東日本旅客鉄道、PASMO協議会、東京モノレール、東京臨海高速鉄道は6月2日、一部の「Suica」「PASMO」の新規発行を一時停止すると発表した。
対象となるのは、物理カードの「Suica」「モノレールSuica」「りんかいSuica」「PASMO」のうち、新規かつ無記名での発行分。期間は6月8日から当面の間とされており、いつ頃元の体制に戻るかは不明だ。
無記名カードは原則新規発行停止
今回の発行停止は世界的な半導体不足により、カード製造に必要な半導体の確保が難しくなったことによるもの。
なお、6月8日以降も以下のカードは発行を継続する。
<Suica>
- 記名式カード
- 定期券
- 青森、秋田、盛岡エリアで発行される無記名Suica(エリア拡大後間もないため)
- 「WelcomeSuica」(訪日外国人向けSuica)
- カード障害や紛失による再発行
<PASMO>
- 記名式カード
- 定期券
- 持参人式 PASMO定期券(バス用)
- 企画乗車券
- 「PASMO PASSPORT」(訪日外国人向けPASMO)
- カード障害や紛失による再発行
ユーザーにできる対策は?
無記名カードを購入できなくなった後、ユーザーにできる対応策は以下の通りだ。
●記名式カードを利用する
記名式カードは、SuicaやPASMOにユーザーの氏名を登録するタイプのカード。券面に氏名が表示されるので定期券と間違えやすいが、機能面は無記名のカードと同様だ。
駅の券売機などで購入可能。とりあえず新しいカードが必要となった場合は、記名式カードを購入すると良いだろう。
●モバイルSuica/PASMOを利用する
スマートフォンなどのモバイルSuica/PASMOについては、これまで通りバーチャルカードを発行できる。
クレジットカードなどと紐付けないと扱いづらかったり、端末のバッテリーが完全に切れると使えなくなるといったデメリットもあるが、物理カードを手放したい方には良い選択肢となるだろう。
●期限切れの定期券にチャージする
Suica・PASMOの定期券は、定期券としての期限が終了した後も残高をチャージすることで、記名式カードと同じように継続使用できる。
券面記載の古い定期券情報は駅窓口で消去することも可能だ。
●Suica機能を搭載したクレジットカードを利用する
一部のクレジットカードにはSuicaを内蔵した物があり、残高をチャージして利用することができる。
●使わなくなったカードは駅窓口へ返却する
対策とは少し話題がずれるが、使わなくなったSuica・PASMOの物理カードは、管内の駅窓口へ返却することも可能だ。
返却時にカードに残っていた残高は、所定の手数料を差し引いた金額が返金される。カード購入時に支払ったデポジット(500円)も返金対象だ(Apple PayのSuica・PASMOに取り込んだ物理カードは返金対象外)。
物理カードが不要となったユーザーは、返却も検討してみてはいかがだろうか?