オーストラリア「トレイルブレイザープロジェクト」への参画における基本合意書の締結について
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EX-Fusion(取締役社長: 松尾一輝)は、オーストラリアにおける光産業の確立に向け、超高強度のペタワットクラスレーザーを開発するためのプロジェクトへ参画することとなりました。 12月13日、基本合意書の締結をしたことをお知らせします。
1.背 景
現在、脱炭素社会実現に向け、レーザー核融合の可能性への関心が高まり、国際競争が激しくなっています。
核融合実験を実行できるレーザー施設は不足しており、これまでオーストラリアでは研究が盛んであるものの、実証実験は海外施設に大きく依存している実態がありました。そこでオーストラリアは米国、日本、フランスの同盟国と並んで、将来的な核融合エネルギー科学のグローバルリーダーになることを目指し、専用レーザーシステムと高度な製造技術の内製化を目指しています。
2.目 的
今回のプロジェクトを通して、レーザー核融合を中心とした多種多様な光産業を確立することで、クリーンエネルギーの産出国として大きく前進することを目指しています。
また、今回建設を予定しているペタワット級レーザーは、核融合エネルギーを超えたさまざまな用途があります。具体的には、医療画像と放射線生物学、クリーンな水素生成、高度なセンシング、指向性エネルギー、長寿命放射性廃棄物の除去などが挙げられます。ペタワットレーザー施設を設立することで、オーストラリア内の物理学、エネルギー科学、量子電気力学、天体物理学の重要な学術研究に貢献するだけでなく、国際的なパートナーシップおよび、新しい産業の機会を生み出します。
3.協定の概要
(1)国際的に重要な研究インフラとして、オーストラリアのペタワットレーザー能力の向上。
(2)レーザー核融合エネルギーの官民パートナーシップ(PPP)を含む、大規模な科学的パートナーシップの構築。
(3)クリーンエネルギー生成のためのパルスレーザー(USPL)システムのアプリケーションを開発。
(4)レーザー設計、エンジニアリング、およびペタワットレーザーを開発。
(5)USPLシステムの主要コンポーネント製造のための先進製造業の設立。
(6)新興産業を成長させるための基盤として、USPLの科学、設計、製造の専門家の育成および環境構築。
これらの目標を達成することで、核融合エネルギーを使用した、持続可能なクリーンエネルギーの生成を目指します。
4.参画メンバー
・HB11 Energy、University of Adelaide、Silex Systems、Beca、Thales Australia、Macquarie University(オーストラリア)
・Southern Photonics (ニュージーランド)
・Thales LAS(フランス)
・EX-Fusion(日本)
5.今後について
今回の、基本合意書に基づき参画メンバーそれぞれの強みを活かし、グローバルレベルのレーザー技術向上を目指します。また、オーストラリアにおけるクリーンエネルギー生成を含む多くの新しい技術分野を開拓し、レーザー核融合エネルギーの可能性を最大化させます。
EX-Fusionは、これまでレーザー核融合商用炉実現を目指す過程で得られてきた連続ターゲット供給装置や最先端の光制御技術を活用し、エネルギー分野にとどまらず、様々な光産業分野の技術開発に貢献していきます。また、日本国内におけるレーザー核融合の実用化促進に努めてまいります。
以上
※レーザー核融合エネルギーとは安全で信頼性が高く、 高レベルの放射性廃棄物を生成しないクリーンエネルギー。 海水から採れる豊富な燃料を使用した小型の核融合炉によって生成されます。 原子炉と同等以上の発電量と従来の再生可能エネルギーの安全性を備えていると同時に、レーザーの繰り返し数を変えることで負荷変動にも対応できます。