著作者:jcomp/出典:Freepik
便利だがリスクもある位置情報サービス
最近では、感染症予防に気をつけつつ、外出の機会を増やしている人も多いのではないだろうか。特に年末年始となると、初詣や帰省などで出かけるケースが増えてくるはず。
その際に役に立つのが、スマホなどで利用する、GPS(位置情報サービス)だ。地図アプリなどはもちろんこと、フィットネスアプリで走った距離を測定したり、ゲームアプリで位置情報を利用したものがあったりと、多くの人にとって馴染み深いものになっている。
また、自分の位置情報や行きたい場所などを確認するだけでなく、旅行先で撮った写真に位置情報をひも付けたり、SNSに投稿する際に位置情報を添えたりすることも多い。
ただ、位置情報を公開することはリスクもある。他人や、位置を知られたくない人物などに、自分の位置情報を知らせてしまう可能性もある。
自宅や近所で撮影した写真に位置情報をひも付けてSNSに投稿した場合、見ず知らずの人がそれらを参照することで、場所が知られてしまうという被害も存在している。
ソーシャルでは、過度な共有を控え、自分の位置情報を公表すべきかどうかを慎重に検討する必要があるといえるだろう。
スマートフォンで使われている位置情報は、多くの場合、各アプリごとにオン/オフを切り替えられるため、設定を確認しておくことをすすめたい。
なお、本来は位置情報を使う必要のないアプリでも、ユーザー情報などを収集する目的で利用するように設定されている場合もあるので、しっかりチェックしておこう。
位置情報サービスを無効にしても特定される?
なお、位置情報サービスを無効にしても、スマートフォンの位置が特定される場合もある。
たとえば、公共Wi-Fiを利用する際に、位置情報の追跡に同意するかどうかをプロバイダーから確認されることがある。その後、ユーザーがWi-Fiプロバイダーのいずれかのホットスポットの範囲内にいる限り、プロバイダーはその位置を記録し続ける。
注意したいケースは、マルウェアなどに感染してしまった場合だ。位置情報の設定を無効にしても、ユーザーの位置情報を追跡する、悪意のあるソフトウェアも存在している。「ストーカーウェア」あるいは「スパイウェア」と呼ばれる監視アプリなどだ。
デバイスの動作が遅くなったり、Webページやアプリの読み込みが遅くなったりと、パフォーマンスが急に低下したら、マルウェアの感染などをうたがってみてもよいだろう。ダウンロードした覚えがないアプリがある場合も危険信号だ。
アプリをインストールする際は、アプリの開発元の企業情報をチェックしたり、アプリストアのレビューをよく確認したりする習慣をつけておいたほうがいだろう。ストーカーウェアは勝手にインストールされることもあるため、定期的にアプリを整理し、不要なアプリ、入れた覚えのないアプリは削除しておきたい。
もちろん、信頼できるセキュリティ ソリューションをデバイスに入れておくことは基本だ。
今回は、McAfee Blogの「位置情報サービスが無効になっているスマートフォンは追跡されるか」を紹介しよう。(せきゅラボ)
※以下はMcAfee Blogからの転載となります。
位置情報サービスが無効になっているスマートフォンは追跡されるか:McAfee Blog
スマートフォンに組み込まれている位置情報サービスは、スマートフォンを紛失した場合や、位置情報を必要とするアプリを使用する場合に便利です。しかしスマートフォンを追跡されたくない場合はどうすればよいでしょうか。位置情報サービスを無効にしてもスマートフォンの位置は特定されるのでしょうか。答えは「はい」です。位置情報サービスを無効にしても、スマートフォンは追跡されます。 スマートフォンの 位置情報サービスを無効にすると、位置情報を非公開にすることはできます。これは第三者に現在地を知られたくない場合や、移動を追跡されたくない場合に役立ちます。しかしスマートフォンは、その所在地を明らかにする各種技術を使用して追跡されます。この記事では、スマートフォンが追跡される方法と、モバイル セキュリティを強化する方法について説明します。
スマートフォンが追跡される方法
位置情報サービスを無効にしても、iOSスマートフォンやAndroidスマートフォンを追跡する方法はあります。そのような方法を使用して、自身が紛失したスマートフォンや盗難されたスマートフォンを見つけたことがあるかもしれません。たとえば、Find My iPhoneアプリを使用すると、iPhoneがオフラインになっていても、Bluetoothを通じて見つけることができます。AndroidスマートフォンのFind My Deviceアプリを使用すると、Googleアカウントにログインし、Google マップでスマートフォンの位置情報履歴を確認できます。以下にスマートフォンを追跡する方法を4つご紹介します。
セル タワー
米国には30万7000基以上のセル タワーが存在します。スマートフォンを使用すると、直近のセル タワーとの間で信号が行き来します。携帯電話会社は、信号の行き来にかかる時間を測定することで、スマートフォンの大体の位置を計算できます。携帯電話会社は、3基のセル タワーの位置情報データを組み合わせてセル タワーの三角測量を行うことで、より正確な位置を特定できます。この技術は、911オペレーターが発信者の位置を特定できるようにするために開発されました。周囲300メートル内に存在するスマートフォンの位置を正確に特定します。
公共 Wi-Fi
Wi-Fi 対応のスマートフォンは、Wi-Fiネットワークに接続されていない場合も含め、近くのWi-Fiネットワークと通信を行います。スマートフォンは近くにあるWi-Fiアクセス ポイントを自動的にスキャンして信号強度を確認します。公共Wi-Fiを使用する場合は通常、位置情報の追跡に同意するかどうかをプロバイダーから確認されます。その後、ユーザーがそのWi-Fiプロバイダーのいずれかのホット スポットの範囲内にいる限り、プロバイダーは位置情報を記録し続けます。公共Wi-Fiの使用時にプライバシーを保護するには、VPNを使用して接続すると安心です。たとえば、マカフィーセーフ コネクト VPN は、銀行と同等レベルの暗号化を使用し、オンライン活動を非公開にすることで、データを保護します。VPN はIPアドレスや物理的な位置情報も非公開にします。
セル サイト シミュレータ
スティングレイとも呼ばれるセル サイト シミュレータは、セル タワーを偽装します。pingを送信するようにスマートフォンを誘導し、自身の位置情報を送信して、情報を特定します。スティングレイは正規のセル タワーよりも強力な信号を送信することで、スマートフォンがセル タワーではなく自身に接続するように仕向けます。法執行官はスティングレイを使用して、容疑者の動きを特定・追跡することが少なくありません。特定の個人にアクセスするため、スティングレイはデバイスの周囲に存在するすべてのスマートフォンのデータに接続します。
マルウェアまたはスパイウェア
マルウェアやスパイウェアに感染したデバイスでは、位置情報設定を無効にしても、ユーザーの位置情報が追跡されます。マルウェアはオンライン活動も記録します。そのため、サイバー犯罪者は個人情報を盗み出すことも、オペレーティング システムの速度を低下させることもできます。 モバイル デバイスを保護するには、包括的なセキュリティ ツールの使用を検討します。たとえば、マカフィー セキュリティ モバイル版は、AndroidデバイスとiOSデバイスの両方に対応するほか、脅威やマルウェアをリアル タイムにスキャンしてブロックするウイルス対策アプリが含まれています。
スマートフォンが追跡されているかどうかを特定する方法
スマートフォンの位置情報を追跡することで得られるメリットは多数あります。たとえば、大事な家族の所在地を確認できます。一方、詐欺師やハッカーがスマートフォンを追跡して個人データを盗み出す可能性があります。幸いなことに、スマートフォンが追跡されていることを示す明らかな兆候がいくつか存在します。
バッテリーの消費
スマートフォンに侵入したスパイウェアは、バックグラウンドで継続的に動作するため、バッテリーを消費します。バッテリーの消費が通常より速くなる原因としては、バッテリーが古くなっているか、スパイウェアの侵入が考えられます。バッテリーの強度を特定して正常性を確認します。iPhoneを使用している場合はこちらの手順に従い、バッテリーの正常性を確認します。バッテリー電源の最大容量スコアが、新しいバッテリーを使用した場合と照らし合わせて表示されます。古いスマートフォンのバッテリー容量が75%である場合、1 日を通して消費が多い原因はバッテリーの古さにあると特定できます。一方、バッテリー容量が95%または100%であるときに消費が激しい場合は、ウイルスが原因である可能性があります。 Android デバイスでバッテリーの正常性を確認する方法は少々異なります。スマートフォンのブランドによっては、アプリのダウンロードが必要になる場合があります。
過熱
処理負荷の大きいアプリを使用すると、モバイル デバイスが過熱する場合があります。デバイスの位置情報を追跡するスパイウェア アプリはGPSを使用しますが、これはスマートフォンの負荷を高めて過熱を引き起こします。スマートフォンをいつも通りに使用しているのに過熱が起きる場合は、マルウェアが起因している可能性があります。
その他のアプリ
スマートフォンに不明なアプリが存在する場合は、第三者が追加した可能性があります。謎のアプリはスパイウェアかもしれません。
自己起動するアクティビティ
スマートフォンでユーザーの介入なしにアクティビティが起動される場合は、アプリがバックグラウンドで動作している可能性があります。更新プログラムのインストールやスマートフォンの設定変更を行うため、マルウェアはスマートフォンの再起動が必要になる場合があります。スマートフォンが自動的に再起動したり、理由もなく点灯したり、通話中やSMSの使用時にノイズが発生したりする場合は、マルウェアに感染している可能性があります。
スマートフォンの追跡に関する FAQ
スマートフォンの追跡に関する一般的な質問への回答を一部ご紹介します。
スマートフォンは電源を切っても追跡されますか?
スマートフォンは、電源を切るとセル タワーへの信号の送信を停止するため、追跡されにくくなります。ただし、スマートフォンの電源を再び入れると、サービス プロバイダーやインターネット プロバイダーは、最後に記録された位置情報を確認できるようになります。
携帯電話サービス/接続を使用していないスマートフォンは追跡されますか?
携帯電話サービスを使用していなくても、Androidデバイスや iPhones デバイスは追跡できます。スマートフォンの地図アプリは、インターネット接続がなくてもスマートフォンの位置情報を追跡できます。GPSが機能する方法は2つあります。データ接続がある場合は、補助GPS(または A-GPS) を使用します。この場合、セル タワーと既知のWi-Fiネットワークの位置を使用してユーザーの位置が特定されます。より正確な情報を特定する場合は、GPS衛星のデータも使用されます。A-GPSが機能するにはデータ サービスが必要ですが、GPS無線ではデータ サービスなしで衛星情報を受信できます。
機内モードになっているスマートフォンは追跡されますか?
はい。スマートフォンは機内モードになっていても追跡されます。機内モードでは、Wi-Fiと携帯電話サービスは無効になりますが、GPS(GPS 衛星から信号を送受信する別の技術) は無効になりません。スマートフォンの追跡を防止するには、デバイスでGPSを無効にして、機内モードを有効にする必要があります。
マカフィーでモバイル セキュリティを保護しましょう
スマートフォンがどのように追跡されるかを理解することは、プライバシーの保護につながります。一方、マカフィー セキュリティ モバイル版のようなモバイル セキュリティ ツールを使用し、Android デバイスやAppleデバイスをスパイウェアから保護すると、安心感をより高めることができます。当社の包括的なモバイル セキュリティ ツールは、セーフ ブラウジング、セキュア VPN、ウイルス対策ソフトウェアを通じてデジタル ライフを保護します。スパイウェアなどの不正なアプリや、望ましくない訪問者を積極的に防止します。専用のモバイル セキュリティ アプリを使用すると、サイバー犯罪者による情報の追跡を心配することなく、スマートフォンを自由に利用できます。
※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。
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