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Windows Info 第385回

昨秋の22H2のリリース後もWindows 11には新機能が小出しに登場している

2023年06月25日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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 Windows 11 Ver.22H2になって、機能アップデートは四半期に1度という話もあったが、詳しく調べていくと、このところ毎月のように小出しに新機能が登場している。今回はそのあたりについて紹介する。なお、本記事ではプレビュー版でないWindowsを「正式版」と呼んで区別する。

「設定」→「Windows Update」に、「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」というトグルスイッチが新設された。これをオンにすると、セキュリティ以外のアップデートが配布される優先度が上がり、配布開始後、短時間で適用されるようになる

 以下の表は、Windows 11 Ver.22H2における、これまでのアップデートの履歴である。

 それぞれのアップデート情報に関しては、

●Windows 11 - release information
 https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/release-health/windows11-release-information

に記述がある。それぞれの「正式版」アップデートのリリースに対して、リリースノートのページがあり、そこに新機能があるかどうかの記述がある。

●Windows 11バージョン 22H2 更新履歴
 https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/windows-11%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3-22h2-%E6%9B%B4%E6%96%B0%E5%B1%A5%E6%AD%B4-ec4229c3-9c5f-4e75-9d6d-9025ab70fcce

 リリースノートは、上記のページの左側にKB番号とビルド番号を並べたリンクリストがあり、ここから開くことができる。リリースノートで「New」と記述してある機能を数えたのが、前掲の表の「新機能」である。

 これを見ると、昨年9月から配布が始まったWindows 11 Ver.22H2では、何回も新機能が入ったアップデートが実施されている。これを四半期ごとに分けて集計したのが「四半期」の列である。なお、四半期には、カレンダー通りの分割方法(1月から3月を第一四半期とする)分け方と、会計年度ごとの分割方法(会計年度の始まりから3ヵ月間を第一四半期とする)があるのだが、マイクロソフトの場合7月が会計年度の始まりなので分割時期自体は同じである。

 どの四半期でも、複数回のアップデートで新機能が提供されており、四半期ごとというよりは毎月新機能が登場している。例外は12月だが、米国の12月は長期休暇期間であり、これまでもサポートが必要になるような大きなアップデートがなかった。逆に最大は今年2月末のビルド22621.1344で、13個もの新機能が提供された。大半の正式版アップデートは、「Bアップデート」(米国太平洋時間の毎月第2火曜日の午前10時公開)のタイミングだが、ほとんどの月でその2週間後に「Dアップデート」が配布されている。

 Windows 11 Ver.22H2の新機能はリリースノートでは8つ。しかし、年間を通して新機能が追加されていくため、原稿執筆時点ではすでに41個に及ぶ。

Windows 11におけるプレビュー版と正式版の現状

 Windows 11 Ver 22H2のプレビューには、「Dev Channel」「Beta Channel」「Release Preview Channel」の3つがある。さらにDev Channelからも先行した「Canary Channel」がある。このうち、Release Preview Channelには、正式版の配布開始前に同じビルドが先行配布される。またときどき、Beta版とも正式版とも異なるビルド番号を持つプレビューが含まれることがある。これは、Beta版の3~4回に1回の比率で配布される。

 以下の表は、今年の4月以降のWindows Insiderのプレビュー版を列挙したものだ。正式版(表の右端)が出る前にBeta版が複数回プレビューされている。Windows 11 Ver.22H2では、Beta版のビルドが直接、正式版にならず、必ず異なるビルドが作られている。

 新機能の中には、プレビューがなく、いきなり登場するもの(たとえば、ビルド22621.1778のBluetooth LE Audio)もあるが、大抵はBetaチャンネルを経てアップデートに搭載される。しかし、1つの機能が複数回ベータチャンネルに登場することもあり、機能によっては、登場まで時間がかかるものもあるようだ。

 ベータチャンネルでプレビューされる新機能のほとんどは、過去にDev Channelでプレビューされている。ただし、Dev Channelでプレビューされたものの、ベータチャンネルにいまだに入らない新機能はかなりある。

 Dev Channelでのプレビューでは、新機能は参加者全員に対して配布されず、Insiderごとに新機能の異なる実装がプレビューされるケースが少なくない(ABテスト)。このため、Dev Channelを選択していても、安定版に登場する新機能をプレビューできるとは限らない。筆者もWindows 10の時代には、英語版と日本語版など複数台で、Dev Channel版をインストールしていたが、現在では1台のみにしている。Windowsの今後を見るという点ではCanary版もある。

 Windows 11 Ver.22H2に搭載されてきた新機能の大半は、今年3月始めまでに配布されてきたDev Channelの25000シリーズでプレビューされてきたもの。この25000シリーズは、2022年5月から配布が開始され、今年3月に23000シリーズと分岐した。分岐後は、25000シリーズは、Canaryチャンネルのビルド番号となっている。

 つまり、今年3月までのDev Channelは、22H2に追加を予定していた機能のプレビュー(ただし、入らないものも含まれていた)だったことになる。逆に23000シリーズでプレビューされた中で、正式版に入った機能はそれほど多くない。新機能のプレビュー開始から正式版に搭載されるまでの時間はかなり長い。

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