DLSS FG対応ゲームで輝きを取り戻す
このままだとRTX 3060 Tiで十分といったところだが、なぜあえてRTX 4060を選ぶのかといえば、DLSS FGがあるからである。ここから先はDLSS FG対応ゲームのパフォーマンスを見るとしよう。
最初に試すのは時間泥棒、もとい直近の話題作である「Diablo IV」だ。画質は“ウルトラ”、フレームレート制限は最大の400fpsとし、街“イェレスナ”周辺を移動した際のフレームレートを計測した。またDLSS/FSR 2は“バランス”設定とし、DLSS FGが利用できる環境では有効化している。
フレームレート最速がRTX 4060 Ti(8GB)はいいとして、2番手であるRTX 4060との差は約15%とこれまでのゲームより差が小さい。そしてRX 7600に対してはRTX 4060が約16%高いフレームレートを出している。FPSのように高フレームレートが求められるゲームではないものの、強敵を捌きながら戦うことを考えると、フレームレートはあって損はない。
さらに、このフレームレートはDLSS FG併用でさらにもうひと伸びする。FSR 2を使ったRX 7600を始め、DLSS FGが使えない旧世代GeForceとの差は一段と拡大している。
ここで注目したいのは、RTX 4060 Ti(8GB)とRTX 4060はDLSS SRとFGを併用することで消費電力が15W下がっている点だ。DLSS FGが使えない旧世代GeForceでは消費電力がほとんど変わらない点を考えると、これら旧世代GeForceからRTX 4060に乗り換えるメリットは見られたといえるだろう。
続いては「Forza Horizon 5」で試す。画質は“エクストリーム”、MSAAはx2、もしくはDLSS/FSR 2“バランス”に設定。対応GPUではDLSS FGも有効化した。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測している。
RTX 4060は、RTX 4060 Ti(8GB)に対しては18%程度下となったが、旧世代GeForceやRX 7600に対して約16〜98%アップと大きな差をつけている。また、アップスケーラーがゲームリリース後かなり経過してから実装されたせいか、DLSSの効きはあまりよろしくないが、ほかのGPUとの差は広がっている。特に、DLSSを使ってもほとんどフレームレートが伸びないRTX 2060との差が約138%と大きいが、この差は言うまでもなくDLSS FGの効果も含まれる。
Forza Horizon 5に関しては、特にRTX 40シリーズのTBPが低い点に注目。RTX 4060はDLSSなしなら108W、DLSSを有効化するとさらに102Wまで低下する(いずれもベンチマーク中の平均値)。
続く「Atomic Heart」では、画質は“アトミック”、フレームレート上限は500fpsに設定。ゲーム開始直後、ボートを降りた後のシーンでフレームレートを計測した。このゲームにおけるアンチエイリアスはアップスケーラー非使用時はTAA、アップスケーラー使用時は“バランス”設定とし、DLSS FG対応GPUでは有効とした。
アップスケーラーを使用しない状態でも、RTX 4060はフルHDで平均80fps以上、もう少しで60fps以上キープというなかなか良い結果を出したが、1つ上のRTX 4060 Ti(8GB)との差が約26%と大きめ。旧世代GeForceに対しては、Turing世代のRTX 2060との格差が大きい。この差はDLSS FGを併用することでさらに拡大する。また、通常時はRX 7600がRTX 4060のすぐ下についていたが、DLSS FGが使える状況ではRTX 4060がフレームレートを劇的に伸ばしている。
Forza Horizon 5と違い、DLSSを使ってもRTX 4060のTBPはあまり下がらないが、フレームレートが伸びているのでワットパフォーマンスは2倍近くまで向上している。
後編に続く!
以上で筆者も編集者も力尽きそうなので、前編はここまでとしたい。後編も引き続きDLSS対応ゲームのほか、FSR 2しか使えないタイトルでも検証し、RTX 4060の実力と価値を考察していきたい。
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