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開発の経緯やコダワリをインタビュー

試行錯誤の結晶、raytrekの新PCケースはクリエイターのやる気をオンにする

2023年01月24日 11時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

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とことんこだわった冷却性とメンテナンス性
クリエイターの長時間作業を快適に

──発表会では、クリエイターさんの意見も取り入れたとおっしゃっていましたが、どういった意見がとくに多かったですか?

黒川氏:1番多かったのは、冷却の部分です。やはりクリエイターさんですと、CPUの性能を十分に引き出したまま、長時間安定して稼働させられるというのが一番大事なので。単純作業を1分1秒でも短縮して、次のクリエイティブに取りかかれるよう、稼働中に熱の影響で遅くなったり、とまってしまったりということがないように、冷却性をどれだけ突き詰められるかが、今回のPCケースの重要なポイントの1つでした。

レンダリングや現像など、長時間かかる作業でも安定した温度でこなせるように、冷却にはかなりこだわったという黒川氏

──たしかに大量の写真の現像や、長尺の動画のレンダリングみたいに、結構長い時間負荷がかかる作業が安定駆動してくれるのって、かなり大事ですよね。

黒川氏:ほかにも、長い期間使っていただくときに、冷却性が落ちないようにするには、メンテナンス性も重要です。そのため、“冷却”と“メンテナンス”の2つを大きな軸にデザインを固めていきました。

──メンテナンス性でいうと、かなりコダワリを感じられる構造ですよね。前面のマグネット式のフィルターとか。

佐藤氏:ありがとうございます。この辺も、さまざまなご意見をいただきながら、デザインをどう変えたらいいかを考えて、何度もやり直して、どんどんとコンセプトを凝縮していった感じですね。

前面から簡単に取り出せるマグネット式のフィルター

サイドパネルのフィルターも取り外せる

底面にもフィルターがある

全部苦労した
議論しながらユーザービリティーを1つ1つ実現

──大変な作業ですね。どういったところで苦労されましたか?

野口氏:正直全部苦労してます(笑)。冷却性の向上は必ず実現したかったので、その点はとくに苦労しましたね。冷やすというだけであれば、色々な方法がありますが、我々の場合は1台ずつ工場スタッフがパーツを組み上げてご提供するので、組みにくかったら、お客様にお届けするまでに時間かかってしまいます。そのため、組み立てやすさも重要で、当初穴をあけていた部分を閉じるといったようなことも結構ありました。

──冷却機能や使い勝手以外に、組み立てやすさも考えないといけないというのは、確かに大変そうですね。

野口氏:コンセプトはしっかり実現できていても、実用性の部分で(デザインの)巻き戻しみたいなことも発生しながら、その都度我々としてどちらにすべきかはかなり議論しました。ユーザビリティーに繋がる部分を1つ1つ実現していくというのは、やはり苦労したポイントではありますね。

──1度完成しても、納得いかないとやり直すというところに、こだわりを感じますね。

佐藤氏:発注したモデルが届いて、検証して、フィードバックするということを繰り返してきたので、そのぶん時間はかかっていますね。その前にも、モックアップから始まって、微妙な幅感や、使い勝手とデザインのバランスなど、考えることは山積みでした。

──メンテナンス性の話に戻りますが、これは場所や用途にもよると思いますが、どれくらいの期間でフィルターの清掃をすればいいんでしょうか。

黒川氏:清掃をしなくなる最大の原因は掃除のしづらさです。このケースはフィルターを簡単に取り外して清掃できるようにつくってありますので、仕事が煮詰まったときの気分転換といった感じで清掃していただければいいかなと思います。適した清掃の期間や時期は設置場所の環境にもよるので一概にはいえませんが、出来れば定期的にお願いします。本当に簡単にできるので(笑)。

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