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商用の光通信技術を光量子分野に適用する新技術を開発=NTTなど

2023年03月10日 06時38分更新

文● MIT Technology Review Japan

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NTT、東京大学、理化学研究所の共同研究チームは、独自開発のファイバー結合型光パラメトリック増幅器(特定の波長の光を増幅する機器)を用いて、光量子情報を保持したまま光を増幅し、商用の光通信テクノロジーを光量子分野に適用する新技術を開発。光通信用検出器を用いて世界最速の43ギガヘルツ(GHz)リアルタイム量子信号測定に成功した。

NTT、東京大学、理化学研究所の共同研究チームは、独自開発のファイバー結合型光パラメトリック増幅器(特定の波長の光を増幅する機器)を用いて、光量子情報を保持したまま光を増幅し、商用の光通信テクノロジーを光量子分野に適用する新技術を開発。光通信用検出器を用いて世界最速の43ギガヘルツ(GHz)リアルタイム量子信号測定に成功した。 今回の研究では、NTTで開発を進めてきた高い増幅率(約3000倍)と小さい信号対雑音指数(約20%)を有する光導波路(直接接合型周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN)導波路)による光パラメトリック増幅器を使用した。光通信用検出器の43GHz帯域でオシロスコープを用いて、スクイーズド光(非可換な物理量対の片方の量子ゆらぎが圧縮された状態の光)の振幅をリアルタイムで測定。その結果、量子ノイズ圧縮率が約65%であり、光量子コンピューティングの動作に必要最低限な量子ノイズ圧縮率(60%)を超えていることがわかった。 今回の成果は、超高速光通信技術(5Gテクノロジー)と光量子コンピューター技術の融合により100GHz超の帯域での高速な光量子演算が可能になることを示しており、光量子コンピューター開発を大きく加速させるものと期待される。研究チームは、将来的には、波長分割多重化技術(WDM)を用いることで量子プロセッサをマルチコア化し、100GHz帯域100マルチコアのスーパー量子コンピューターの実現を目指すとしている。 研究論文は、米国科学誌アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)に、2023年3月6日に掲載された。

(中條)

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