本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「動画のエクスポート可能時間の変更機能と、カメラ管理画面アップデートの提供開始」を再編集したものです。
目次
ソラカメAPIの動画エクスポート可能時間って何?どんなメリットがあるの?
想定されるご利用シーン
ソラカメユーザーコンソール画面に新しい機能が3つ追加されました!
ユーザーコンソール新機能① 「デバイス名称検索」
ユーザーコンソール新機能② 「一定間隔で画像を表示する」
ユーザーコンソール新機能③ 「複数デバイスの画像を表示する」
まとめ
こんにちは、ソラコムでクラウド型カメラサービス「ソラカメ」の事業開発を担当している高見(ニックネーム: yuu)です。
昨年12月13日に発表させて頂いた「カメラで検出した音や動体の記録を確認できるイベント一覧API」から約2ヶ月間ぶりに新機能のリリースをご案内できることになりました。
この度、「ソラカメの動画エクスポート可能時間変更」と「SORACOMユーザーコンソールで使えるカメラ管理機能強化」を提供開始させて頂きました!!!
ソラカメAPIの動画エクスポート可能時間って何?
ソラカメの「クラウド常時録画ライセンス」をご契約頂いてる皆様は、1ヶ月当たり72時間までソラカメAPIを通して動画や静止画を閲覧することができます(ATOMアプリを利用してのライブ動画は制限なく閲覧可能です)。
この72時間の内訳ですが、動画は再生およびエクスポート対象の動画の時間、そして静止画の場合は1枚が1秒として扱われます。
最近では、GPUの進化などもあり、動画をAIで解析することによって行動分析や同線分析などを行うパートナー様が、ソラカメを活用して下っています。詳細な分析を行う場合72時間の制限を超えて動画を取得したいという多くのフィードバックをいただき、ソラカメのエクスポート可能時間を自由に変更することができるAPIをリリースいたしました。
なお、API利用時間のカウント対象に含まれるものと、含まれないものは下記の通りです。
カウント対象に含まれるもの | ●ATOMアプリを利用して録画動画を閲覧、またはダウンロードする。 ●ソラカメAPIを利用して録画動画や静止画を閲覧、またはダウンロードする。ブラウザにてSORACOMユーザーコンソールを利用する場合もソラカメAPI経由のため同様にカウントされます。 ●静止画は1枚につき、1秒換算でカウントされます。 |
カウント対象に含まれないもの | ●ATOMアプリを利用してライブ動画を視聴する。 |
どんなメリットがあるの?
これまで「もっと頻繁に動画や画像をソラカメAPI経由で利用したいので、月間72時間の利用制限を超過してもAPIを使えるようにして欲しい」とのお声をいただいていました。
このご要望にお答えする形で、「ソラカメの動画エクスポート可能時間の変更」が可能になります。月間72時間までは月額料金内でご利用でき、超過した分は1時間あたり66円(税込)でご利用いただけます。
事前にユーザーご自身で上限値を設定した上で、使った分だけ料金が発生する従量課金体系になっていますので、安心してご利用頂けます。
このようなニーズをお持ちのユーザーの皆様にメリットをお感じ頂けると考えております。
想定されるご利用シーン
- イベント検知や特定の事象が発生したタイミングの動画を定期的に端末にダウンロードして保存したい。
- AIによる画像解析のため、頻繁に動画や静止画のデータをAPI経由で取得したい
どうやって使うの?
ユーザーコンソールにログインしたら、画面左上のメニューから「ソラコムクラウドカメラサービス」>「デバイス管理」を選択します。アカウントに登録しているデバイス(カメラ)の一覧が表示されるので、任意のデバイスの名称をクリックすると下記画面が表示されます。
画面下部のタブがデフォルトで「デバイス情報」が選択されており、表形式でデバイス情報の一覧が確認できます。
この内、「月あたりの動画のエクスポート可能時間」の行右側に「編集」ボタンがありますので、こちらをクリックします。
次に、デフォルトで72時間に設定されている「動画のエスクポート可能時間(=APIを利用したい時間の上限値)」を任意の時間に変更して、「上限を変更」するボタンをクリックします。
以上のように上限値を設定変更することで、動画のエクスポート可能時間の上限値を解除し、任意の時間APIをご利用頂けるようになります。設定できる上限値は最大1,500時間(約62日分)です。
これまでソラカメを導入検討していたが、動画のエクスポート可能時間が月間72時間であることがネックになっていた方、ソラカメを導入して使い始めたらもっと頻繁に動画や静止画を取得したいニーズが出てきた方など、ぜひご利用下さい!
ソラカメユーザーコンソール画面に新しい機能が3つ追加されました!
現在、ソラカメでは大きく2つの視聴方法があります。
- ATOMアプリ(iOS/Android)で視聴する。
- SORACOM ユーザーコンソール(Webブラウザ)で 視聴する。
ここでは、 SORACOM ユーザーコンソール画面に新しい機能(UI)3つについてご紹介します。
ユーザーコンソール新機能① 「デバイス名称検索」
現在ソラカメユーザーの中には1アカウントに多数のデバイス(カメラ)を紐づけてご利用頂いているユーザーも数多くいらっしゃいます。ここでいただいたご要望が「多くのカメラデバイスの中から、目的のデバイスを素早く見つけたい」というものでした。
そこで、デバイス管理画面に「検索機能」を実装致しました!
検索のテキストボックスから、全一致または部分一致するデバイスを検索して表示することができるようになりました。
これにより、たくさんのデバイスがあってもすぐに閲覧したいデバイス(カメラ)を選ぶことができるようになり、動画や静止画の閲覧効率が大きく改善致しました!!
デバイス登録する際に、店舗名や任意のID番号などを割り振る運用をすることで、より一層効率良く数十台以上のデバイスでも運用することができます。
ユーザーコンソール新機能② 「一定間隔で画像を表示する」
2つ目の新機能は「一定間隔で画像を表示する」です。
ソラカメを導入していただいたユーザーの皆様から、「撮影している対象物(店舗、設備、現場など)を定点観測して、静止画を一覧表示で閲覧したい」というフィードバックも非常に多く頂いておりました。
例えば、下記のようなユースケースでのご要望を数多く伺いました。これらのニーズにお応えすべく本機能を実装させて頂きました。
- 店舗売り場の在庫状況を定点観測したい
- 工場内の部品棚や倉庫棚の在庫推移を定点観測したい
- 店舗やオフィスの混雑状況推移を定点観測したい
- 道路、橋、河川、不動産施設などの利用状況を定点観測したい
デバイス管理画面から任意のデバイス(カメラ)を1台選択すると、下記画面になります。デバイス名称右横に「操作」ボタンが表示されますので、こちらをクリックします。そして、複数の機能名称がプルダウン表示されますので、「一定の間隔で画像を表示する」をクリックします。すると、開始日時から指定した時間間隔で指定した枚数の画像を表示することができます。
開始日時は任意の時間を表示することができ、時間間隔は単位を分単位、時間単位、日単位、月単位で指定することができます。また、一度に表示する画像数も任意で指定可能です。
なお、広角補正フィルターのチェックボックスにチェックをいれると、広角レンズ撮影による歪みを補正して表示することができます。
定点観測したいなと思ったら、ぜひこちらの機能をご利用ください!!
ユーザーコンソール新機能③ 「複数デバイスの画像を表示する」
3つめの新機能は「複数デバイスの画像を表示する」です。
こちらは、多店舗や多拠点をまとめて管理されているユーザーの皆様から頂いた下記ニーズにお答えするべく実装させて頂きました。
- ある店舗で特定の時間に非常に混雑していた。同時刻に他の店舗でも同様な事象が発生しているかを一覧で確認できる画面が欲しい。
- 複数の店舗、工場などの始業時間、終業時間などで決められた定時業務が実施されているのかを一覧表示で確認したい。
- 複数施設や設備の利用状況を指定時刻単位で並べて比較しながら状況を確認したい。
デバイス管理画面から任意のデバイス(カメラ)を1台選択した後の「操作」から、「複数デバイスの画像を表示する」をクリックします。
すると、選択しているデバイス1台の画像が表示されますので、画面右上の「デバイスを追加する」ボタンをクリックします。
次に、プルダウンでログインしているアカウントで閲覧権限のあるデバイスの一覧が表示されるので、追加したいデバイスを選択すると、ウィンドウが表示されますので「OK」ボタンをクリックします。
そうすると、同時刻の複数デバイスの静止画を一覧表示することができます。
毎回同じデバイスを一覧表示させたい場合は、デバイスを追加し終わった後のURLをブラウザのブックマークに登録することをお勧めします。そうしますと、毎回デバイスを追加する作業をスキップすることができますので、デバイス映像の確認作業が効率的になります!
まとめ
今回は下記新機能をご紹介させて頂きました。
- 動画のエクスポート可能時間を設定変更する機能
- より頻度高く動画や静止画を閲覧またはダウンロードしたいユーザーが任意の上限値に設定変更できる機能。1時間あたり66円(税込)でご利用可能。
- SOACOMユーザーコンソールの3つの新機能(追加費用なしでご利用可能)
- デバイス名称検索
- 店舗名やID番号をデバイス名称に入れておけば、アクセスしたいデバイスの動画や静止画に素早くアクセス可能。
- 一定間隔で画像を表示する
- 複数箇所の状況を定点観測したい場合にピッタリの機能。
- 複数デバイスの画像を表示する
- 同一時刻の複数箇所の状況を横並びで、比較・確認したい場合に最適な機能。
- デバイス名称検索
ソラカメはユーザーの皆様から頂いたフィードバックに耳を傾け、より良いサービスへの成長し続けていきます!!ぜひ、本記事でご紹介した新機能をご利用頂き、皆様よりまたフィードバックを頂けること楽しみにしております。
今後ともSoracom Cloud Camera Services「ソラカメ」をよろしくお願い致します!!
― ソラコム 高見 (yuu)
投稿 動画のエクスポート可能時間の変更機能と、カメラ管理画面アップデートの提供開始 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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