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ただの「禁止」は逆効果 新学期、スマホの使い方を教えるときのポイント

2023年03月17日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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スマホデビューも増える季節

 3月、4月は新生活が始まる時期だ。自分の子ども、あるいは親戚などが初めてのスマートフォンを手にすることもあるだろう。

 最近の子どもたちは、幼い頃からスマートフォンがあるのが当たり前の環境で育っている。また、学校の授業でパソコンを使うことも多く、インターネットに触れる機会は多い。自分だけのスマートフォンを持ちたいと考えるのは自然なことかもしれない。

 子どもがスマートフォンを持つ上で、多くの人は、ネット上でリスクの伴う行動について心配するだろう。たとえば、サイバーいじめやオンラインアカウントの窃盗などだ。もちろん、子どもたちにこれらのリスクを理解させ、彼らの安全を守ることに繋げていくことは大切といえる。

 しかし、子どもがスマホを使う際に陥りがちな問題は、見知らぬ人やSNSとの交流などでのトラブルだけではない。好きなだけスマホを使いたい子どもと、適切な範囲で管理しておきたい親との間で、摩擦が生まれることもある。

 たとえば、ペアレンタルコントロールを可能にするソフトや、信頼のおけるセキュリティ ソリューションなどは、親からすればスマートフォンにインストールしておきたいものだ。ただ、その手のソフトは、子どもにとって“うっとうしい”ものかもしれない。

 もちろん、個人情報が詰まっており、日常的にオンラインになるスマートフォンだからこそ、セキュリティのことを無視するわけにはいかない。

 ソフトのインストールに限らず、子どものスマートフォン利用に関しては、安易な禁止は逆効果になるかもしれない。しっかり相談し、双方が納得できる落としどころを探すことが重要だ。

同じ問題に一緒に立ち向かう仲間になろう

 スマホの使い方を教えるときのポイントとして、「子どもだから、こうに決まっている」という考えはよくないだろう。子どもによって、興味、関心、個性が違う。当然、一人ひとりのニーズは異なる。ネットやデバイスに関して、会話を交わしながら、デバイスの設定を決めていくのが大切だ。

 また、オンライン上での行動についても、オープンな会話ができる環境を作り、家族のオンライン上での習慣を理解することが必要になる。いずれにしても、危険だから使うな……と伝えるだけでは、子どもは納得しないだろう。大事なのは、大人と子どもの双方がリスクを理解し合うことだ。

 また、ツールや各種の利用制限は、一度設定したら変えてはならない、というわけではない。設定したら終わりではなく、成長や個性に合わせて、なぜこの制限が必要なのかを会話し、適切なレベルに調整していくことも必要だ。

 たとえば、子どもがスマートフォンを利用するにあたり、「1日、使う時間はこれぐらいがよい」「この設定をオン/オフにするにはこういう理由がある」という意見があるなら、無理に押し付けず、その理由をしっかり伝え、納得させることが大事といえる。

 考えられるリスクや、危険の避け方を話すとともに、そのためにフィルタリングなどの使用制限が必要であることを伝えておこう。単に上から教えるだけでなく、同じ問題に一緒に立ち向かう仲間同士になっていく意識を持ちたい。

 設定したルールを曖昧にしたり、失敗したときみ振りかざすようなものにしたりするのではなく、身近な話し相手になって知識やスキルを教えたり見守ったりしながら、常にコミュニケーションを取ることが大切だ。

 今回は、ネット上のセキュリティについて考えるために、McAfee Blogから「親子で話し合おう『スマホやネットの使い方』」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

親子で話し合おう「スマホやネットの使い方」:McAfee Blog

日本・アジア地域チャネルマーケティング 執行役員 本部長 青木 大知

2023年1月、スマホの使用を巡る家庭内のトラブルで、中学生の子どもが母親を刺した事件が報道されたのは、記憶に新しいところです。始まりは些細な行き違いだったかもしれないことから、大きな事件に発展してしまったのに、衝撃を受けた方が多いのではないでしょうか。現在では小中学生がネット、スマホを使う光景は当たり前になっていることもあり、親としては改めて、スマホの使い方や教育方針などを考えさせられます。

今回は、子どもの成長や未来につながるスマホとの付き合い方について、セキュリティの専門家である私の子育て体験も交えながら、考えてみたいと思います。

ただの「禁止」は逆効果にも

子どもがスマホを使ううえで陥りがちな問題は、見知らぬ人とのトラブルといった外部との摩擦だけではありません。好きなだけスマホを使いたい子どもと心配する親との間で、家庭内でも行き違いやすいことは、十分には意識されてこなかったのではないでしょうか。

現代の児童・生徒にとって、スマホを使う動機は、大人が想像するよりもたくさんあります。ゲームや友達との会話といった遊び目的はもちろん大きいでしょう。しかしそれだけでなく学校や家庭学習で使ったり、遠い外国の文化に触れたり、作品を作ったりと、手足を思い切り伸ばして知識や体験を得られる一種の広場になっているのです。

そうしたなかで、親が一方的にスマホの使い方を決めると、子どもは反発しがちです。冒頭の事件が実際にどうだったのかは分かりませんが、単に「禁止」を押しつけると、結果的に逆効果になったり、しこりが残ったりする状況は、どの家庭でも起こりえます。

また危険から引き離すだけでは、大人になったとき、大きな事件やサイバー犯罪に巻き込まれてしまうような心配もあります。いけないことがなぜいけないのかを本人が納得し、適切な行動を選べるように教えてこそ、一生使える“サバイバルスキル”が身につくのではないでしょうか。

フィルタリングや保護者機能は、会話しながら設定する

私自身も子どもを持つ親ですが、先日、父子で家電量販店に行き、学校での使用用途や本人の興味関心に合わせて、Chromebookを一緒に購入しました。同年代の子どもがよく持っているデバイスであり、Androidベースで動いているので、これからスマホを持つときに同じ感覚で使えるのも選んだ理由です。

子どもでも興味や関心、家庭状況、性別などによって個性が異なり、ニーズはさまざまです。最初から「これ」、何歳だから「こう」と決めるのではなく、子ども本人が何のために使いたいかを聞き、親もどのように使ってほしいか本音で語りながら選んでいくと、お互いに納得できるのだと実感する時間でもありました。

帰宅後には、親子一緒に初期設定。ネットやデバイスに関する良い面も悪い面も、会話を交わしながら、一つひとつの項目をセッティングしていきます。考えられるリスクや、危険の避け方を話すとともに、そのためにフィルタリングなどの使用制限が必要であることを伝えるなかで、同じ問題に一緒に立ち向かう仲間同士になれるのだと感じます。

その際にはOSやセキュリティソフトなどが提供しているペアレンタルコントロール(保護者機能)も、ぜひ活用したいツールです。利用できる時間やアプリのインストール、課金などにあらかじめ制限を設けておき、そのラインを超えるときは親のスマホなどで承認する仕組みにできるものです。わが家ではこの機能があることで、「宿題のためにもっと長く使いたいんだけど」「休日だからこの動画を長く見てもいい?」というようなやり取りが生まれ、コミュニケーションや教育の機会としても活用しています。

こうしたツールや各種の利用制限は、一度設定したら変えてはならない、というわけではありません。一人ひとりの成長や個性に合わせて、定期的になぜこの制限が必要なのかを会話し、適切なレベルに調整していくことがポイントなのだと思います。

都度コミュニケーションして、成長の手助けを

とはいえ、子どもが不適切なコンテンツにアクセスしたり、トラブルやお金の損失を発生させたりする日はどうしても出てくるでしょう。ですが失敗を通して学ぶのも成長の一部です。理由を聞いてアドバイスするなど、親はまずアフターフォローを考えたいところです。もちろん程度や内容によっては、専門家への相談も念頭に置きましょう。

スマホやネットは使い方により、子どもたちの貴重な学び舎にも、危険が散らばっている場所にもなります。私自身も親として、子どもの身近な話し相手になって必要な知識やスキルを教えたり見守ったりしながら、大人へと成長するための手助けをしていきたいと考えています。

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※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。

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