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週刊つぶやき流行語総研 第53回

ツイート数から見る「日本で盛り上がったアニメ作品」

2022年のTwitterを騒がせたアニメは? 3位ガンダム、2位鬼滅、そして1位は……

2022年12月29日 17時00分更新

文● せきゅラボ

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新作放送なしでもトップ10入りが2作品! 鬼滅と……

 6位は「チェンソーマン」。米津玄師によるOPや、Vaundy、ずっと真夜中でいいのに。などの豪華アーティストが週替わりでEDを担当するなどの話題で、放送前から大きな注目を集めていたTVアニメ版。10月の放送開始と同時にツイート数が大幅に増加。放送初日の10月12日は、1日で37万7032件という驚異的なツイート数を記録しました。

 

 7位は「東京リベンジャーズ」。ゲーム『荒野行動』とのコラボをスタートした1月27日がツイート数最多となった。ほか、実写映画版の続編制作が発表された7月30日、原作コミックが連載最終回を迎えた11月16日も大きな盛り上がりを見せています。2022年に新作の放送はなかったものの、年間を通じて新規グッズやコラボなどの供給が多く、ツイート数増の要因となった模様です。

 

 8位は「五等分の花嫁」。劇場版アニメが5月20日に公開。映画公開を記念して『放置少女』などゲームアプリとのコラボや関連グッズの販売、フォロー&RTによるプレゼントキャンペーンが開催されて注目を集めました。

 

 9位は「ゴールデンカムイ」。原作コミックの連載が最終回を迎えた4月28日に20万3068件ものツイートが投稿され、このタイミングが集計期間中で最多のつぶやきとなりました。多くの感想や考察がツイートされているほか、4月7日から5月8日までコミック全話無料キャンペーンを開催したことでもツイートが増加。そのほか、4月19日の実写映画化発表に伴い、キャストに関する懸念やアイヌ文化の表現に対する危惧など、様々な意見が投稿されました。

 

 10位は「リコリス・リコイル」。オリジナルアニメーションながら、放送開始から回を追うごとにツイート数が増加。放送最終回を迎えた9月25日には、28万5532件ものツイートが投稿されました。また、公式Twitter運用において、作中に登場する喫茶店のアカウントを作成し、物語の展開と連動した投稿を実施するなどの仕掛けも好評を博したようです。

つぶやきを急増させる特効薬は……モンスト!?

 Twitterで盛んにつぶやかれた2022年のアニメ関連ワードを並べてみました。それぞれ、魅力的な作品であることが大前提ですが、“毎週ED曲/映像が変わる。しかも人気アーティスト揃い”という「チェンソーマン」の仕掛けに代表されるような、毎週何かしらのコラボが発表される激しいタイアップ/メディア展開が功を奏している印象です。実際、ツイート数の増加にはコラボ、なかでもゲームが関係しています。

 アニメワードのランキング話でゲームタイトルが登場するのは意外かもしれませんが、上位のツイート数状況をよく観察すると、『モンスターストライク』とのコラボをきっかけにツイート数が急増している事例の多いことがわかります。なかには、1年のうちで最も高い数値を記録したケースも。今後もモンストに限らず、スマホゲームとのコラボでつぶやきが加速するアニメは増えると思われます。

 

 そんななか、2022年夏に1クール放送したきりのオリジナル作品「リコリス・リコイル」の人気は特筆すべきものと言えます。ほかの9作品は長寿作品もしくは原作が3年以上前から連載している一方、リコリス・リコイルは原作人気の下駄を履かず、コラボ実施の時間的余裕もないなか、ほぼ作品人気のみでツイート数を稼ぎ出しました。

 ビジネスとしては「人気原作を満を持してアニメ化する」ことが正解でしょうが、アニメファンとしてはリコリス・リコイルのような未見のダークホースを2023年も目撃したいものです。

ゲームの年間ツイートランキングはこちら

※ご紹介しているデータは、角川アスキー総合研究所が提供中の「Twitter解析サービス」を基にした内容です。本サービスでは、Twitter社と公式に契約して取得したエンターテインメントに関連する全ツイートデータから、独自の辞書データベースを活用して、高い精度で目的のツイートを抽出・分析することが可能です。当社とNTTデータ、東京大学喜連川研究室による独自の解析システムを用いて、ポジティブ・ネガティブの判定、性別や年代の推計もご提供できます。ご興味・ご関心をお持ちの方は下記よりお気軽にお問い合わせください。
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