パフォーマンス&電池持ちにも満足
プロセッサーは、上位モデルのPixel 7と同じ「Google Tensor G2」を搭載している。メモリーもPixel 7と同じ8GBだ。実際の使用感にもほとんど差はなく、普段ハイエンドモデルを使うことが多い筆者がストレスを感じることなく操作できた。
「Geekbench 6」というアプリでベンチマークを測定してみたところ、シングルコアは1300前後、マルチコアは3000前後のスコアを記録した。Pixel 7を測定すると、シングルコアが1000前後、マルチコアは3200前後だったので、処理速度は同等と言えそうだ。
ちなみに、筆者が最近「Geekbench 6」で計測したスマホのスコアを挙げると、Snapdragon 8 Gen 2を搭載する「Galaxy S23」はシングルコアが1900前後、マルチコアが5000前後。Snapdragon 695を搭載する「arrows N」はシングルコアが900前後、マルチコアが2100前後だった。Pixel 7aのパフォーマンスはミッドレンジとハイエンドの間くらいと評価できそうだ。
バッテリー容量は4355mAhで、グーグルは24時間以上の電池持ちをうたっている。実際に、筆者が使っている範囲では1日で電池がピンチになったことはない。相当ヘビーに使わない限り1日は余裕で持つはずだ。
なお、Pixel 7aはAシリーズでは初めてワイヤレス充電にも対応した。ただし、他のデバイスにワイヤレスで給電する「バッテリーシェア」機能は備えていないので注意が必要だ。
「消しゴムマジック」や「リアルタイム翻訳」も便利
Pixelならではの便利機能は、上位モデルのPixel 7と同じように利用できる。たとえば、「フォト」アプリでは、画像に写り込んだ不要な人物などを消す「消しゴムマジック」、ピンボケの画像をシャープにする「ボケ補正」など、多彩な編集機能を利用できる。これらの機能は、Pixel以外のスマホでは「Google One」に加入しないと追加されないが、PixelではGoogle Oneに加入せずとも利用できる。
「リアルタイム翻訳」は通訳機のように使ったり、外国語で書かれたメニューなどにカメラをかざすと瞬時に翻訳されたり、受信したメッセージを自動で翻訳したりしてくれる機能。海外出張や海外旅行で役立つこと請け合いだ。
録音した音声を瞬時に文字起こししてくれる「レコーダー」アプリも便利。同様のアプリは増えつつあるが、Pixelの「レコーダー」は、プリインされていて、オフラインで使えて、完全に無料で使えることに優位性がある。英語を録音した場合、声を聞き分けてラベルをつけてくれる機能も利用可能。日本語にも対応することを期待したい。
Pixelは画面のカスタマイズ性が高いことも特徴。画面の配色を変えたり、アイコンをテーマカラーで統一したりするなどして、ホーム画面のイメージをガラリと変えることが可能。操作性はベーシックなAndroidだが、画面デザインで個性を主張できるわけだ。
【まとめ】2023年を代表する高コスパモデルになるかも
日本では、Galaxy、AQUOS 、XperiaがAndroidスマホの3強と言っていいだろう。それぞれ個性がある端末がリリースされているが、ハイエンドモデルはもはや20万円を超える。Pixel 7aはそれらよりもスペックは低く、“ミドルハイ” と呼ぶべきモデルだが、ハイエンドモデルと比べて見劣りするような欠点は見当たらない。
Aシリーズ史上、上位モデルとの差分が最も少ないモデルとも言える。6万2700円は破格と言ってもいいだろう。久しぶりにドコモが取り扱うこともあり、今年最も注目されるスマホの1台になるだろう。
Pixel 7aの主なスペック | |||
---|---|---|---|
価格 | 6万2700円 | ||
ディスプレー | 6.1型有機EL(20:9)、90Hz対応 | ||
画面解像度 | 1080×2400ドット | ||
サイズ | 72.9×152×9mm | ||
重量 | 193.5g | ||
CPU | Google Tensor G2 | ||
内蔵メモリー | 8GB | ||
内蔵ストレージ | 128GB | ||
外部ストレージ | ―― | ||
OS | Android 13 | ||
5G対応バンド | n1/2/3/5/7/8/12/20/25/28/38 /40/41/66/75/76/77/78/79 |
||
4G対応バンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19 /20/21/25/28/32/38/39/40/41/42/66 |
||
無線LAN | Wi-Fi 6E | ||
カメラ画素数 | 64メガ(標準)+13メガ(超広角) /イン13メガ |
||
バッテリー容量 | 4385mAh | ||
ワイヤレス充電 | ○ | ||
FeliCa | ○ | ||
防水/防塵 | ○/○(IP67) | ||
生体認証 | ○(画面内指紋+顔) | ||
SIM形状 | nanoSIM+eSIM | ||
USB端子 | Type-C | ||
イヤホン | × | ||
カラバリ | Charcoal、Sea、Snow、Coral |
この連載の記事
-
第511回
スマホ
価格も性能も妥協したくない人にオススメの王道ハイエンドスマホ3選 -
第510回
スマホ
スマホは高くない! 2万円台で買えるオススメ格安エントリースマホ4選 -
第509回
スマホ
着せ替えスマホ「CMF Phone 1」はカスタマイズが楽しいが実用面での弱点もあり -
第508回
スマホ
たたんでも極薄9.2mm! 世界最薄折りたたみスマホ「HONOR Magic V3」を試す -
第507回
スマホ
シャオミの「Redmi Note 13 Pro+ 5G」は2億画素カメラに防水防塵など必要な機能が揃って6万円以下 -
第506回
スマホ
Galaxy Z Fold Special Editonを最速レビュー! 厚さ10.6mmの薄型折りたたみスマホ -
第505回
スマホ
シャオミの折りたたみ機「Xiaomi MIX Fold 4」は閉じても9.47mm! ライカカメラ搭載の激薄機をレビュー -
第504回
デジタル
唯一無二の3つ折りスマホ「HUAWEI Mate XT Ultimate Design」を早くも触った! 40万円の価値アリ! -
第503回
スマホ
シャオミのフラッグシップキラー「POCO F6 Pro」はハイパワー、急速充電、カメラのエモさが魅力 -
第502回
スマホ
vivoのカメラフォン「X100 Ultra」はカメラグリップでコンデジに変身する -
第501回
スマホ
1型センサーで世界一カメラのファーウェイスマホ「Pura 70 Ultra」はデジカメとして使いたくなる - この連載の一覧へ