爆速CPU&GPU内蔵でゲームも楽勝です!

「ROG Flow Z13-ACRNM」実機レビュー = 「ACRONYM」の最先端デザイン・モバイルノート

文●写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 ASUSはドイツのファッションブランド「ACRONYM」とコラボしたクリエイター向け13.4型2 in 1 PC「ROG FLOW Z13-ACRNM RMT02」を3月31日に発表、同日より予約を開始した。

 発売日は4月4日で、価格は46万9800円。本製品はCore i9-13900HとGeForce RTX 4070を組み合わせたハイパフォーマンス2 in 1 PCだが、スペック以上に注目すべきはデザインである。

 アルミニウム合金をCNC加工で削り出した地肌をそのまま魅せるボディーワークは、これまでのモバイルPCにはない塊感を実現している。盛りだくさんな専用アクセサリーにもぜひチェックしてほしい。

ASUS「ROG FLOW Z13-ACRNM RMT02」46万9800円

デタッチャブルキーボードやスタイラスペンが同梱

SF映画に出てくるような存在感は
タブレットPCとして唯一無二

 「ROG FLOW Z13-ACRNM RMT02」はOSに「Windows 11 Home 64ビット」、CPUに第13世代(Raptor Lake)の「Core i9-13900H」(14コア[6P+8E]、20スレッド、最大5.40GHz、45W)、ディスクリートGPUに「NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPU」を採用。メモリーは32GB(LPDDR5-5200、オンボード)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。

 ディスプレーはASUSの基準「ROG Nebula Display」を満たした、13.4型WQXGA液晶で、2560×1600ドット、16:10、165Hz、500cd/m²、1000:1、DCI-P3カバー率100%、タッチ対応、ペン対応、グレア、PANTONE認証、TÜV Rheinland認証を搭載。前面には500万画素カメラ(Windows Hello対応、RGBカメラとIRカメラは独立式)、背面には1258万画素カメラ(オートフォーカス対応)が内蔵されている。

 インターフェースは、Thunderbolt 4、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、給電対応)、USB 3.2 Gen1 Type-A、microSDメモリーカードスロット、3.5mmコンボジャックを装備。ROG XG Mobileインターフェースに対応しており、外付けグラフィックスデバイス「ROG XG Mobile」を装着することで、最上位機で「NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPU」を利用可能となる。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.1対応だ。

 サイズ/重量は、本体が318×222×20mm/約1.31kg、デタッチャブルキーボードが302.8×240.52×5.6mm/約393g。56Whのリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約8.8時間、バッテリー充電時間は約1.7時間と謳われている。

 本製品最大の魅力はやはりデザインだ。アルミニウム合金製の本体背面は、CNC削り出しによる掘削痕を大胆に残しており、これまでのタブレットPCにはなかった佇まいだ。

 またデザイン上のアクセントとしてラバーホールドが16ヵ所設けられているが、実際に握ってみると安定して支えられる実用性も備えている。本製品は「ROG Zephyrus G14-ACRNM RMT01」に続いてACRONYMと共同開発した製品だが、まるでSF映画に出てくるような存在感はタブレットPCとして唯一無二だ。

アルミニウム合金による本体背面はCNC削り出しによる掘削痕をあえて残している

ディスプレーは13.4型WQXGA液晶(2560×1600ドット)を搭載

デザイン上のアクセントとしてラバーホールドが16ヵ所設けられている

キックスタンドを開くと左側にmicroSDメモリーカードスロットが現われる

上面(上)と下面(下)。下面にはデタッチャブルキーボードと接続するための金属接点が用意

右側面には電源ボタン、ボリュームボタン、USB 3.2 Gen1 Type-A、3.5mmコンボジャック、左側面にはROG XG Mobileインターフェース、Thunderbolt 4が配置

ROG XG Mobileインターフェースはゴムキャップでカバーされている

パッケージには本体、デタッチャブルキーボード、ACアダプター、電源ケーブル、スタイラスペン、メインストラップ、アクセサリーバッグ、キーボードストラップ、説明書類(製品マニュアル、製品保証書)が同梱

デタッチャブルキーボードは82キーの日本語配列(バックライト内蔵)

ACアダプターのコード長は実測162cm、電源ケーブルの長さは実測90cm

ACアダプターの型番は「ADP-130HB B」。仕様は入力100-240V~1.9A、出力5V 3A、9V 3A、15V 3A、20V 6.5A、容量130W

スタイラスペンはMicrosoft Pen Protocol対応の「ASUS Pen 2.0」。ロゴなどが印刷された本製品の専用品だ。異なる硬さのペン先が4種類同梱されている

左からメインストラップ、アクセサリーバッグ、キーボードストラップ

本体の四隅のフックにメインストラップを取り付ければ、ショルダーバッグのように持ち運んだり、首掛けPCとしても利用できる

アクセサリーバッグにはスタイラスペン、ACアダプターなどをスマートに収納可能

本体の実測重量は1315g

デタッチャブルキーボードの実測重量は387g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測482g

イカツい見た目の外観に反して
使い勝手は超スマートだ

 ぱっと見はかなりイカツい「ROG FLOW Z13-ACRNM RMT02」だが、2 in 1 PCとしての使い勝手はむしろスマート。デタッチャブルキーボードと組み合わせればノートブック、はずせばビューワー、タブレットとして利用可能だ。また4096段階の筆圧検知に対応したスタイラス「ASUS Pen 2.0」と組み合わせれば、お絵描きタブレットとしても利用できる。

 本製品にはキックスタンドが装備されているが、両サイドに斜めの切れ込みが入っており、縦置きも可能。その場合はデタッチャブルキーボードを使えないが、サードパーティー製Bluetoothキーボードなどと組み合わせれば縦画面で作業できる。長文を執筆する際などに重宝しそうだ。

ノートブック、ビューワー、タブレットとさまざまなスタイルで利用可能

キックスタンドは斜めに切れ込みが入っており、縦置きにも対応する

キックスタンドは無段階で角度を調整可能だ

 デタッチャブルキーボードは82キーの日本語配列で、キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.5mm前後だった。  キーボード面の剛性は高く、強く打鍵すればわずかにたわむ。しかし、それがショックを吸収してくれて疲れにくいと感じた。わずかなたわみを許せないのであれば、テーブル面に密着させて使おう。

キーピッチは実測19mm前後

キーストロークは実測1.5mm前後

キーボードバックライトは白色LED。Esc、Control、Zキーはキートップ全体が点灯する

タッチパッドの面積は実測105×61mm

 13.4型WQXGA液晶は輝度500cd/m²と明るく、発色も正確だ。実測した色域はsRGBカバー率100.0%、sRGB比135.5%、AdobeRGBカバー率87.7%、AdobeRGB比100.4%、DCI-P3カバー率98.7%、DCI-P3比99.9%となった。

 ROGの2 in 1 PCだけにリフレッシュレートも165Hzまで対応している。クリエイティブワークからハイフレームレートのゲームまで、どんな用途もこなせるディスプレーだ。

13.4型WQXGA液晶は輝度500cd/m²と明るい。PANTONE認証を取得しているだけに発色も正確だ

DCI-P3カバー率は98.7%、DCI-P3比は99.9%

 カメラの画質については、前面の500万画素カメラ、背面の1258万画素カメラともに室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる。

 今回の撮影条件では背面カメラはやや露出が暗かったが、ノイズはほとんど気にならない。オートフォーカスに対応しているだけに、ピントも正確だ。完全にホワイトバランスや露出などをコントロールしたければ、マニュアル設定で撮影しよう。

前面には500万画素カメラを搭載(RGBカメラとIRカメラは独立式)

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

背面には1258万画素カメラ(オートフォーカス対応)を搭載

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

「CINEBENCH R23」のマルチコアは
18520ptsを記録

 最後にパフォーマンスをチェックする。まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は18520pts、「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は7070ptsとなった。

 「Core i9-12900H」と「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti」を搭載した「ROG Flow Z13」の2022年モデルがR23は14533pts、R20は5719ptsだったので、2023年モデルは約127%、約124%のスコアを記録したことになる。着実なパフォーマンスアップだ。

「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

ベンチマークは、「Armoury Crate」で動作モードを「Turbo」、GPUモードを「Ultimate」に設定して実施している

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は18520、CPU(Single Core)は2029、「R20」は7070と780。

 3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyは10053、Fire Strikeは22141、Port Royalは6081となった。

 2022年モデルはTime Spyは4764、Fire Strikeは10701、Port Royalは1121だったので、2023年モデルは約211%、約207%、約542%相当のスコアを記録したことになる。

 2023年モデルも外付けグラフィックスデバイス「ROG XG Mobile」を装着することで3Dグラフィックス性能を大幅に向上可能だが、そのままでも多くの3Dゲームを実用的な速度でプレイできるはずだ。

「3DMark」のTime Spyは10053、Fire Strikeは22141、Wild Lifeは56294、Port Royalは6081

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは12858(非常に快適)

 ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「WD PC SN740 SDDPTQD-1T00-1002」が搭載されており、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は5280MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4962MB/sとなった。

 タブレットPCにPCIe Gen4 x4接続SSDはオーバースペックに思えるが、ストレージアクセスが多いクリエイティブ系アプリで大きな恩恵を受けられることは間違いない。

試用機にはPCIe Gen4 x4接続SSD「WD PC SN740 SDDPTQD-1T00-1002」が搭載されていた

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は5280MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4962MB/s

 バッテリー駆動時間については、「Armoury Crate」で動作モードを「サイレント」、GPUモードを「スタンダード」に設定したうえで、ディスプレー輝度40%、ボリューム40%、バッテリー残量2%までという条件でYouTube動画を連続再生したところ、4時間45分45秒動作した。

 ハイパフォーマンスなタブレットPCだけに、屋外で長時間利用する際には対応モバイルバッテリーを用意したいところだ。

性能とデザインに妥協したくない
こだわり派を惹きつける孤高の2 in 1 PC

 非常に未来的なデザインを採用した本製品は、個性的なモバイルワークを可能とするメインストラップなどが用意。CPU、3Dグラフィックス性能はゲームだけでなくクリエイティブワークも快適にこなせる水準だ。

 Flowシリーズなので、外付けグラフィックスデバイス「ROG XG Mobile」を装着すれば、さらなるパフォーマンスを発揮する。

 「ROG FLOW Z13-ACRNM RMT02」は性能とともにデザイン性にも妥協したくないこだわり派を強烈に惹きつける孤高の2 in 1 PCなのである。

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