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マイクロソフト、ChatGPTやDALL-E 2を開発するOpenAIに約1.3兆円の投資を協議中と報道

2023年01月12日 08時00分更新

文● 田口和裕

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OpenAIの評価額は290億ドルに

 マイクロソフトが対話型チャットAI「ChatGPT」や、画像生成AI「DALL-E 2」などの開発元であるOpenAIに最大100億ドル(およそ1兆3000億円)を出資する交渉を進めていることを複数のメディアが報道している。

 The Wall Street Journalは1月5日(現地時間)、OpenAIが株式公開買付けによる既存株式の売却を交渉中で、同社の評価額はおよそ290億ドル(およそ3兆8000億円)になる見込みと報じた。

 続けて1月10日(現地時間)、米ニュースサイトのSEMAFORは、マイクロソフトがOpenAIに最大100億ドルを出資する方向で交渉していると報じた。

 出資元にはマイクロソフト以外のベンチャー企業も含まれており、新たな投資を含めたOpenAIの価値は290億ドルになるという。この数字はWSJの記事とも符合する。

 実際に出資したかどうかはまだ不明だが、投資家に送られた条件概要文章によると、2022年末までの完了が目標とされていると示されており、マイクロソフトは既にアクションを起こしている可能性がある。

マイクロソフトとOpenAIの蜜月はしばらく続きそう

 マイクロソフトによるOpenAIへの資金提供は今回が初めてではない。2019年7月、AGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)開発支援を目的に既に10億ドルを出資しており、OpenAIはそれを原資にしてChatGPTなどのプロジェクトが生まれている。

 また、マイクロソフトも「Microsoft Designer」と「Image Creator」というOpenAIの「DALL・E2」を利用したサービスを開始している。

 今回の出資条件は、マイクロソフトが投資額を回収するまで、OpenAIの利益の75%を得ることができ、回収後はマイクロソフトが49%、他の投資家がさらに49%、OpenAIの非営利団体が2%の株式を取得するというマイクロソフトにとってかなり有利なものになっている。

 最近になって、「マイクロソフトがChatGPTを同社の検索エンジンBingに統合する」、「OfficeスイートにOpenAIのAI技術を応用する」といった情報がThe Informationにより報道されており、今後しばらくは両社の親密な状態が続くと思われる。

 なお、この件に関して現時点でマイクロソフトとOpenAIは共に沈黙を貫いている。

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