核融合プラント開発 京都フュージョニアリングが最優秀賞獲得
「Morning Pitch Special Edition 2023」レポート
ベンチャー最優秀賞とベンチャーオーディエンス賞が決定
ファイナリスト7社のピッチが終わったところで、会場にいるオーディエンスの投票によって決まるベンチャーオーディエンス賞と、審査員6名によるベンチャー最優秀賞の選定が行われた。ベンチャー最優秀賞は、「解決したい課題や社会的意義があり共感できるか」「革新性、優位性があるといえるか」など、5つの審査項目を審査員が評点付けする。
最初に、ベンチャーオーディエンス賞が発表され、未利用資源のアップサイクル事業に取り組む株式会社ファーメンステーションが受賞した。再び登壇した代表取締役の酒井里奈氏は、「周囲の人からこれまでの取り組みをストレートに言えばいいとおっしゃっていただき、それが伝わったので非常にうれしい。私たちは、サーキュラーエコノミーを作れる存在になれると思っているし、今回評価をいただいたので、これからも『きっとできる』と信じて活動していきたい」と話した。
続いて、発表されたベンチャー最優秀賞は、核融合プラントの開発を行う京都フュージョニアリング株式会社。共同創業者 兼 代表取締役の長尾昂氏は、「地球温暖化と、ソリューションとしての核融合の認知を広げられたことが、うれしくてたまらない」と受賞の喜びを語った。
最後に、審査員6名による総評が行われて、イベントは終了。グローバル・キャピタル・パートナーズ株式会社 共同創業パートナーの仮屋薗聡一氏は、「7社すべて良かったという前提で、受賞した2社はパッションが伝わってきた。また、今日は改めて、日本の社会課題をよく理解できる学びの機会になった」と話した。
グローバル・ブレイン株式会社 代表取締役社長の百合本安彦氏は、「私も仮屋薗さんと同じく、5分間のピッチの中にどれだけ思いを込められたかを見ていたが、2社とも非常に素晴らしかった。また、他の5社も含めて、今回登壇した7社は、これから10年の日本を支えるスタートアップだと認識した」と話した。
経済産業省 経済産業政策局 産業創造課 新規事業創造推進室長の石井芳明氏は、「Morning Pitchは今年で10年になるが、この期間はエコシステムが大きくなり、政府でも新しい資本主義の担い手がスタートアップであるとして、政策の柱に位置付けている。今後、さらに成長していき、政策だけでなく社会のメインストリームになってほしい」と話した。
シブヤスタートアップス株式会社 代表取締役社長の渡部志保氏は、「今回は、スケーラビリティを指標に評価したが、どの企業も素晴らしく、選ぶのが非常に難しかった。今回登壇した企業には、グローバルさというスピリットをすごく感じることができた」と話した。
三菱地所株式会社 xTECH運営部 部長の山本寛氏は、「Morning Pitchが10年目ということで振り返ると、錚々たる顔ぶれの企業が、この活動を一つのきっかけにして大きく成長している。日本ならではの環境もより良くなっていると感じているので、登壇した7社も今日のつながりを良いきっかけにしてほしい」と話した。
クラスター株式会社 代表取締役CEOの加藤直人氏は、「本当に重要なのは、今後事業をどのように伸ばしていくのかや、この場を他の会社とつながるきっかけにできるかどうか。日本がもっと元気になっていくためには、一社が奮闘してなんとかなるものではく、スタートアップ同士や大企業とのつながりが重要なので、日本全体で盛り上げていければと思っている」と話した。