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業界人の《ことば》から 第536回

クラウドとオンプレミスの統合でIT管理の不自由さを解消

ワークロード/データ管理は単一のプラットフォームが理想と9割以上が回答、HCIからハイブリッドクラウドへと進むNutanix

2023年05月01日 08時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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今回のひとこと

「世界中のあらゆる企業が、これからの潮流は、ハイブリッドマルチクラウドであることを認識している」

(Nutanixのラジブ・ラマスワミプレジデント兼CEO)

単一プラットフォームに対する要求は非常に高い

 Nutanixのラジブ・ラマスワミプレジデント兼CEOは、「ハイブリッドマルチクラウドが今後の主流になる。世界中のあらゆる企業が、これからの潮流は、ハイブリッドマルチクラウドであることを認識している」と切り出す。

 ハイブリッドマルチクラウドとは、データセンターや様々なパブリッククラウド、サービスプロバイダークラウド、エッジなどを混在して利用する環境において、クラウド間でアプリケーションやデータを運用するための単一プラットフォームを提供するもの。Nutanixは、これを通じクラウド管理をシンプルにし、選択の自由を提供し、インフラの管理に時間を割くことなく、ビジネスにフォーカスし、成功につなげることができると提案している。

 同社が全世界のIT部門の意思決定者1450人を対象に実施したNutanix Enterprise Cloud Index 2022では、60%の回答者が、プライベートクラウドとパブリッククラウドの混合環境や、複数のパブリッククラウド環境、オンプレミスデータセンターとホスト型データセンターといった複数のITインフラストラクチャーを活用していると回答しており、近い将来、この割合は74%と、4分の3を占めるまでに拡大する見通しだという。日本においても、すでに56%の企業が、複数のITインフラを混在利用しているという。

 同調査では、2018年時点では、回答者の半数以上が、プライベートクラウドとパブリッククラウドのいずれかのみを使用し、しかも、すべてのワークロードを特定のインフラの上で実行することになると想定していた。

 ニュータニックス・ジャパンの金古毅社長は、「だが、現時点では、パブリッククラウド、オンプレミス、エッジといった複数の環境でワークロードを実行することは必然であり、むしろメリットであると考える企業が大半を占めている。今後3年で、IT管理のアウトソーシングや、アプリケーション管理のためにホスティングデータセンターを利用するといった企業が増加すると予測されている。日本でも、ハイブリッドマルチクラウドが主流になるのは間違いない」と語る。

 2022年12月~2023年1月に行われた同調査では「過去1年間に、ひとつ以上のアプリケーションを別のITインフラに移行したことがある」と回答した人は99%に達し、日本の企業では、これが100%に達した。また、かつてはコストメリットが前面に出ていたクラウドであったが、現在では、クラウドコストの管理が重要であるとの回答は85%に達していることも明らかになった。

 「アプリをモダナイズしたり、オンプレミスからクラウドに移行したりする作業は、複雑で、コストがかかるという認識が広がっている。実際、単一のプラットフォームの方が、データやアプリの管理は容易であるという声が94%に達している。IT環境の混在により、新たな課題が生じたため、あらゆるワークロードとデータを管理する単一のプラットフォームが理想的としている回答は、日本においても91%に達している」と、ラマスワミプレジデント兼CEOは語り、「データセンターや複数のパブリッククラウド、エッジを、サイロ化した環境で管理している企業が多く、それが時間やコストの課題、対応の遅れ、人材不足などの問題を生んでいる。必要なのは、統合した一貫性を持つクラウドオペレーティングモデルである。また、データベースのワークロードを最適化することで、パフォーマンスを高め、データベースのレイテンシーの問題を解消し、時間と経費を節約することも大切である」とする。

 ラマスワミプレジデント兼CEOによると、同社には全世界に2万4000件の顧客がおり、世界の250社を対象にした調査では、データベースデータウェアハウスのワークロードにNutanixを使用する企業は70%に達し、NPS(人に勧めたいと考える推奨度)は90%を超える水準で推移しているという。「アップルのNPSは60%台である。高い満足度がある」と胸を張りながら、「アプリやデータを一元管理し、単一の統合プラットフォームを提供することがNutanixの価値である。クラウドをシンプルにし、選択の自由を提供し、お客様がインフラに時間を割くことなく、ビジネスにフォーカスし、成功につなげることができる」と語った。

 さらに、その上で、「日本ではクラウドの採用は遅れているが、それは見方を変えれば、クラウドの移行が難しいことを理解し、そこで発生するコスト上昇や、運用の複雑化、人材不足などの課題を解決できる手段を前もって知ることができるともいえる。日本にはチャンスがある。その答えが、ハイブリッドマルチクラウドである。クラウドをよりスマートに活用し、アプリやデータを管理できる」と述べた。

 Nutanixが先駆け役を果たしたHCI(Hyper Converged Infrastructure)は、それが基盤となって、プライベートクラウドの進展を促した。ここでは、コンピューティングやストレージ、ネットワークといったデータセンター内のサイロ(孤立化、連携の不足)を統合し、ワンクリックプライベートクラウドの環境を実現したのが同社の売りだった。

 「10年前のサイロはデータセンターのなかにあったが、いまはクラウドそのものがサイロになっている。ワンクリックのコンセプトをそのままに、プライベートクラウドとパブリッククラウドなどの混在環境において、ワンクリックハイブリッドマルチクラウドを実現するのが、いまのNutanixの役割である」とする。

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