外部コマンドへの出力エンコードを変更する
PowerShellコマンド出力を外部コマンドにパイプで渡したとき、文字化けが発生することがある。このような場合には、システム変数$OutputEncodingに定義されているエンコードが、外部コマンドが想定しているエンコードと異なっている。
たとえば、シフトJISのみ受け付けるといったように、特定の文字エンコードを想定した作りになっているからだ。Windowsの標準コマンドだと、文字列検索のfindstr.exeは、入力文字列のエンコードはシフトJISになっている必要がある。このとき、$OutputEncodingを「shift-jis」エンコードに変更する。
$OutputEncodingは、Windows PowerShellでは、「US-ASCII」(ASC383IIコード)、PowerShell Ver.7では、「UTF-8」になっている。つまり、findstr.exeに渡される検索文字列がUTF-8あるいはUS-ASCIIであるため、findstr.exeは、文字列を見つけることができない。
wsl.exeとwinget.exeの場合
今回、文字化けするコマンドの例としてwsl.exeとwinget.exeを挙げたが、現実問題としては、どちらのコマンドも他の方法によりPowerShell内で情報を正しく扱える。
wsl.exeの-lオプションと同等の情報は、レジストリから抜き出すことが可能で文字エンコードの問題はない。これについては、過去記事(「ストア版WSLをアップデートまたはダウングレードする」)で扱った。
また、wingetに関しては、同等の機能を持つPowerShellモジュールの配布が開始されている。これについては、別の機会で解説の予定だ。
コマンドの出力は文字化けしないのに、リダイレクトや変数への格納で文字化けが起こるのは、文字エンコードが原因の可能性が高い。特にPowerShellでは暗黙的に文字エンコード変換がなされているため、これを理解しておかないと苦労する。
このような場合、cmd.exeで外部コマンドを実行して、ファイルにリダイレクトをし、これをバイナリエディタなどで見るとよい。cmd.exeはリダイレクト時にもエンコードのを変換などしないため、本来の出力を確認しやすい。
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