トリガーの深さからスティックのデッドゾーンまで調整可
1万円台でeスポーツ仕様のカスタム性!新ゲームパッドROG Raikiriをレビュー
2023年07月22日 10時00分更新
PCゲームで利用可能な定番コントローラーデバイスと言えば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのはマイクロソフトの「Xbox」系コントローラーだろう。PCゲーム販売プラットフォーム「Steam」が過去に発表した統計では、実に60%以上ものユーザーがXbox系コントローラーを使用していたことも話題になったが、現在でもその人気は健在だ。
XInput対応によりプラグアンドプレイで利用できる手軽さ、コントローラー自体の完成度の高さなども相まって、PC向けコントローラーデバイスが必要になった場合のファーストチョイスとして確固たる地位を築いている。
6月23日にASUSが販売開始した「ROG Raikiri」は、そんなXbox系コントローラーの特徴をしっかりと再現しつつ、独自の背面ボタンやトリガー調整、ジョイスティックの感度変更といった付加機能を備える興味深いデバイスだ。
特に「純正Xboxコントローラーが手に馴染んでいるが、より機能性を高めた製品が欲しい」というようなステップアップを望むユーザー層の受け皿になれる可能性を秘めていることから、気になっている人も多いのではないだろうか。この記事ではROG Raikiriの製品サンプルをベースに、特徴や大まかな機能、使用感を確認していく。購入を検討しているユーザーの参考になれば幸いだ。
背面ボタンとトリガーでさらに使いやすいPCコントローラー
ROG Raikiriは、XInputに対応するPC/Xbox向けコントローラー。Windows 10およびWindows 11に加え、Xbox Series X|S、Xbox Oneとの互換性を確保しており、PC対応はもちろん、Xboxと接続しても利用可能となっている。なお、接続方式は有線のみで、Bluetoothやワイヤレスアダプターを使った無線接続は利用できない。
XInput対応製品ということもあり、基本的な形状やボタン配置はXbox ワイヤレス コントローラーを踏襲している。中央部のメニューボタンおよびビューボタンはかなり小型化されているものの、それ以外はほとんど同じ感覚で利用できるだろう。
グリップの背面部分やスティックの滑り止めなども再現されている一方で、握ってみるとグリップ周辺はわずかに小ぶりな印象がある。そのせいか、ケーブルを含まない本体重量はROG Raikiriが実測で224g、Xbox ワイヤレス コントローラーが240gと、ROG Raikiriのほうが若干軽量な仕上がりになっているようだ。
ROG Raikiriの目玉とも言えるパッド状の背面追加ボタンは、本体背面に2つ配置されている。工場出荷時はキー割り当てがされていないものの、ASUSの独自ユーティリティー「Armoury Crate」により、ジョイスティック感度の変更やコントローラー上の他のボタン操作を割り当てられる。
実際にコントローラーを握ると中指、あるいは薬指で押すことになる配置だが、人によってはLBやRB、L3やR3の押し込みといった操作を割り当てておけば、そちらのほうが使いやすくなる場合もあるだろう。また、左スティック操作中に十字キーを押したいようなシチュエーションでもこうした機能が役に立つ。
もう1つ、LTおよびRTの両トリガー動作を変更するためのスライダーが本体背面上部に用意されているのもユニークだ。こちらはスライダーを動かすことで、通常の作動距離が長いトリガーの動作を、より短い距離で反応するショートトリガーに切り替えられる。通常状態では押下時の遊びが大きいが、ショート状態にしておけば少し押し込んだだけでも反応してくれるので、ゲームタイトルによって動作を切り替える、あるいは片側だけショートトリガー状態で運用するといった使い方も考えられそうだ。ソフトウェアを介さず、気軽に変更できるのは嬉しい。
そのほか独自ボタンとしては、コントローラー手前側の側面3.5mmジャック横にミュートボタンを配置している。本製品はESS製のDACを内蔵しており、ヘッドセットなどを装着することでコントローラーからオーディオを出力可能だ。コントローラー使用中に手元でこうした操作を完結できるのも、本製品の優れた点だろう。