商標、特許を活用したブランディング戦略の強み
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特許庁のスタートアップ支援施策
後半は、特許庁総務部調査課スタートアップ支援班の芝沼氏は、スタートアップ向けの知財支援施策について紹介した。
スタートアップの企業価値は、「技術・アイデア(知財)」に集約される。しかし、特許庁が2021年度に実施した知財意識の調査では、「創業時に知財戦略が経営戦略に組み込まれている」と回答したスタートアップは知財が重視される医療や福祉分野でも半数程度に留まっており、スタートアップコミュニティの知財意識は低い。
創業期スタートアップにおける知財活用による効果には、「資金調達への貢献」から「信用力・ブランド力の向上」、「業務提携等への寄与」、「競合企業の参入防止」などがある。
特許庁は、スタートアップの知財意識の向上と知財戦略の構築を促進するため、知財アクセラレーションプログラム(IPAS)と知財コミュニティ「IP BASE」の2つの施策を実施している。
IPASは、ビジネスの専門家と知財専門家をスタートアップに派遣し、ビジネス戦略に連動した知財戦略の構築を支援するもの。2022年度は25社を採択し、5か月間のメンタリングを実施している。過去のIPASで見えてきた課題や成果をまとめた事例集をIP BASEサイトで公開中だ。
スタートアップ向け知財コミュニティ「IP BASE」は、ウェブサイトによる情報発信、事例集の掲載、会員向け勉強会の開催、知財専門家の検索機能を提供している。また、全国のセミナーイベント登壇やYouTube番組での情報発信、知財活動に取り組むスタートアップや関係者を表彰する「IP BASE AWARD」なども実施している。
新しい施策として、2022年度からベンチャーキャピタルへの知財専門家派遣調査事業を試行的に開始しており、2023年度からは本格的に実施予定だ。
その他、最短2.5か月程度で審査結果が出るスーパー早期審査、特許の手数料が3分の1になる手数料軽減措置などを実施している。詳しくはIP BASEに掲載しているので、これら支援を上手に活用しよう。
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