扁平スタイルに薄さ30mmはモバイルに最適だが
水を入れた後の総重量を失念していた!
素晴らしい出来栄えのメモボトルも、一般のペットボトルに類似した作業工程で作られるのかどうか素人の筆者にはよく分からないが、メモボトルの透明度や平面と曲面の処理、コーナーの仕上げはなかなか素晴らしいと感じるモノだ。
加えてメモボトルのもうひとつの大きなウリは、「BPA(ビスフェノールA)フリープラスチック」を採用していることのようだ。ECOやSDGs大好き系の人ならご存じだろう。ビスフェノールAという化学物質は、食器や哺乳瓶などのプラスチック素材であるポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、そしてポリ塩化ビニールやフェノール樹脂の安定剤や酸化防止剤などに使用されていた。
しかし、昨今いろいろなケースで話題に上がることの多いペットボトルとは無関係の物質だ。ペットボトルの素材はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂であり、ビスフェノールAはまったく含まれておらず、もちろんビスフェノールAはPET樹脂の原料でもないので、内部で水に溶けだすこともなくまったく安全なモノだ。
メモボトルはBPAフリーをウリのひとつにしている製品だが、令和の現在、筆者の知る限りBPAを含んだプラスチック製品はそれほど多くはない。なので他社のプラスチック製の水筒や地球上にまだまだいっぱいあるペットボトルの類を敵に回してECOやSDGsをうたい大義名分を掲げる製品ではない。単なるオシャレ指向のデザイン商品だ。
高価だがメモボトルを手に入れたい使ってみたいと思う大きな要素は、スリムなスタイルとA6版と言う言葉が先行するコンパクトイメージだ。筆者が今まで持ち歩いた経験のあるSIGGの水筒と、3COINSの550円の水筒、そして今回のメモボトルの3つを並べて比べて見た。
一般的に水筒は昭和の時代から、周囲に優しく持ちやすい丸い形状をしている。SIGGは直径実測で71mm、3COINSのは実測44〜45mmだ。内容量は3つとも異なるが、いずれも円筒形だ。携帯性に注目してカバンに収納するなら、3COINSもそれほど邪魔にはならない。しかし他のモノと安定して重ねてカバンに収納できる扁平なメモボトルの薄さ30mmは、やはりアドバンテージだろう。
アウトドアの水筒に関して、内容量にどのくらいの目安を置くかは意見が分かれるだろう。筆者は3COINSのわずか130mlでも、ギリギリ大丈夫だ。所詮都内を徘徊するだけなら、体への水分補給や水筒への水のリフィルも極めて容易だ。実際に筆者の買うべきは、もうワンサイズ下のメモボトルA7サイズだったかもしれない。
メモボトルA6サイズの375mlは、一杯お水を入れて格好良いシリコンスリーブを付けると、実測重量はなんと572gになる。これは重量級のStorm 2モバイルバッテリー(25600mAh)の598gに匹敵する。筆者にとっては、大きすぎる重すぎるという結論となり、街中では電気より手に入りやすい水の優先度を落とさざるを得ない。もちろん水は、全容量の半分だけ入れるのも解決策のひとつだ。
そういえば以前、筆者は夏の暑い街歩きの時期には大きめのランチャーム(ランチ+チャーム=鯉型のたれ瓶)に、冷えた麦茶を入れて持ち歩いていたことがあった。内容量はメモボトルより多少大きいので、半分ほどでも十分だった。オシャレなメモボトルと対極にあるダサかっこいい「ビッグなランチャーム」だが、見る人によってはなかなか人気だった。
オシャレで価格的にもセレブなメモボトルを中心にしてこの夏をセレブクールに過ごすか、緩〜いビッグランチャームを中心にしてこの夏もゆるくごまかしてかわすか、難しいことは考えずに混合で楽しむか……。一番楽しそうなのを考えてみよう。
メモボトルの400近いAmazon.co.jpでの★評価は、なんと86%以上が★4個以上。日本人もリッチな人が多いと思ったが、よく見ると評価の大半は海外からのモノだった。さて同じ暑い夏を過ごす日本人の反応はいかに。令和5年の灼熱の夏の水筒選びも楽しそうだ。
今回の衝動買い
・アイテム:memobottle(メモボトル)A6サイズ
・価格:4480円
・アイテム:A6用シリコンスリーブ(シーミスト)
・価格:3180円
・アイテム:memobottle ユニバーサルデスクスタンド
・価格:1680円
・購入:いずれもAmazon.co.jp
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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