GIGABYTE製ノート「G5」は重量級ゲームもスムーズに動かす驚きの性能

文●勝田有一朗 編集●北村/ASCII

提供: 日本ギガバイト

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コストパフォーマンスのいいCPUとGPUの組み合わせ

 搭載されているCPUは、第12世代インテルCoreプロセッサーのノートPC向けミドルレンジモデル「Core i5-12500H」だ。性能重視のPコアを4基、効率重視のEコアを8基搭載する合計12コア/16スレッドのハイブリッド・アーキテクチャーCPUで、最大ブースト時の動作クロックは4.5GHzに到達する。

 すでに第13世代が登場しているので1世代前のCPUということになるが、前世代CPUを用いることでコスト面では有利に働いているはずだ。そもそもインテルのCoreプロセッサーは第12世代で大きなパフォーマンスアップを果たし、第13世代でのパフォーマンスアップは微増なので、第12世代Coreプロセッサーもまだまだ第一線で通用するCPUと言える。

 システムメモリーは標準で8GB(DDR4-3200 8GB×1)を搭載。この点がG5 MF-E2JP333SH唯一の泣き所と言ってもいいかもしれない。現状のPCゲーミングにおいてシステムメモリー8GBは最低限の容量であり、ゲームタイトルによってはパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことも十分考えられる。

 幸い、G5 MF-E2JP333SHにはメモリースロットの空きが1基あり簡単に増設できる。サクッと16GB以上に増設してしまうのがオススメだ。本体購入時にメモリー増設カスタマイズを受け付けている店舗もあるので、メモリー増設は難しそうと感じる場合はそういったサービスを利用するのもいいだろう。

 そしてゲーミングPCで最も重視されるGPUにはNVIDIAのRTX 4050 Laptopを搭載する。まだデスクトップPC向けには登場していないRTX 40シリーズのエントリークラスにあたるモデルで、2560基のCUDAコアとGDDR6 6GBのビデオメモリーを備えている。

 仕様上の最大スペックは、最大グラフィックスパワー115Wでブーストクロック2370MHzだが、G5 MF-E2JP333SHでは最大グラフィックスパワー75W、ブーストクロック2130MHzで運用している。

 前世代のエントリークラスにあたる「GeForce RTX 3050 Laptop」のブーストクロックは1740MHzだったので、RTX 4050 Laptopは大幅なクロック向上を果たしていると言える。そのうえでDLSS 3などの新フィーチャーも加わっているので、エントリークラスGPUながらそのパフォーマンスには期待が持てる。

 なおG5 MF-E2JP333SHは、グラフィックス描写の負荷に応じてCPU内蔵GPUと外部GPUを自動的に切り替えて消費電力の最適化を図る「MS Hybridモード」で動作している。

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の実行結果

 このように前世代ミドルレンジCPUと最新世代エントリークラスGPUを組み合わせたG5 MF-E2JP333SHがどのようなパフォーマンスを持っているのか、まずは基礎性能をいくつかの定番ベンチマークで測っていこう。

 最初は3DCGのレンダリング速度でCPUのマルチスレッド/シングルスレッド性能を計測する「CINEBENCH R23」の計測結果から。

CINEBENCH R23実行結果

 結果はマルチスコアーが10936pts、シングルスコアーが1735pts。デスクトップPC向けCPUとして人気を博した、同じ第12世代Core i5の「Core i5-12400」のスコアーがマルチスコアー約11200pts、シングルスコアー約1710ptsだったので、Core i5-12500HはノートPC向けながらデスクトップPC向けのミドルレンジCPUと遜色ないパフォーマンスを持っていることになる。RTX 4050 Laptopとの組み合わせでCPU側がボトルネックになることは考えにくい。

 続いて、ゲーム以外のさまざまなジャンルの負荷をかけてPCのトータル性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2600)だ。

PCMark 10実行結果

 総合スコアーは5827。その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、ウェブブラウジングの性能を測る「Essentials」が9180。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が9483。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が6166という結果になった。

 EssentialsとProductivityはスコアー10000の大台まであと少しに迫ったが、GPU性能が大きく影響するDCCはあまり振るわないスコアーとなっている。というのも、各テストの詳細を確認するとGPUを用いるOpenCLテストにおいてRTX 4050 LaptopではなくCPU内蔵GPUが用いられてしまっているようなのだ。

 「NVIDIAコントロールパネル」で優先GPUをRTX 4050 Laptopに指定しても改善されず、またG5 MF-E2JP333SHにはMS Hybridを外部GPUに固定化する機能も見当たらなかったので、お手上げ状態だ。

 とは言え、このスコアーで決して処理が遅いというわけではなく、これだけのスコアーが出ていれば一般的な用途で十分なパフォーマンスを持っていると考えていい。

 次に、ゲーミング向けの3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.25.8092)の計測結果がこちら。

 DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD(1920×1080ドット)のFire Strikeが18082、4K(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが4237。

 DirectX 12のテスト「Time Spy」では、WQHD(2560×1440ドット)のTime Spyが7477、4KのTime Spy Extremeが3474となった。

 Direct X Raytracing(DXR)のテスト「Port Royal」は4145。DirectX 12 Ultimateに特化した性能テスト「Speed Way」は1749。

 G5 MF-E2JP333SHはフルHD液晶ディスプレーを搭載するゲーミングノートPCなので、基本的にFire Strike以外は参考スコアー程度に見てほしい。

 その肝心のFire Strikeは他テストと比較して飛び抜けて高いスコアーをマークしており、RTX 4050 Laptopのターゲットが良くわかる結果となった。ベンチマーク中の平均フレームレートも84~97fpsと、60fpsを大きく超える値をつけていた。

 けっこう健闘しているのがTime Spyの結果で、ベンチマーク中の平均フレームレートも41~48fpsをマークしている。テスト内容がWQHD解像度であることを考慮すると、フルHDであればDirectX 12のリッチグラフィックスゲームを60fpsで動かせるというビジョンが見えてくる。

 最後に「CrystalDiskMark 8.0.4」でストレージの転送速度を計測する。事前に「CrystalDiskInfo 8.12.7」にて内蔵ストレージのモデルを確認したところ、試用機には「GIGABYTE AG4512G-SI B10 512GB」が搭載されていた。容量512GBのPCI Express Gen4接続M.2 NVMe SSDだ。

CrystalDiskMark実行結果

 結果はシーケンシャルリード4727MB/s、シーケンシャルライト2251MB/s。PCI Express Gen4接続のM.2 NVMe SSDとしてはライト性能が少し遅めかもしれないが、リード性能はPCI Express Gen3接続のSSDとは一線を画すパフォーマンスを確認できた。ゲームやWindowsの起動も素早く、軽快に扱えた。

 一方で容量については、標準の512GBはゲーミングPCとして少々心許ないと言わざるを得ない。ただ幸いながらG5 MF-E2JP333SHにはM.2スロットの空きが1基残っているので、容量不足を感じたらSSDを増設できる。

 1TBや2TBの大容量SSDを増設すると良さそうだ。ちなみに空いているM.2スロットはPCI Express Gen3接続なので、Gen4やGen5対応といった高価なM.2 NVMe SSDを選択してももったいない点は留意しておきたい。

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