7月22日(土)、博多エリアでは有数の老舗PCショップ「アプライド南福岡店」で、PC自作イベント「InWin & ASUS新製品アップデート 2023夏」が開催されました!
このアプライド南福岡店に、ASUSジョージさん、KTUさん(テクニカルライター加藤勝明さん)とモリケンさん(アユート森田さん)、そしてMCとして我らがアスキー編集部のつばさが集結です。
ここ数年はコロナ禍もあって、こうしたイベントはYouTubeなどの動画配信が中心。イベントが開催されても秋葉原に行かないと無理だと思っていただけに、福岡でこんな自作界の有名人の話を直に聞けるなんて貴重な体験です。
以前に、ガンダムコラボのASUS製品をフルコンプした筆者個人としては、生ジョージさんにお会いできるなんてうれしすぎる! というくらいには仕事を忘れてファン目線になっていました(ちなみにジョージさんは「機動戦士ガンダム0083」の大ファンで、先日決選投票があった「HG 1/144 ガンダムGP03 デンドロビウム」を無事ご購入されたそうです)。
COMPUTEXで公開されたASUSの最新製品をジョージさんが紹介!
さて、ステージイベントのトップバッターは、ASUSジョージさんによる「ASUS製品最新アップデート」。この時期、PCフリークとして外せないのは、5月30日~6月2日に開催された台北国際コンピューター見本市である「COMPUTEX TAIPEI 2023」です。
皆さんご存知のとおり、アジアで最大規模のICT見本市であり、世界中のPCやコンピューターが集って、最先端の製品やテクノロジーをしのぎを削っています。
その「COMPUTEX」で最大面積を占めたのがASUSブース。しかも、「ROG」ブランドでもう1つブースを作るという気合の入りっぷりです。ブースには新製品にとどまらず、すでに発売しているマザーボード、CPUクーラー、PC、ケースなど多くの製品を展示したとのこと。
記憶に新しいところでは、日本でも同じタイミングで発表されたゲーム機型PC「ROG Ally」で、高スペックなのにリーズナブル! 高スペックなのにリーズナブル! 重要なことなので2回言いました。日本でも好調のようで、まさにUMPC業界を震撼させている真っ只中です。
ほかにも、21kgの超巨大PCケース「ROG Hyperion」を、お客さんの反応が見たいという担当者の興味で分解してホワイトカラーに塗装したものや、RTX4090を搭載した最上位グレードモデル「ROG Matrix Geforce RTX 4090 Platium 24GB GDDR6X」をオーバークロックさせて、ワールドレコードを達成したりと、やることが変態じみています(褒め言葉です)。
直近の超ホットな新製品も紹介です。前モデルから、さらに冷却性能を強化した、ゲーミングスマホ「ROG Phone 7」を7月21日に国内発売。ちょうど今回のイベントとほぼ同じタイミングです。
圧倒的になめらかな165Hzのリフレッシュレートで動作するAMOLEDディスプレイは最大輝度が2倍になって屋外での視認性を大幅に向上させています。ゲーム機のような操作性のAirTrigger機能や6000mAhの大容量バッテリーも搭載。中でも、最上位モデル「ROG Phone 7 Ultimate」は、本体の一部が開閉するAeroActive Portalという冷却機構を持ったうえに、外付けクーラー「AeroActive Cooler 7」が同梱。本体を冷却するだけではなくて、サブウーファーも備えて2.1chサウンドまで体験できるとのことです。
ROGシリーズのゲーミングマウス、マウスパッドが登場
eスポーツの世界で勝つための工夫もあちこちに
第2部もひきつづきASUSジョージさんによる「最新ゲーミングデバイスアップデート」解説です。
ゲーミングデバイスを代表して、マウスとキーボードを紹介。ゲーミングマウス「ROG Harpe Ace Aim Lab Edition」は、54gという超軽量でありながら、36000dpiのROG AimPoint光学センサー、ROG SpeedNovaワイヤレステクノロジー、トライモード接続、ROGマイクロスイッチ、5つのプログラム可能なボタン、Aim Lab Settings Optimizerによるシナジープロファイル設定機能といった、多彩な機能盛り盛りです。
それでいて、実際に手に持ってみるとすぐわかる軽さに驚きです。一瞬、これはモックかな? と感じるほどで、声が出そうになります。
さらに低遅延の2.4GHz RFや、最大で3台までペアリングできるBluetooth、安定の有線接続という3つの接続に対応。2.4GHz RFレシーバーでの通信を安定させるために、マウスの近くに移動できるケーブルが付属しているというのは定番ですが、マウスパッドに固定できるようにクリップを装備しているのがポイント。意外と位置が決まりにくいドングルを固定できるちょっと便利な機能がよく考えられています。
有線接続が確実だよねという場合でも、相当柔らかいROGパラコード、マウスを滑らかに動かせるマウスフィートには100%のPTFEが採用されているなど、極限までワイヤレスに近い操作感が魅力です。また、自分にあった設定を細かく決めてマウス自身に記憶できるだけでなく、付属アプリでテストすることによって自分にあったマウス設定を提案してくれるので、それをマウスのハードに反映することもできます。
続いては、一緒に使うとさらに最強ゲーマーを目指せる大型のゲーミングマウスパッド「ROG Hone Ace Aim Lab Edition」。表面はハイブリッドクロス素材で水、油、ホコリをはじいて、滑らかなすべり心地というマウスパッド本来の特徴以外に、ゲーマーのエイム向上をサポートしてくれる機能もあります。
マウスパッドの下のあたりにある目盛りは何かというと、アプリでトレーニングすることで手首や前腕の動きを数値化してフリックの制度を高めたり、標準を安定して配置するための練習やスキルアップができるもの。eスポーツの世界で勝つには、マウスの動かす配分量すらも極める必要があるのかと思い知らされます。
店内には、この「ROG Harpe Ace Aim Lab Edition」を実際にゲーム(エイム練習用ソフト)で試せる、「ASUS AIM LABS選手権コーナー」も開設。1分間で一定のスコアを出すと、ASUSの記念グッズがもらえるというものでした。
一定のスコアをクリアするのは確かに初見では難しいのですが、何度かチャレンジすると狙えなくはない目標が絶妙でした。しかもゲームクリアのために頑張って使っているうちに、マウスの使い心地が体に染みついてきたぞと。また使いたくなってしまう中毒性があった製品と言えました。
そして、65%コンパクトゲーミングキーボード 「ROG Falchion Ace」は、とても小さいキーボードながら、矢印キーとナビゲーションキー付き。左サイドにタッチパネルがあって、調整やカスタマイズが簡単にできます。
興味深いのは、USB Type-Cポートが背面の両端に2ヵ所あること。PCの配置として最短ルートに接続できるという使い方もあれば、2つのPCと接続しておいて、切り替えて1台のキーボードを共有するといった使い方もできてなかなかに便利そうだなと。カバーケースも付属しているので、外に持ち出したいときもしっかり保護してくれるキーボードってなるほどアリだなとこちらも欲しくなってしまいました。
「折り紙PCケース」ことInWin POCを使っての生自作!
新発想の自作PCケースを用いた対決を実施
最後のセッションで、メインイベントとなるのが「InWin POCでコンパクトPC生自作」。ここからは、KTUさん(テクニカルライター加藤勝明さん)とモリケンさん(アユート森田さん)にバトンタッチ。2人で、COMPUTEX TAIPEI 2023で登場したInWinの新製品「InWin POC」、通称「折り紙PCケース」を使って、生自作をします
InWin POCは、同社が掲げる「iPUILD iSHARE」という、今までのPC自作からさらに一歩進んで、ケースから組み立てる楽しみと、自分だけのマシンをみんなにシェアしようというコンセプトにあるモデルです。中でもInWin POCは、0.8mmのSEC 鋼板を折り曲げて組み立てる「Mini-ITX」対応のPCケースのこと。
元は薄い鉄板という事もあって、パッケージは通常のPCケースの1/5というコンパクトさ。お店の倉庫に大量にストックしても邪魔になりにくくなるでしょうし、これなら手に持って電車で自宅に持って帰ることができるかもしれません(ただし重量は相応にあります)。
パッケージは小さなピザボックスのようにも見えて、梱包材を最小限に抑えるという努力は環境負荷を減らすことにも一役かっていそうですね。中には、専用のPCIe 4.0ライザーケーブルやRGBファンほかツールやアクセサリーも付属しています。
InWin POCを組み上げるとただの箱ができあがるというわけではなく、内部では2つに部屋が分かれて、片側にはマザーボードと電源ユニットを格納、もう一方はビデオカードを取り付けるというちゃんと熱を分離する構造。ビデオカードも346mmサイズまで収められるスペースがあります。
カラーは、「Race Blue(ブルー/ブラック)」と「Tropical Sweetheart(グリーン/イエロー)」の2色。今回、生自作するにあたって、KTUさんがRace Blue、モリケンさんがTropical Sweetheartを担当しました。
「作り方は、パッケージに印刷されているので、そのとおりに進めればOKです!」とモリケンさんがInWin POCの組み立ての解説をしているそばから、「取扱説明書ってのは最初から疑ってかからないとダメだよ!」と、KTUさんはPCケースを組み立てると同時に、マザーボードや電源を組み込む独自の進路手順で作業開始。同じPOCの自作PC組み立てのはずなのに、両者がバチバチにバトルするかのようなおもしろ展開になってきました。
薄い板状の平らな板は、手で力を入れるだけで折り曲げることができます。しかも組み上がってブロックが重なることでタテにもヨコにも強い剛性感が担保されて、ちゃんとしたPCケースっぽくなってくるものだなと感心。KTUさんが言うのは、「全部組みててても良いけど、中身が見える状態で使ってみるのもおもしろいかもね?」とのこと。「まな板PC」的使い方をするのも一つの楽しみ方かもしれません。
フロントパネルは、排熱(冷却)も兼ねてデザイン状にカットされた窓を好みで開けることもできるようになっていて、これがまたオシャレというか、自分らしさを出せるのも楽しいところ。複数回折り曲げても耐えられる強度もあるとのことで、完成したあともときには好みでカタチを変えてみるといった楽しみ方もできそうです。
そんな感じで順調に生自作が進み、終盤にさしかかったところで事件は起きました。まさかのKTUさんのPCケースがハマらない事態が発生。「またまたー、KTUさんってばあわてんぼうさんなんだからー」というゆるい空気のなかモリケンさんが試しても、ジョージさんが試してもハマらない。なぜだ! 大真面目に誰がやっても装着できません。
そこでよく見比べてみると……、なんと切削ミスなのか印刷ミスなのか本当に生産上の工程でのものだとわかりました。KTUさんも、ご自身が間違っていないことに安堵の表情。なんとも生自作イベントでレアな個体をチョイスしたというべきか、今回のイベントの引きの強さというべきか、会場は今日一番の盛り上がりを見せました。ちなみに、予備のPOCパッケージから同じパーツを取り出しました。
こうして一波乱ありながらもようやくPOCケースの完成。ふたりが競争していたものの、結局ほぼ同じタイミングで完成したので、代表してモリケンさんPCをモニターに接続してBIOSが立ち上がるまでをチェックすることに。
電源を投入してBIOS画面が表示されると、出ることは当たり前のはずなのに、皆さんおおおおお! と今まで以上に歓声と拍手が上がります。生で自作するからこそのトラブルを含めての臨場感というべきか、会場が一体化する空気感を味わえた気がします。
今回のイベントを記念して開催された大抽選会も大変な盛り上がり。アプライド南福岡店さんでのお買い物(金額問わず)でチャレンジ可能だった抽選で当たるのは、ゲーミングモニターやキーボード、マウス、Wi-Fiルーターといった豪華賞品。
しかも、インテル、ASUS、InWin、SilverStone、Solidigm のいずれかの製品を購入した場合は、その各メーカーごとにプラス1回されて、最大で6回も抽選に参加できるという太っ腹なルール。この日に来店して、なにかしら製品を購入した買った皆さんは、相当に当選確率は高かったんじゃないかと思います。
コロナ禍の影響もあって、長らく実体験イベントから離れていましたが、やっぱりこうした生のイベントは良いなとしみじみと実感。今回、北海道から来店されたユーザーさんは、ASUSジョージさん、KTUさん、モリケンさん、つばささんにお会いして、生でお話できたことを喜んでいた様子。遠くから来た甲斐があったと聞いて、感傷に浸りつつアプライド南福岡店さんを後にしたのでした。九州エリアでのまたのイベントの開催に期待です!
(提供:テックウインド株式会社)