ACES、ドローンを用いた自動配筋検査AIシステムの開発及び検証が完了
株式会社ACES
来年度以降のシステム展開を視野に、武田川橋現場での検証が終了
AIアルゴリズムの力でリアル産業のDXを目指す東大松尾研発のAIスタートアップである株式会社ACES(東京都文京区、代表取締役 田村 浩一郎、以下「ACES」)とJFEエンジニアリング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 大下 元、以下「JFEE」)は、共同で開発を行っていた自動配筋検査AIシステムのアプリケーション開発及び検証が完了したことをお知らせします 。また、現場での実用化に向け、東関道武田川橋での試行を実施しました。
■システム概要
開発・検証内容:
ACESはかねてより、多くの人員を要する配筋検査における鉄筋径、鉄筋本数、鉄筋間隔、継手長の計測を、画像認識技術により自動化するアルゴリズムを開発してまいりました。本アルゴリズムを応用し、現場での実用を目指した自動配筋検査AIシステムの開発をJFEEと行いました。また、現場での実用化に向け、東関道武田川橋での試行を2022年11月に実施しました。
発注者:国土交通省 関東地方整備局 常総国道事務所
工事名:R3東関道武田川橋上部工事
開発アプローチ:
ドローンと単眼カメラを用いて真上から画像取得を行い、画像認識アルゴリズムを用いて鉄筋を認識させました。認識された鉄筋の間隔と本数を測定し、帳簿を自動で出力するシステムを設計しました。
■開発に至った背景と目的
従来の出来形検査(※1)は、第一に現場への負担が高く、持続性に課題がありました。
▼現場への高い負担
作業者に加えて立会人を必要とするため、絶対的な人数を要する
煩雑な撮影作業、帳票の手入力により労力を要する
各種データがアナログ管理されデータの有効活用/参照が困難
▼品質・効率面の改善余地
従来方法ではサンプリングした一部区間でのみの検査を実施しており、その他の区間ではより効率的な面的な検査が検討されている
そこで、ACESとJFEEは出来型検査の自動・省力化/高度化を目的として、橋梁上部工を対象にAIをはじめとするデジタル技術とドローン技術を活用した自動配筋検査システムの開発を実施しました。
※1 出来形検査:工事の目的物の完成した部分、工事施工が完了した部分の検査
■本システムの目的・期待効果
本システムを通じて、自動・省力化を推進し、現場への高い負担を低減し作業効率化を促進します。また、検査範囲を橋梁全域にまで拡張することでより信頼性の高い検査を実現すると同時に、デジタル化によるデータの利活用を促進します。
▼自動・省力化
現場作業人数の削減
デジタル技術による遠隔臨場(※2)によりオンラインによる状況確認を実現
現場作業の自動・省力化
ドローンの自動航行 × AIによる自動帳票作成により人の作業を効率化
※2 遠隔臨場:ウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用し、直接現場に行かずとも離れた場所から臨場を行うこと
▼高度化
高安全/高信頼性
検査範囲を橋梁全域にまで拡張することでより信頼性の高い検査を実現
データの資産化
デジタル化によるデータの利活用の促進
■デジタル化によるインパクトと今後の展望
2022年11月末に東関道武田川橋の現場でのアプリケーションの試行を行い、アプリケーションが正常に作動することが確認できました。これを踏まえ、現場での本格適用は2023年度から行う予定で進めます。
今後も引き続きより現場で使っていただきやすいようにアルゴリズムの精度向上とプロダクトの開発を進めてまいります。
■株式会社ACESについて
東京大学松尾研発のAIスタートアップである株式会社ACESは、ヒトの認識・解析を行うHuman Sensing(ヒューマンセンシング)技術をはじめとした画像・映像解析のAIアルゴリズムを用いて、ヒトの知見を数式化し、リアル産業のDXを推進しています。AIアルゴリズムを事業価値に落とし込むデザイン力をコアコンピタンスとして、クライアント様と二人三脚でDXに取り組むDXパートナーサービス、自社アルゴリズムを組み込んだソフトウェアを提供するAIソフトウェアサービスを提供しております。
代表者:代表取締役 田村 浩一郎
所在地:東京都文京区湯島2丁目31−14 ファーストジェネシスビル 3階
設立:2017年11月
事業内容:AIトランスフォーメーション事業(AIを利活用した新規事業開発およびDX支援、AIを用いた独自プロダクトの提供など)
コーポレートサイト:https://acesinc.co.jp
採用サイト:https://acesinc.co.jp/recruit.html
お問合せ先:info@acesinc.co.jp