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まつもとあつしの「メディア維新を行く」 第82回

【第1回】「少年ジャンプ+」編集長細野修平氏による大学特別講義

「少年ジャンプ+」細野編集長が語るデジタルマンガの現在

2023年03月31日 15時00分更新

文● まつもとあつし 編集●村山剛史/ASCII

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じつは「裏の目標」もあった

細野 そんなコンセプトで始めた「少年ジャンプ+」ですけれども、誕生までにどんなことがあったのか説明します。

 2012年、私たちは「ジャンプBOOKストア!」というものを作りました。これは出版社系ではたぶん初めてとなる、直営の電子書店です。そもそも、2012年頃は電子書店自体があまりありませんでした。「ジャンプBOOKストア!」はKindleの上陸より前の2012年10月に始まっています。

 これは結構チャレンジで、正直私はそこまで上手くいくとは思っていなかったのですが、蓋を開けてみたら読者がたくさんいました。そこで、『電子の読者に向けたものを実験してみよう』と今度は「ジャンプLIVE」というものを作りました。紙の雑誌で「増刊号」ってありますよね。増刊号を作るような気持ちで「ジャンプLIVE」を作りました。

 実験だったので、マンガ以外にもアニメやゲーム、そして『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦先生がなぜかパスタを作る動画、みたいなものも載せました。結果、思ったより反響はなかったので『やっぱり我々はマンガだな』ということで、マンガに注力した「少年ジャンプ+」を2014年に創刊しました。

「少年ジャンプ+」誕生まで

 コンセプトは前述の通り「ジャンプを超える」だったのですが、じつはもう1つ、裏の目標もありまして。

 それは「弱点のデジタルでもヒットを出す!」でした。どういうことかと言えば、『週刊少年ジャンプはデジタルだとちょっと弱いな』と思っていたのです。『東京喰種』や『ワンパンマン』の作者は、デジタル発でヒットになった作品を作った人たちですけれども、この2作品は結局「ヤングジャンプ」から出ていますよね。

 このように、ほかの雑誌と比べると「週刊少年ジャンプ」は紙で強すぎたためにデジタルではちょっと弱いなと思い、『デジタルでもヒットを出していく』を裏の目標に設定していました。

第2回はこちら

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