AIで従業員の声を要約、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」に新機能
SmartHRは7月6日、同社が運営するクラウド人事労務ソフト「SmartHR(スマートエイチアール)」において、「従業員サーベイ」機能のAI(大規模言語モデル)を利用した自由記述回答要約機能(テスト版)を提供開始した。
従業員サーベイは、組織改善につなげるために従業員のエンゲージメントや就労環境について従業員から生の声を集める機能。本機能を使用して送信されるサーベイのおよそ75%には自由記述回答の設問が含まれており、選択肢にとらわれない意見が収集されているという。
しかし、取得したサーベイの自由記述回答は管理者が一つひとつ確認し分析する必要があり、手作業と目視による膨大な情報処理が大きな業務負荷となっていた。また、数百〜数千名以上の従業員を対象にしたサーベイの場合、集計・分析の工数を確保できず設問そのものをなくしてしまったり、回答を収集しても十分な活用ができないといった課題もあった。
分析に着手できないことによる企業と従業員の信頼関係構築の機会損失を防ぐため、多くのユーザーから自由記述回答に対する要約機能の要望が寄せられていたという。こうしたニーズの高まりを受け、AI(大規模言語モデル)を利用した「回答要約(AI)」機能をテスト版で提供することとなった。
回答要約(AI)機能は、収集した自由記述回答をAIが分析し、部署ごとに回答の要約が可能だ。これにより従業員サーベイの分析を効率化し、企業の組織改善を後押しする。
従業員サーベイ機能の「結果」画面 回答欄の右上にある「回答要約(AI)」ボタンから、自然言語に特化した大規模言語モデルを利用し、自由記述の回答を要約できる。要約は、部署階層(最上位の部署階層)ごとに実行可能。要約された自由記述回答は、「ポジティブな意見」と「ネガティブな意見」に分類される。
回答要約(AI)は、外部サービスであるAzure OpenAI Serviceに「従業員サーベイ」の回答情報を送信することで回答を要約している。Azure OpenAI Serviceに送られた回答情報は外部AIの学習には利用されないため、他社が情報にアクセスできる形で利用されることはないとしている。
また、本機能はテスト中であり、同社は正確性や安定性について改善を続けている。機能に関する意見を「フィードバック・要望を送信」ボタンより送れる。