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松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第23回

入力をトリガーとしてPower Automateのワークフローで自動処理する方法

入力フォーム型のアダプティブ カードをTeamsで使ってみよう

2023年03月03日 11時00分更新

文● 松本典子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 こんにちは、Microsoft MVP(Azure / Business Applications)の松本典子です。

 前回第22回の記事では、グラフィカルに情報を表示することが可能な「アダプティブ カード」の作り方と、Power Automateから送信するアクションについてご紹介しました。

 今回は、Power Automateのトリガーとしてアダプティブ カードを利用する方法をご紹介します。

1. ワークフローの全体図

作成するワークフローの全体図

 今回はMicrosoft Teamsコネクタのトリガーを利用して、Teams上で入力フォーム形式のアダプティブ カードを表示し、そこに入力されたデータをメール送信するというシンプルなワークフローを作成します。

 なお後述するとおり、TeamsからPower Automateのトリガーを実行するために、Teamsに「Workflows」アプリを追加する必要があります。また前回記事でも追記したとおり、Teamsコネクタのアダプティブ カードのトリガーを使う場合は「既定の環境」でしか動作しないので注意してください。

1-1. トリガーの設定

トリガー:Teamsコネクタの「作成ボックスから」

 検索窓に「Teams」と入力し、Teamsコネクタのトリガー一覧から「作成ボックスから」を選択します。トリガーが表示されたら「アダプティブカードの作成」ボタンをクリックします。

「アダプティブカード」の作成」の画面

 前回記事で紹介した「アダプティブ カード デザイナー」と同じような画面が開きます(似ていますが別の画面です)。ここで独自のアダプティブ カードをデザインすることもできますが、今回はデフォルトで表示されるものをそのまま利用します。

Idの確認

 ここでは設定時に必須の情報となる「Id」を確認しておきましょう。デフォルトのアダプティブ カードでは、入力項目の「名前」「電子メール」「電話番号」それぞれにIdが設定済みです。今回は変更せず、このまま利用します。

 名前:myName
 電子メール:myEmail
 電話番号:myTel

カードの保存

 上部メニューにある「カードの保存」をクリックして保存します。

1-2. アクションの設定

 検索窓に「outlook」と入力し「Office 365 Outlook」をクリックし、アクションの一覧から「メールの送信(V2)」を選択します。

アクションの設定:Office 365 Outlookコネクタの「メールの送信(V2)」

 「宛先」と「件名」には任意の情報を入力します。「本文」の部分は、動的なコンテンツの「作成ボックスから」一覧にアダプティブ カードのId名が表示されるので、図のような形になるよう選択します。

 最後に、フローの名前を入力してワークフローを「保存」します。筆者は今回「アダプティブカード送信テスト」というワークフロー名を設定しました。

Teamsのチャット

 ワークフローを保存すると、TeamsのチャットにPower Automateが自動で図のような投稿をします。チャットはいったんこのままにしておきます。

2. Teamsからワークフローを実行する

Microsoft Teamsの左メニューで「アプリ」をクリック

 Teamsコネクタの「作成ボックスから」トリガーを利用したワークフローを実行するためには、Teamsに「Workflows」アプリを追加する必要があります。

 まずTeamsの左メニューにある「アプリ」をクリックします。

アプリを検索

 アプリの検索窓に「workflow」と入力します。右側にアプリ一覧が表示されるので「Workflows」をクリックします。

「Workflows」アプリ

 「Workflows」アプリの詳細が表示されるので、「開く」ボタンをクリックします。

作成したワークフローの表示

 ポップアップウィンドウにPower Automateで作成したワークフロー名(今回は「アダプティブカード送信テスト」)が表示されるのでクリックします。

 ここで作成したワークフローが表示されない場合は、Teams管理センターで「Power Automateアクション アプリ」が有効になっているかどうかを確認してください。

ワークフローの実行

 「1-1. トリガーの設定」で設定した入力フォーム形式のアダプティブ カードが表示されるので、フォームにデータを入力して「送信」ボタンをクリックしてみましょう。

3. 実行結果

 アダプティブ カードから送信したら、「1-2. アクションの設定」の「宛先」に設定したメールアドレスのメールボックスを確認します。

実行結果

 アダプティブ カードに入力した内容が送信されていることが確認できました。

4. 最後に

 今回はサンプルとして、アダプティブ カードにフォーム入力されたデータをそのままメール送信していますが、もちろんワークフローのアクションを変更すればそのほかの用途にも使えます。

 Teamsコネクタの「作成ボックスから」トリガーを利用すると、アダプティブ カード デザイナーを利用しなくても、Power Automateポータル画面でアダプティブ カードの作成までできて便利です。ただし、TeamsにWorkflowsアプリを追加する必要がある点には注意してください。

参考

コネクタ:Microsoft Teams
アダプティブ カード デザイナー
Microsoft Teams のメッセージからクラウド フローをトリガーする

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