第267回 SORACOM公式ブログ

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GPS等による位置情報の基礎から開発手法までを解説 ― IoT-Tech Meetup レポート

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「GPS等による位置情報の基礎から開発手法までを解説 ― IoT-Tech Meetup レポート」を再編集したものです。

こんにちは、ソラコムの松下(ニックネーム: Max)です。

遠くに離れたモノや、現場で起こっているコトをデジタル化するのがIoTです。IoTの中でもよく使われるユースケースが、GPS等を利用して自動車や人物の位置を特定する用途です。この時、開発に不可欠なのが「位置情報」(位置測位とも言われます)の知識です。

6/13に開催した、IoTや周辺技術の知見をエンジニア向けに共有するイベント「IoT-Tech Meetup 第2回【GIS・位置情報活用の基礎】」では、位置情報やGIS(Geographic Information System; 地理情報システム)の基礎、そして開発に必要な知識を紹介しました。その概要や資料をお伝えします。

IoT-Tech Meetupとは?

「IoT-Tech Meetup」は、ソラコムが持つIoTや周辺技術の知見を、主にエンジニアの方に共有する事を目的としてシリーズ開催する無料のオンラインセミナーです。セミナーは、プレゼンテーションの他にQAも用意して、参加者の学びを深めていきます。

「IoT-Tech Meetup」が取り扱うテーマは、Raspberry Pi(ラズパイ)やM5Stack、クラウド型カメラといったハードウェアから、サーバーレスIoTやAIといったクラウド・ソフトウェア、そしてMatter等のIoT向け規格、法規やオープンソースライセンスといったあらゆる面で、IoTを活用するエンジニアの方に役立つ内容を企画・定期開催しています。

【セッション1】IoTの振り返りと、位置情報の活用事例

まず私からは、IoTの全体像と位置情報の活用について分類や事例で紹介しました。

位置情報は物体の現在地や、過去の履歴を知る「トラッキング」と、その応用例として地図上の仮想的な境界 “フェンス” の内外の移動を検知する「ジオフェンシング」があります。

また、移動する物体のみならず、定点においても「どこからの情報なのか」を発信するユースケースも紹介しました。

本セッションの資料は、こちらで公開しています。

【セッション2】IoTのセルラー通信によるGPS等の位置情報活用 基礎知識とデバイス・クラウド連携

後半はソリューションアーキテクトの松永(ニックネーム: Taketo)から、位置情報を実現する仕組みや精度といった基礎から、クラウド連携アーキテクチャといった開発に利用できる情報を紹介しました。

私たちが普段使っているGPSとは、GNSS (Global Navigation Satellite System) という位置測位技術の名称の1つであり、GPSの同列に準天頂衛星システム「みちびき」があります。

この GNSS(GPS) は人工衛星からの信号を利用する仕組みであるため、基本的には屋外向けの位置測位技術です。屋内ではまた別の方法があることを解説しています。

GNSS(GPS)の精度は、私たちが普段利用しているスマートフォンで2m~5m程度の誤差が生じることがわかっています。この誤差をより少なくする技術としてDGPSやRTK-GPSを紹介しました。セッション中で紹介したNIPPOでは、道路上のライン引きに精度の高い位置測位技術を利用しています。

セッション後半では、位置情報を活用するクラウド側のアーキテクチャの例を解説しました。今回は一例としてお話ししましたが、この辺りは別の機会に詳細な解説をしたいと考えています。

本セッションの資料は、こちらで公開しています。

Q&A

Q. GPSマルチユニット SORACOM Edition の精度はどの程度ですか?また、AGPS(アシスト GPS)を利用していますか?

GPSマルチユニット SORACOM Edition は、京セラ製の「GPSマルチユニット」とGPSの仕様は同じもので、「みちびき」に対応しています。みちびき対応リストにも掲載されている通り、GPSマルチユニットはみちびきのL1C/A(信号)に対応しており、その精度は(スマートフォン搭載の)GPSと同等とされています。(GPSの精度については Taketo の資料をご覧ください) また、GPSマルチユニットはAGPSには非対応です。

Q. BLEで店舗内などの位置情報を把握する場合、具体的にどのような方法がありますか?

屋内測位は基本的に、信号の発信源との相対的な距離を基に算出する方法となります。例えばBLE(Bluetooth Low Energy)の信号発信源との距離に比例して電波強度が変化する事を利用する形です。発信源を複数用意することで位置測位も理論上は可能です。一方で電波強度は何もせずとも変動したり、また他の発信源との干渉などで一定しないため、実際の利用には高度な信号処理が求められます。例えばソラコムのパートナー であるWHERE社では、こういった部分も含めてBluetoothを利用した屋内測位をソリューションとして提供されています。

Q. 基地局測位でSORACOM APIを使う場合、SIMの種類は問わないのでしょうか?

IoT プラットフォーム「SORACOM」上では、基地局を用いた測位が複数あります。SIM の種類を問わない、すなわちセルラーモデムが持つ通信先の基地局情報を用いた位置測位も提供しています。
前述の機能を含め、SORACOMで利用可能な測位の仕組みは「基地局 / デバイスの位置情報を取得する」をご覧ください。

<埋め込み> https://users.soracom.io/ja-jp/docs/air/get-location-info/

次回のIoT-Tech Meetupは7/21(金)「PoCのアンチパターンと処方箋」

次回のIoT-Tech Meetupのテーマは「PoCのアンチパターンと処方箋」です!

新たなことに取り組む際、その考え方や仕組みを検証するフェーズ「概念検証 ~ Proof of Concept; PoC」があります。そのPoCについて「ホントのところ、どうなんですか!?」という、勉強会ならではのお話を、PoCを何度も乗り越えてきたソラコムのメンバーから紹介いただきます。

すでにお申し込みページはオープンしています。お気軽にご参加ください!

7月開催!IoTの大型カンファレンス「SORACOM Discovery 2023」

次回のIoT-Tech Meetupの前になりますが、7/5(水)と7/6(木)の2日間にわたってお届けするIoTカンファレンス「SORACOM Discovery 2023」でも、多くの技術セッションをご用意しています。こちらにもぜひご参加ください!

― ソラコム松下 (max)

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