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「GALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデル」のパフォーマンスをベンチマークでチェック

GALLERIA(ガレリア)動画配信向けPCの実力はどう? マルチコアも強いCPUでストレージも高速!

2023年08月08日 11時00分更新

文● 勝田有一朗 編集●八尋/ASCII

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ハイエンド向けのCore i7-13700KFを搭載しパフォーマンスに期待が高まる

 ZA7C-R47が搭載する「Core i7-13700KF」は、インテル第13世代Coreプロセッサーのハイエンド向けに位置するCPUだ。モデル名に含まれる“K”は、動作クロック倍率アンロックを表し、オーバークロック運用も可能なことを示している。ちなみにモデル名末尾の“F”は、内蔵GPU非搭載で別途ビデオカードが必須という意味だ。ZA7C-R47には強力なビデオカードが搭載されているので、もちろん問題はない。

 Core i7-13700KFのCPUコア構成は性能重視のPコアが8基、効率重視のEコアが8基搭載された計16コア/24スレッドのハイブリッドアーキテクチャCPUで、定格動作時の最大ブースト動作クロックは5.4GHzに達する。

 また、試用機のCore i7-13700KFの電力リミット設定は定格設定のMTP 253W(Maximum Turbo Power:数十秒間だけ出せる全開電力リミット)、PBP 125W(Processer Base Power:MTP動作が終わったあとの常時電力リミット)となっていた。基本的に電力リミットが高いほどパフォーマンス向上に繋がるわけで、この部分が“K”の付かない「Core i7-13700F」(MTP 219W、PBP 65W)と大きく違う部分の1つだ。

 ただもちろん、電力リミットが高いとCPUの発熱も多くなる。そのためCPUクーラーの性能がとても重要で、“K”付きモデルが水冷CPUクーラー使用を推奨するのもそのためだ。その点に関しても、ZA7C-R47 動画配信向けモデルは水冷CPUクーラーを標準搭載するゲーミングパソコンなので、安心して使用していける。

水冷CPUクーラーを標準搭載。ヘッドには、GALLERIAのロゴが採用されている

 次にシステムメモリーに関して、試用機には32GB(DDR5-4800 16GB×2)が搭載されていた。一般的なゲームであればかなり余裕のある容量で、動画配信用途でも32GBあれば心強い。

 そしてゲーミングパソコンにおいて主役といっても過言でないGPUには、NVIDIAのRTX 40シリーズのアッパーミドル向けモデル「GeForce RTX 4070」を搭載する。

 RTX 4070はWQHD解像度(2560×1440ドット)をメインターゲットとしたGPUで、ビデオメモリーはGDDR6X 12GBを搭載、先代「GeForce RTX 3070」のGDDR6 8GBから大きく増量されている。昨今ビデオメモリー8GBでは不足を警告するゲームも出てきているので、ビデオメモリーが12GBというのは、今後しばらく一線級を張れる安心材料の1つになるだろう。

 また、RTX 3070比でブーストクロックの大幅向上やキャッシュメモリ増量によるパフォーマンスアップが行なわれ、それでいてTGP(総グラフィックスパワー)は220Wから200Wと、省電力化を実現している。長時間の安定したゲーム実況配信のためにも、省電力化はありがたい一面だ。さらに、RTX 40シリーズ最大の特徴である「DLSS 3」についても、今後対応タイトルの増加が楽しみな機能だ。

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の実行結果

 CPUのCore i7-13700KFとの性能バランスも申し分ないと思われるので、そのパフォーマンスが如何なく発揮されることを期待したい。まずは、ZA7C-R47の基礎性能を定番ベンチマークで測っていこう。

ハイエンドゲーミングパソコンらしい高ベンチマークスコアーを記録

 最初は3DCGのレンダリング速度でCPUのマルチスレッド/シングルスレッド性能を計測する「CINEBENCH R23」から。

CINEBENCH R23実行結果

 結果はマルチコアが25792pts、シングルコアが2076pts。かなり高いスコアーが記録された。比較として定格動作のCore i7-13700Fのスコアーを挙げると、マルチコアが約19000pts、シングルコアが約2000ptsとなる。シングルコアはほぼ同じだが、マルチコアの大きな差は電力リミットPBPの差(125Wと65W)と考えていいだろう。稼働CPUコア数が多いマルチスレッド用途ほど、“K”付きモデルの利点が光る格好だ。

 さまざまなジャンルのアプリケーションを想定した負荷をかけてパソコンのトータル性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2600)の計測結果は次のとおり。

PCMark 10実行結果

 総合スコアーは9081。その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、Webブラウジングの性能を測る「Essentials」が11637。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が11469。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が15228という結果になった。

 Essentials、Productivity、DCC、3つの項目が全てスコアー10000の大台を超えているので、どんな作業にも応えられるゲーミングパソコンといえるだろう。

 続いて、3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.25.8098)の計測結果は次のとおり。

3DMarkスコアー

 DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD(1920×1080ドット)のFire Strikeが38834、4K(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが10277。DirectX 12のテスト「Time Spy」では、WQHD(2560×1440ドット)のTime Spyが17900、4KのTime Spy Extremeが8610となった。Direct X Raytracing(DXR)のテスト「Port Royal」は11030。DirectX 12 Ultimateに特化した性能テスト「Speed Way」は4425だった。

 各テストのフレームレートについても見てみると、フルHDテストのFire Strikeは200fpsを超える部分もあり、WQHDテストのTimespyでは100fpsオーバーと、RTX 4070のメインターゲットどおりの結果を残している。一方で4Kテストは60fpsにギリギリ届かない惜しい結果になっていた。ただ、これくらいのパフォーマンスが出ていれば、DLSSなどの超解像技術と組み合わせることで、4K/60fpsの確保も簡単そうだという印象を持った。

 次に、ストレージの転送速度を「CrystalDiskMark 8.0.4」で計測する。GALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルは、標準構成で「Seagate FireCuda 530 1TB」が搭載されている。容量1TBでPCI Express Gen4接続のM.2 NVMe SSDだ。

CrystalDiskMark 8.0.4の実行結果

 結果はシーケンシャルリード7045MB/s、シーケンシャルライト5965MB/s。PCI Express Gen4接続のハイエンドクラスといっていいパフォーマンスを確認できた。実際にFPSゲームのステージ読み込みなどでは、CPU性能のおかげもあるのかもしれないが、これまでの経験の中でもあきらかにロードが早いと感じられた。

 1TBという容量もゲーミング用途として必要十分。標準で高耐久なFireCudaを採用している点も好印象だが、動画配信もやりたい場合はストレージ増設が不可欠だ。前回でも紹介したように、ZA7C-R47のストレージ拡張性は十二分にあるので、予算や目的に応じて大容量ストレージを増設するといいだろう。自分でパソコンを弄るのが難しい場合は、注文時のカスタマイズでストレージ追加をオプション選択することも可能だ。

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