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MTDDC Meetup TOKYO 2022イベントレポート 「KUSANAGI」でMovable Typeを簡単セットアップ!

2023年01月13日 09時00分更新

文●プライム・ストラテジー 相原 知栄子 編集●MOVIEW 清水

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 こんにちは。「KUSANAGI」の開発チームで取締役をしている相原です。

 「KUSANAGI」はWordPressをはじめとするCMSを高速に動作させる仮想マシンです。わたしたちは「KUSANAGI」を開発して皆様にご利用いただくほか、お客様のWebサイトを「KUSANAGI」で運用しています。

 この連載では、「KUSANAGI」の開発やお客様とのお話の中で感じた課題や実際の運用の中で得た知見などをお伝えしています。

 2022年11月19日にMovable Typeのユーザーイベントがあり、わたしたちも参加してきました。今回はそのレポートを寄稿いただきましたので、ぜひご覧ください。

「KUSANAGI」でMovable Typeを簡単セットアップ!

 2022年11月19日、Movable Typeのミートアップ「MTDDC Meetup TOKYO 2022」が開催された。

 このイベントでは、CMSのMovable Typeを基点に、WEB全体へスコープを広げ、様々な分野のプロフェッショナルと事例と課題を共有し、気づきや発見、知見を得る場の提供を目的としている。

 本稿では、イベントの講演の1つである、プライム・ストラテジー株式会社の『「KUSANAGI」でMovable Type を簡単セットアップ!』について紹介する。

 WordPressの高速環境として知られているKUSANAGIがこの度、Movable Typeでも正式対応された。そこで、KUSANAGIに関してと、実際にMovable Typeの環境セットアップのデモが実施された。

 登壇者は、プライム・ストラテジー株式会社企画開発部 取締役、プロダクトマネージャーの相原氏と、企画開発部 部長、開発リーダーの石川氏の2名だ。

 

 

Movable Typeに正式対応を行なったKUSANAGIとKUSANAGI Stack

 プライム・ストラテジー株式会社は、超高速CMS実行環境の「KUSANAGI」と、Web高速化エンジン「WEXAL Page Speed Technology」、そして戦略AI「ONIMARU David」という高速化ソリューション群であるKUSANAGI Stackの開発と提供、そしてそれらを活用したマネージドサービスや表示高速化サービス、クラウドインテグレーションサービスを持っている。

 

 KUSANAGIはもともとWordPressの高速環境として周知されていたが、実はMovable Typeとは長い関わりがあるという。相原氏はこのように語る。

 「プライム・ストラテジーとMovable Typeとの関わりは実は深く、2015年から数度代表の中村がMTDDC Meetup TOKYOに登壇させていただいています。アメリカのSix Apart社に聖地巡礼したこともありました。また、実は当社のお客様がお持ちのMovable TypeサイトをKUSANAGI上でサポートさせていただくこともしていました。しかし、正式には対応できていなかった中、最近お客様の中で複数のCMSを使われている企業様が増えてきているという背景もあり、正式版として対応できることになりました」

 

 そもそもKUSANAGIというのは、CMSを高速かつセキュアに動かすためのLinuxベースの高速チューニングがされたサーバOSである。現在ではKUSANAGI 8とKUSANAGI 9という2つのバージョンを提供している。

 

 KUSANAGIの特徴について、相原氏はこのように説明する。

 「KUSANAGIの特徴の1つ目はとにかく速いということです。通常のLAMP環境と比較するとキャッシュを使わなくても20倍のパフォーマンスを出すことができます。パフォーマンスが高いということは、Webサイトに一気に大量のアクセスが集中してしまった際にもサイトダウンや遅延を発生させずに表示を続けることができるということにもなります」

 

 「もう1つの特徴としては、コスト削減です。サーバの処理性能が向上するため、従来よりも少ないコストで運用することが可能になります」

 

 「その他、セキュリティ対策も行なっており、KUSANAGI自体も継続的にアップデートを実施しておりますし、WordPressの方でも自動更新の対応機能を備えています。ありがたいことに、このKUSANAGIですが、リリースから7年で65,000台の累計稼働実績となっています。それも、AWSやMicrosoft Azureを始めとした国内外28のプラットフォームで対応ができていることが1つの理由だと考えています」

 

 KUSANAGI Stackについては、「KUSANAGI」、「WEXAL Page Speed Technology」、「ONIMARU David」の3つがあり、それぞれ組み合わせることでますます高速化が実現するという。

 

 このKUSANAGI Stackの高速化は通信やサーバ、レンダリングとWebサイトのあらゆる場面で実施されている。KUSANAGIについては、リクエストとサーバ側の処理の高速化がメインで、レスポンスとレンダリングはWEXALで高速化ができる。それらを制御するのがAIのONIMARU Davidという構成だ。これら1つ1つの高速化をそれぞれの企業で実施するのは膨大な手間が発生してしまうため、KUSANAGI Stackを使うことで高速化のための工数を減らして、さらに自動化することができる。

 

 WEXALについてはMovable Typeで作成されたサイトにも効果を発揮し、これを使うことでWebサイトの評価基準の1つであるGoogle Core Web Vitalsの指標についても大幅改善が見込まれる。

 

 KUSANAGI Stackを使うためには、それぞれのエディションを利用する必要がある。相原氏はこのように話す。

 「KUSANAGIは無料版、Business Edition、Premium Editionの3つのエディションを用意しています。KUSANAGI Stackで紹介したWEXALやAI ONIMARU Davidを使う場合は最上位のPremium Editionをご利用いただくことになります。まずはKUSANAGIだけを企業サイトでご利用されたいということでしたら、Business Editionをご利用いただくことになります。用途によって、使い分けていただければと思います」

KUSANAGIの今までとこれから

 次に石川氏からKUSANAGIの歴史とこれからの展開について語られた。

 「KUSANAGIの歴史は2015年からです。当時は過去に開発されたKUSANAGIの前身のバージョンを継承してKUSANAGI 7からのスタートでした。そこから2016年に今も利用できるKUSANAGI 8がCentOS 7ベースで作られました。そして2020年からKUSANAGI 9に進化して提供しています」

 

 着々と進化をしているKUSANAGIだが、KUSANAGI 9の際には何度か方向転換があったという。

 そのことについて、石川氏は、「KUSANAGI 9は最初はCentOS 8をベースに開発をしていました。しかし、CentOS 8が2021年内で開発終了するということになり、別のOSを利用しなければいけなくなりました。まずはCentOS Stream 8に対応しましたが、安定稼働を目的としたOSでの提供を続けるために現在はAlmaLinux OS 8でも対応できるようにしました。当時はMovable TypeのようなPerlベースのアプリケーションには正式に対応できていなかったのですが、FastCGIを使うことにより実現しました」と述べた。

 KUSANAGIは、原則最新のミドルウェアに対応しているというが、KUSANAGI 9については2つのOSに対応しており、新たに今回CMSとしてMovable Type 7に対応した。

 

 今後のKUSANAGIのロードマップについても石川氏よりこのように語られた。

 「2022年は各クラウドと主要CMSへのKUSANAGI対応を引き続き進めています。そして2023年にかけて、GUIやAPIの提供も進めていく予定をしています。機能拡充や運用自動化の需要も出てきていますので、これからもKUSANAGIをより使いやすくしていきたいと思っています」

 

KUSANAGI 9でMovable Type 7のセットアップデモ

 続いて、石川氏よりKUSANAGI 9を使ってMovable Type 7のセットアップとブラウザの表示まで行なうデモが実施された。

 まずは kusanagi initコマンドを使い、KUSANAGIの初期設定を行なう。

 

 次にプロビジョニングとして kusanagi provisionコマンドでMovable Type 7の利用ができるところまで実施された。

 

 石川氏は解説しながらデモを実施した。

 「まずは、初期設定から行ないます。kusanagi initコマンドでパスワードは適当なものを入れて実行していきます」

 

 「次に、Movable Typeのzipファイルがあることを確認し、kusanagi provisionコマンドを実行します」

 

 「Movable Typeですので、Perl関連のモジュール等もインストールされていきます」

 

 「これでプロビジョニングも完了しましたので、Movable Typeのファイルが確認できるかを見てみます。KUSANAGIは、/home/kusanagi/DocumentRoot/ 内にプロビジョニングされます。見てみると、しっかり配置されていることが分かります。これで完了です。実際は指定したFQDNで名前解決ができている必要がありますが、今回のデモではhostsファイルの設定をしてアクセスをしてみます」

 

 「このようにMovable Typeの画面にアクセスができました」

 

 「アカウントを作成してログインも問題なくできています。このように簡単にMovable Type 7がKUSANAGIの高速環境上で利用できる様になりましたので、ぜひ皆様使ってみてください」

 

終わりに

 いかがでしたでしょうか。

 このセッションの動画をYouTubeのプライム・ストラテジー公式チャンネルにアップしましたので興味のある方はぜひご覧ください。

 「MTDDC Meetup TOKYO 2022」では興味深いセッションがたくさんありました。個人的には、シックス・アパート 取締役CTO 平田 大治さんの基調講演「21周年を迎えたMovable Typeのこれまでの歩みとこれから」でMovable Type 8のリリーススケジュールが発表されたことや、さくらインターネット インターネットサービス部 部長 谷口 元紀さんの「Web制作にちょうどいいインフラ知識を身につけよう」などが面白かったです。

 ぜひ、KUSANAGIでMovable Typeを使っていただけたら嬉しいです。

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