大谷イビサのIT業界物見遊山第40回

美しい夕陽と海、食事を堪能した宮崎の取材旅をレポート

大人のリゾート地として再生した青島の魅力を僕たちはまだ知らない

文●大谷イビサ 編集●ASCII

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 コロナ禍で長らくオンライン漬けだったが、今年は大好きな地方取材が復活してきた。ここでは今年後半の取材旅を振り返って見たい。最初は大人のリゾート地として再生した宮崎県の青島だ。

青島の夕陽がプレミアム過ぎた

取材を終え、沈む夕陽の青島を歩くプレミアムな体験

 10月の宮崎取材は、IoTプラットフォームを手がけるソラコムの事例2件。九州は仕事で何度も訪れているのだが、宮崎は初めて。羽田から空路1時間ちょっとで宮崎空港に。太陽の国ということで、とにかく天気がよい。そして10月なので、まだ暑い。

 初日の訪問先はバレルサウナを作っているLibertyshipさん(関連記事:サウナのある生活にIoTができること 「ONE SAUNA」とSORACOM)。オフィスが青島にあるとのことで、空港線から日南線に乗り継いで青島へ。駅を出ると、いかにも南国な風景が拡がる。イメージ的には鹿児島の指宿や千葉の御宿みたいな感じ。青島のある海岸の方に歩いて行くと、「aoshima dining in the garden」というおしゃれなお土産屋さん&食堂があったので、食べ損ねていた昼ご飯を取材前にいただく。

途中駅から交通系ICカードが使えなくなる日南線で青島へ

青島駅は南国風情。真夏は海水浴客で賑わうのだろう

もちろんチキン南蛮もあったが、今回は海鮮丼で

 Libertyshipのオフィスは食事処からほど近い道路沿いの平屋建物にあり、これまたおしゃれなカフェのようなオフィスだった。そこから車でバレルサウナ「ONE SAUNA」の現物を見せてもらい(ととのわなかったけど)、オフィスで取材。日が暮れる前に、取材に参加してくれたLiberyhip揚松さん、MAGLAB武市さん、AQUAONIA北川さん、ソラコムの面々、カメラマンとともに、橋を渡って青島にある青島神社に行くこととなった。

 青島神社は青島の中心部にあり、恋愛のパワースポットとして有名。関東人からすると、イメージとしては江ノ島が一番近いだろうが、青島自体が周囲1.5kmと小さいので、もっとこじんまりした感じ。橋を渡って、鬼の洗濯板と呼ばれる奇岩に囲まれた海岸を抜け、青島に向かう。海岸線沿いの道を歩いて行くと、南国の植物が群生する中に神社が登場する。振り返ると、いきなり海岸が見えるのが不思議。沈む夕陽が実にプレミアムだ。

おしゃれすぎるLibertyshipさんのオフィス

橋の向こうに見える小さい島が青島

途中にある鬼の洗濯板と呼ばれる岩群

島の中にある青島神社は縁結びで有名

沈む宮崎の夕陽、本当に美しい

停滞した国内ハネムーンのメッカ 大人のリゾートとして再生へ

 みんなでお参りを済ませ、Libertyshipが参加する青島プロジェクト株式会社が運営する「AOSHIMA BEACH VILLAGE」のレストランで食事をとることに。そして、揚松さんに8年に渡る青島再生プロジェクトの苦労話ややりがいについて話を聞くことができた。

AOSHIMA BEACH VILLAGEのレストラン。まるで海外のようなたたずまい

 神社のある青島は昔の九州の人からすると、国内ハネムーンのメッカのようなところ「だった」という。海外旅行がまだ一般的じゃなかった頃、カップルは南国情緒豊かなこの青島に新婚旅行に来ていたのだ。しかし、それから半世紀が経ち、青島は観光地としてはすっかり寂れ、スポーツチームのキャンプ地としてのみその名を知られることとなった。

 こうした状況を受け、宮崎市は2007年からこの青島地区の再生プロジェクトを実施している。具体的には、8年前にAOSHIMA BEACH VILLAGEがオープンし、閉鎖したホテルの跡地にホステル&スパ、レストランなどが徐々に整備された。1990年代から半減した観光客も、2018年には100万人を超える賑わいとなった。コロナ禍を契機に都市から移住してくるサーファーも増えてきたという。造成中の宿泊施設「NOT A HOTEL」には、取材で出てきたONE SAUNAが備え付けられ、海を見ながら”ととえる日”もそれほど遠くなさそうだ。

 昭和で止まってしまったようなレトロな商店と、令和の空気感をまとったおしゃれな店がまだらに存在している青島だが、観光の復活とともにまちの風景もどんどん変わっていきそう。特に新しくできた青島ビーチビレッジは、日本には今までなかった落ち着いた雰囲気があり、大人のリゾートとしてインバウンドの観光客を惹きつける魅力がある。

 海を見ながら楽しく談笑していると、時間はあっという間に過ぎてしまう。うっかり宿泊地の宮崎市内に戻るのを忘れてしまいそうだった。

すっかり夜も更けた青島駅。終電で宿泊地の宮崎駅まで

大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

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