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人間と魔物の友情やドット絵、音楽に感動しました

【感動】『メグとばけもの』は30代のオッサンを泣かせた珠玉のRPGです

2023年03月14日 11時00分更新

文● イチえもん 編集●ASCII

3月2日より販売中のアドベンチャーRPG『メグとばけもの』

 かつての筆者は、どんなに感動しても涙を流さない人間でした。決して筆者自身が薄情な人間というわけでなく、心で泣くタイプの人間なのです(苦しい言い訳)。いくら「私は心で泣く人間なんですよ!」と周りに主張しても、当時はなかなか信じてもらえなかった覚えがあります。

 ですが、三十を過ぎてからなぜか涙腺が緩くなりました。心の中にある瞳だけでなく、本物の瞳からも温かい涙があふれ出るようになったのです。これは人間として大きく成長したと言っても良いのではないでしょうか? 「私はロボットじゃない、人間なんだ!」と声を大にして世間にアピールしたくなりました(そう思ったのは一瞬だけでしたが。だって恥ずかしいんだもの)。

 そんな30過ぎのオッサンである筆者ですが、最近あるゲームをプレイして泣いてしまいました。そのゲームは3月2日に発売された『メグとばけもの』です。本作は国内インディースタジオのodencatさんが手がけたアドベンチャーRPGで、Nintendo SwitchとXbox One、Xbox Series X|S、PC(Steam)で販売されています。

 では、メグとばけものの魅力はいったい何なのか。本記事では、メグとばけものをレビューしたいと思います。

少女が泣いたら世界が終わる……
魔物と少女の交流を描く良質なストーリー

 まずはメグとばけものがどういったストーリーなのか、簡単にあらすじを説明します。

 魔界に住む魔物のロイとゴランは、ある日魔界に迷い込んだ1人の少女を見つけます。彼女の名前はメグ。人間の世界で母親を探している最中、魔界に迷いこんでしまったのです。

左にいる魔物が主人公のロイ、右にいる人間の少女がメグです

こちらはロイの友人である魔物のゴラン。ロイに隠れて怪しい人物と何か話しているようですが、どういうことなのでしょうか……

 人間と魔物は敵対する関係にあり、魔界に迷い込んだ人間は"食料"になるという末路を辿ります。ゴランがメグを食べようと大きく口を開けると、メグは怖くて泣いてしまいました。その瞬間、魔界全体に異変が生じたのです。まるで世界が終わりを迎えるような、恐ろしい事態に。メグが泣き止むと異変が瞬時に収まったことから、"メグが泣いたら世界が滅ぶ"という結論に至ります。

メグが泣くと世界に異変が……

 結局、ロイはメグを母親の元に送り届けるべく、人間の世界を目指すことに。主人公のロイは力持ちの乱暴者で、メグのことを邪険に扱います。ですが、メグはロイのことを怖がらず、むしろ仲良くなりたいと考える心優しい少女。性格が真逆なロイとメグは次第に心を通わせ、少しずつ距離を縮めていきます。果たしてロイはメグを無事人間の世界に送り届けることができるのでしょうか。

ロイとゴランは、メグを人間の世界に送り届けることに

魔界を統べる「評議会」のメンバーたち。ロイ一行の動きが気になっているようです

 以上が本作の簡単なあらすじとなります。目的は魔物のロイがメグという人間の少女を人間の世界に送り届けることですが、魔物と人間の友情や世界の謎、そしてメグが泣くとなぜ世界が滅ぶのかといった、先が気になってしまう要素が存分に盛り込まれています。

 笑える場面もあれば、可愛らしい場面、そして心をえぐられるような場面と、見応えは十分あります。ロイとメグの成長を丁寧に描いているため、感情移入がしやすかったです。それが涙を誘う要因のひとつでもあります。良質なアニメ映画を観ているような感覚で楽しめるのではないでしょうか。

 ストーリー自体は4~6時間程度のボリュームです。しかし、サブクエストも存在するため、人によってはそれ以上のボリュームになるかと思われます。短いように感じますが、実際にプレイしてみるとそんなことを忘れてしまうほどの没入感を味わえました。

 ネタバレになるのでこれ以上の解説は控えますが、エンターテインメントに富んだストーリーに仕上がっているので最後まで楽しめるはずです。なお、涙もろい方はハンカチのご用意を。

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