受け、当時のお話も聞かせていただいたんです。
20代のミズグチさんが大友克洋ファンクラブで活躍していた頃の作品を借り受け、昔のお話を聞かせてもらいました
そこで見せていただいたのが、20代前半、プロになりたくてギラついていた、ミズグチさんの作品の数々。会長さん曰く「ミズグチくんはウチに来てもずっと絵を描いていたよ」と。たぶん、大友さんの生原稿を見て、描かずにはいられなかったんだろうなぁ。ミズグチさん、絵が描きたくなったらいつでもどこでも描いていたもんなぁ。
ミズグチさんがひとりで描いていたという、ファンクラブ用のアニメ絵コンテ
借り受けた原画は、ブースの正面に展示！
(C)YUKIHIRO MIZUGUCHI
その後、会長さんに話をつないでくれたTさんを自宅付近の駅まで車でお送りしたんですが、その駅がなんと南船橋駅！ カオスのコア読者なら覚えてくれているかもですが、オレのカオスだもんね！初担当回は、この駅の正面にあった「スキードーム・ザウス」でのスノーボード体験レポートなんですヨ。
カオスだもんね！ 3巻、11巻より、アカザー登場シーン
(C)週刊アスキー／YUKIHIRO MIZUGUCHI
さらに、この駅のホームでミズグチさんと一緒にタバコを吸うシーンが、その日の取材の後日談として「カオスだもんね！ 11巻ミズトフ編」に収録されています。
長い時間を経て、道路からその南船橋駅のホームを見上げたとたんに、そのミズグチさんとの思い出がフラッシュバックして胸が熱くなりました。
この漫画のように南船橋駅のホームで喫煙が出来たのははるか昔のこと。知らないうちにあれからずいぶんと時間が経ったんだな～、と。いろいろな思いが頭をめぐったのでした。
シャクライが厳選！「カオスだもんね！」
未収録作品ファイルは現在もヨミヤスミで公開中
3日間に渡り開催された「水口幸広 追悼展示会」は、皆さんのおかげで懐かしくも楽しい雰囲気で幕を閉じることができました。ヨミヤスミ1階のカフェスペースには、現在もPLUS1巻の表紙イラスト原画が展示されていたり、懐かしい週アスやEYE・COMなどが置いてあります。
原画展終了後も、ヨミヤスミには一部の原画が飾られており、単行本を読むことができます
なかでもオレのイチオシは「カオスだもんね！ 未収録作品ファイル」（全５冊）です！ これは単行本にはなっていない話を、シャクライさんが厳選してスクラップしたものなので、お近くの方は是非いちど足を運んでみてください。
未収録作品ファイルを笑顔で読んでいたご夫婦にほっこり。ミズグチさん見てますか～？ アンタの漫画読んで、みんなめっちゃニコニコしてるよ～
単行本未収録のカオスを
ワンチャン単行本に出来ないか!?
この作品ファイル以外にも、実は単行本化されていない「カオスだもんね！PLUS」は10巻以上にのぼる感じなんですヨ！
今回、多くの来場者から「どうか未収録ぶんのカオスを単行本で読めるようにしてください！」という声をいただきました。なので、この機会にクラウドファンディングなどを調べつつ、ワンチャン単行本に出来ないかどうか、オレとシャクライさんで動いてみようかと思っています。皆様のお力添えが必要な場合は遠慮なく頼むと思いますので、その節は皆様も遠慮なくご協力のほどよろしくお願いいたします！（笑）
最後になりましたが、暑いなか日本全国よりミズグチさんとのお別れにお集まりいただいたファンの方々、追悼原画展開催にあたりボランティアとしてご協力してくれた方々に、厚く御礼申し上げます。
ミスグチさん、アンタめちゃめちゃ多くの人から愛されてたぜ～！
展示会を終えて……
シャクライとアカザーより
(C)YUKIHIRO MIZUGUCHI
======================
最後に、こちらはHOMESHOWで長年お世話になったモナカDが作ってくれた動画です。都合がつかず追悼原画展を訪れることが出来なかった方はまるで訪れたかのように、当日来ていただいた方にはあの日の熱気と少しの寂しさをもう一度共有できる、そんな動画になっております。モナカD、愛のある動画をありがとうございます！
■関連サイト
この記事を書いた人──アカザー（＠AKZ161）
「カオスだもんね！」（1991〜2009）と「カオスだもんね！PLUS」（2009～2020）「の担当編集者として漫画本編にも登場。キャラクターと本人が完全一致すぎることで話題になるも本人は全否定。現在はフリーライターとしてホビー系雑誌やYouTubeなどでも活躍。また22年前に車椅子ユーザーになったことから、車椅子ユーザー目線でのバリアフリーやパラスポーツなどの記事も執筆している。
