台湾・台北にある台北南港展示センターでは、4月12日から自動車部品や自動車用品の展示会「TAIPEI AMPA 2023」が開催されています。自動車関連の展示会としては台湾では最大規模のイベントで、部品や用品がメインということもあり、ダンパーやブレーキパッド、オイルといった展示が大半ですが、今年は「AUTOTRONICS TAIPEI」と「2035 E-Mobility Taiwan」との併催ということもあり、EVや自動運転といった展示も多く見かけました。
あのホンハイがiPhoneに続いて、電気自動車を製造する時代が来る?
EV時代も世界の工場を担う考え
会場内の広いブースで存在感をアピールしていたのが、台湾のEMS (Electronics Manufacturing Service) 企業ホンハイ(フォックスコン)。ホンハイといえば、現在シャープの親会社であり、iPhoneの製造を担当している企業としても有名ですが、昨今は電気自動車にも力を入れています。
ブースにはBEV(バッテリーEV)の「モデルB」、「モデルC」、「モデルV」と量産仕様車3台を展示。といっても、ホンハイはスマートフォンと同じように、あくまで製造担当なので、ホンハイ自身がこれらのクルマを販売するわけではありません。いわゆるリファレンスモデルです。
ブースにはホンハイが得意とするバッテリー技術なども展示しており、高い基礎技術力をアピール。自動車メーカーによるユーザーの好みなどを取り入れた設計と、ホンハイの高い基礎技術組み合わせることで、質の高いEVが提供できるわけです。
これは最近のスマートフォンの作り方と同じ。実際ホンハイは、アメリカなどの新興EVメーカーと提携しEVを市場に投入しています。日本でもスマートフォンの製造能力がある大手メーカーだけでなく、スタートアップやケースメーカーといった関連業種から(実際の製造は中国のODMが担当して)製品が登場したことがありましたが、BEVも大手自動車メーカー以外から登場する可能性もあるわけです。
水素と電気を両アピールするトヨタ
トヨタは「2035 E-Mobility Taiwan」のエリアにブースを構え、FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle/燃料電池自動車)の「ミライ」やBEVの「bZ4X」を展示。電気自動車だけでなく、FCEVも含めて次世代の自動車へ取り組んでいる同社の姿勢を改めてアピールしていました。
EVの充電スタンドは高出力競争に
電気自動車の普及で重要となるのが充電スタンド。特に高出力での充電スタンドは充電時間の短縮が可能となるため、各社の争点となっています。たとえば台湾のEV充電機器およびサプライ品メーカーのZEROVAは、シングルタイプのDC充電で最大出力480kWの対応モデル「DQ480」を発表しています。
また同じく台湾のEV充電器などを製造しているDELTAは、350kWの充電スタンドを展示。日本でも規制緩和により、200kW以上の充電スタンド設置のハードルが低くなっているので、EV側の対応も必要ではありますが、今後の高出力充電スタンドの普及に期待したいところです。
ちなみに両社とも、RFIDを使用した決済機能を搭載しており、カードやスマートフォンなどで手軽に決済できるといった点もアピールしていました。