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MRゲームやPCVRの無線プレイ、スマホのミラーリングと多機能!

MRゲーム体験が感動!超多機能な「VIVE XR Elite」体験レポ

2023年02月07日 12時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

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カラーパススルーは割と実用的
今までにないMR体験が楽しい!

 VIVE XR Eliteのセットアップは、VIVE Flowに酷似しているが、これまでの同社の製品と同じく、動きのあるCGで懇切丁寧に説明が表示されるので、何も迷うことなくセットアップできる。

見た目にも従来のVRヘッドセットよりもごつくない

 手順としては、画面の指示のとおりフェイスガスケットを外し、視差調整ダイヤルで調整し、瞳孔間距離の調整を行なう。その後、コントローラーの接続をして、コントローラー操作のチュートリアルが行なえる。

 まずはなんといっても驚いたのがパススルー映像だ。従来のVRヘッドセットには低画質なカメラによる、白黒の映像しか映し出せれなかったが、割と鮮明なカラー映像で現実の世界をVIVE XR Eliteを被りながら見ることができる。

 看板に書かれているような比較的大きな文字ははっきり視認でき、キーボードの印字も多少にじむが認識は可能。スマホも操作可能だが、さすがに6型のディスプレーだと電子書籍の文字を読むことは困難だった。

写真は筆者が見ている映像をディスプレーに映し出したもの。スマホでも大きな文字は視認できるが、小さい文字はぼやけて、快適に見ることはできない。しかし、それでもスマホに誰から着信が来たとか、アプリを操作して音楽を再生するくらいならできそうだ

筆者が見ている映像のスクリーンショット。キーボードの文字もぼやけているが、キーの印字のアルファベットは視認できる

 とはいえ、スマホに入れた電子書籍や動画は、ミラーリングして視聴できるので問題なし。今までのヘッドセットを被りながら飲み物を取って飲む、何か物を探して手に取るといった行為なら十分快適で、ある程度のタッチタイピングができるなら、キーボードで文字を打って仕事することもできそうだった。

スマホで撮影した実際の写真

VIVE XR Eliteのカメラに映し出された映像を、スマホで撮影した写真。やや文字がボヤけているが、十分実用的

 本体はわずかにVIVE Flowよりも重くなっているが、それほど気にならない重さ。最初は背面のバッテリーなしでの、グラスモードにしてモバイルバッテリーを着けて、指揮者の体験ができる『Maestro VR』をプレイ。

『Maestro VR』では、右手にはコントローラーを持ち、それが指揮棒の代わりになる。リズムゲームのように矢印のノーツが流れてくるので、そのタイミングに合わせて矢印の方向に指揮棒を振る。

 そして、時々各楽器の奏者に指示を出すためのアイコンが表示されるので、その際はコントローラーを持っていない左手の人差し指を延ばして指し示す。こちらは、ハンドトラッキングでの操作になる。

 指揮棒の動きやハンドトラッキングの反応も良好で、非常に快適にゲームが楽しめた。ちなみに、本作はMRに対応していて、目の前の映像はゲーム画面だが、ゲーム画面の周りはRGBカメラが取り込んだ現実の映像が表示されている。

 ゲーム中でもコントローラーのVIVEボタンを押してから、スクリーンショットや動画の録画が行なえるが、その際はRGBカメラの映像は合成されない。あくまでイメージだが、実際に見えている映像は、以下のように合成した画像のようになる。

ゲーム画面のスクリーンショットだと、RGBカメラの表示部分は真っ黒になっている

あくまで、合成した画像だが本来は、このように現実の世界とゲーム画面が同時に見える。周りに誰かいれば、その様子も見ながらゲームが楽しめる

 筆者はVIVE Flowを個人的の所有しているが、VIVE Flowではツルの部分が左右から耳の上あたりで押し込まれ、長時間使っているとやや痛いと感じていた。しかしながら、VIVE XR Eliteのグラスモードでは、ツルの部分がやや長くなっていて、頭のより後ろ側で固定するようになったことで、長時間利用でも快適に行なえるように思えた。

 次に専用バッテリーを接続したゴーグルモードで『YUKI』を体験。YUKIは弾幕系のシューティングとローグ風の特徴を兼ね備えたVRゲーム。一般的なVRシューティングゲームは、ユーザーが銃を持って撃ち、敵からの攻撃は自分が当たるとダメージになる。

 しかし、『YUKI』ではコントローラーの部分にアクションフィギュアがいて、そのフィギュアから弾が発射され、敵からの攻撃はそのフィギュアに当たらないように手を動かして回避する。普段は攻撃される対象をコントローラーのスティックなどで操作するところ、自分の手を動かして弾を避けるという動作は、新感覚で面白い。

 さらに、VIVE XR Eliteでは、現実の自分の部屋に突如敵がワームホールから現れる。天井や床にも敵がいる360度から襲われる、まったく新しい体験ができ、非常にユニークだった。

 本作では録画や外部出力に対応していない。以下のデモ映像で確認して貰いたいが、前述した『Maestro VR』ではゲーム画面は背景も含めCGだったが、この『YUKI』はキャラクターやエフェクト、弾などはCGだが、完全に現実の部屋の中がそれらが表示されているのが確認できるだろう。

 最後に、PCVRの体験を行なった。今回のデモではVIVE XR EliteとPCは、無線で接続されていたが、無線LANが不安定な場合は、別売りのストリーミングケーブルで有線接続もできる。

 無線LANはWi-Fi 6Eまで対応しているが、Wi-Fi 5でも接続は可能だという。ただし、通信速度は遅くなるので安定性は、当然Wi-Fi 6Eの方が上となる。

 今回は『Kayak VR: Mirage』を体験。氷に覆われたバーチャル空間で、カヤックを操縦するVRゲームだが、4K高画質で非常に美しい映像が楽しめた。同社では、棒の左右にリストトラッカーを取り付け、それをカヤックのオールとしてリアルな体験を行なった。

クロマキー合成できるスマホアプリで、筆者の体験の様子がディスプレーに映し出されていた

 格子感のない高画質映像で、遅延もほぼ感じず、快適にPCVRも動作していた。

MRやPCVRプレイができ、スマホのミラーリングも可能と
多機能で高画質な唯一無二の製品

 VIVE XR Eliteは、割高ではあるがMR体験に加え、PC接続によるPCVRプレイ、スマホ画面のミラーリングなど、それに見合うだけの機能を備え、唯一無二の製品に仕上がっている。MRヘッドセットとしては、エンタープライズ向けの製品もあるが、従来の製品の多くは透明なレンズの中に限られた範囲にCGを表示するもので、その範囲は非常に狭いものだった。

 しかしながら、VIVE XR Eliteでは、高画質のRGBカメラを搭載し、現実の世界の映像をカメラで取り込むことで、カラーパススルーを実現。360度のMR体験が行なえる。

 今後対応ゲームが増えることで、より一層魅力が増すだろう。また、今回は体験できていないが、RGBカメラによるパススルーとバーチャルデスクトップの組み合わせによる、ビジネス用途の可能性も気になるところだ。

 ちなみに、VIVE XR Eliteは2023年2月15日までに事前予約を完了し、2023年3月31日より前にセットアップを完了すると5つのVRゲーム『Gree Hell VR』やヘルス&フィットネス『Les Mills Bodycombat』など、100ドル相である5つのコンテンツが無料でプレゼントされる。

事前予約特典

 欲しいと思った人は、早めに予約購入し、予約特典をゲットするとイイだろう。

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