ペタペタは1月20日、Camfireで音にこだわったものづくりに挑戦していくコミュニティー「#オトモノ」発の平面駆動型インナーイヤーイヤホン「結 [yui]」(IA-PL1-YUI)のクラウドファンディングを1月21日11:00に開始すると発表した。監修はオーディオライターの野村ケンジ氏。
昨年10月から開発を開始。コミュニティ内で出た「カナル型イヤホンが苦手」という声にこたえる形で企画。試作品を作ったところ、コミュニティ内で好評だったため、クラウドファンディングを実施することになった。
税抜きなら2万円以下の平面駆動型イヤホン
音質に優れる平面駆動型ドライバーを採用しているが、少量でも安価に生産できる工場を見つけ、最小の100ロットから製造を開始する。一方で、MMCXのリケーブルにも対応した本格的な仕様にしたという。好評であれば、“Initial A”ブランドとして、平面駆動型とダイナミックドライバーを利用したハイブリッド型など、次の製品も企画していきたいという。
筐体はカスタムイヤホンなどと同様に3Dプリンターを活用。今後、販売量が増えるなら、メタルハウジングにも挑戦していきたいとする。
一般販売価格は2万1780円を予定。Campfireの先行販売では、超早割が1万8900円(30名限定、送料込み)。クラウドファンディングで購入した場合は線材が異なる黒とシルバーのケーブルのいずれかが選べ、2本セットのプランもある。一般販売時に同梱するのはシルバーケーブルのみになるという。詳細はCampfireのサイトを確認してほしい。
ドライバーサイズは14.2mm。インピーダンスは24Ω、出力音圧レベルは102dB(±3dB、1kHz)。ケーブル長1.4m。音質調整に際しては、平面駆動型ドライバーの特性を素直に感じられるものとし、歪みの少ないクリアな音質が特徴だとする。アコースティック楽器の伸びやかできらびやかな音、存在感があるボーカルなどを楽しんでほしいそうだ。
高解像度でクールな音が好きな人にオススメ
短時間試聴してみた感想としては、ワイドレンジで高域がよくのび解像感の高さを感じられる。開放型ということもあり、音の広がりある、平面駆動型ドライバーならではの音調が楽しめる製品だ。また、低域にもしっかりとした重量感がある。全体に立ち上がりが速く、パーカッションなど抜けがいい。バックバンドの上にボーカルがクリアに浮き立つ様も際立っている。高解像度で情報量が高いイヤホンを探している人は特に満足できるだろう。
シルバーケーブル(銀コートの銅線)とブラックケーブル(銅線)の2種類を試してみたが、個人的に好ましく感じたのはブラックケーブルのほう。芯がはっきりしていて、低域のエネルギー感が感じられる。例えば、Lizz Wrightの「Barley」では冒頭の重量感のあるドラムスやベースの沈み込みが感じられるし、裏で鳴っているリズム楽器も明瞭。歌詞もよく伝わる。レイ・チャールズとナタリー・コールのデュエット曲である「Fever」では、男性ボーカルの腰の据わった音に存在感があり、とても印象的だ。
あまり細かなチューニングはせず、ストレートに音を出している印象なので、高域には多少とがりを感じる面もあるが、製品がたくさん出回っているMMCXケーブルの交換でいろいろ違いを楽しめるので、いろいろ試してみるのも面白いだろう。クリアな音を長時間疲れずに聴きたい人にオススメのイヤホンだ。
開放型ということで、音漏れは当然あるのだが、最近はテレワークなどで家の静かな部屋に長時間いる人も増えていると思うので、仕事の合間の息抜きなどに活用してみてはどうだろうか。