本連載でも過去に何度か比較記事を出しているUQ mobile(UQ)とY!mobile(ワイモバ)。それぞれauとソフトバンクのサブブランドだが、スマートフォン用の回線として、幅広い層が安心して使える通信サービスとなっている。サービスの詳細は以前から若干変化している部分もあるため、2023年2月時点でのサービス内容を比較した。
メインブランドと同等の品質を持ち
しかもオトクなサブブランド
UQ/ワイモバのメリットと言えば、au/ソフトバンクと同様のエリアと通信品質を持ちつつ、MVNOの格安SIMに近い金額で利用でき、しかもキャリアショップもあって、店頭スタッフに相談しながら加入できるなどがある。逆にデメリットは思いつかないほどだ。
少し前なら、MVNOの格安SIMは店頭での申込みカウンターが各社にぎわっていたが、現在は一部を除いて縮小傾向で、店頭で申し込みたいと考えている人に対して、最初に勧めるのがUQとワイモバという状況になっている。
しかも、それぞれにMVNOの格安SIMにない利点もあり、自分のニーズとうまく合致すれば、MVNOの格安SIMよりもずっとおトクな特典もある。あまりこういう言い方はしたくはないのだが、手間をかけずに失敗なく、お手頃な料金のキャリア選びをするなら、UQかワイモバでいいんじゃない? と言える。
2023年の今、単独回線が安いUQ
複数回線が安いワイモバと違いがある
以前のUQとワイモバは同じ通信量ならほぼ同じ料金で揃っていたが、現在の主力プランでは違いが出ているほか、以前は無料で付いていた通話定額もオプションの形になっている。
まず、家族割引やほかのサービスの連携などが一切なく、1人で1回線持つ場合の料金はUQのほうが少し安いという状況だ。
また、UQとワイモバは対応の光回線やモバイル系の固定回線の契約、もしくはUQでは「auでんき(UQでんき)」の契約があると1人からでも安くなる。その場合、月3GBのプランが月額990円からで利用できる。
一方、ワイモバは複数回線、つまり家族で利用することで安くなる。特に、対応固定回線を契約していない場合、2回線目からが割引されるのが大きい。月3GBのプランは通常は月2178円とUQよりも高い設定だが、2回線目からは月990円となり(2178+990=3168円)となり、UQを2回線持つケースより(1628×2=3256円)より安くなる。これが3回線、4回線となると差はどんどん大きくなる。最近増えてきた、自宅に光回線を引かず、家族それぞれが大容量のモバイル回線を持つというようなスタイルでは、ワイモバのおトクさが際立つわけだ。
なお、UQにも現在「UQ親子応援割」のキャンペーンがあり、5歳以上18歳以下の家族が含まれる場合など、条件を満たした場合に最初の1年間だけ月15GBの「くりこしプランM」の2回線以上の合計額がワイモバの3GBの「シンプルS」と同額になる。条件に合致すればおトクなのだが、1年経過後は料金が高くなるので注意が必要だ。
UQは固定回線や電気とのセット割、ワイモバは家族での複数回線で安くなるということをまず知っておきたい。
「UQ親子応援割」についての記述を追加しました。(2/27 06:00)
料金以外の使い勝手にももちろん差はある
以前は、UQの特徴だった通信量の「翌月くりこし」は、現在はワイモバも導入。どちらも当月に使い切れなかった通信量は翌月末まで持ち越して利用できる。しかも両サービスともに繰り越し分が先に消費されるので通信量が貯まりやすい。そのため急に通信量が多くなった月があっても、速度制限や追加チャージの購入が必要にならないことが多い。
一方で、MVNOの格安SIMによくある、高速モードと低速モードを切り替えて通信量を温存する仕組みはワイモバにはなく、UQだけの機能となる。たとえば、移動中にストリーミングで音楽を聞くだけの場合など、高速でのデータ通信が必要がない状況では低速の「節約モード」にしておけば、通信量を消費しない。特に月15GBの「くりこしプランM」以上であれば、低速時でも通信速度は最大1Mbpsと比較的多様な使い方ができる。
そのほか、新規加入時に増量オプションを追加すると、無料期間中はタダで毎月の通信量がアップする。無料期間は両サービスとも以前は1年間だったが、UQは最大7ヵ月になったので、この点ではワイモバに軍配が上がる。
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