全国の高校生が考えた秀逸なビジネスアイデアが集う!約5000件の中から選出されたファイナリストが決定
「第10回高校生ビジネスプラン・グランプリ」ファイナリスト発表 記者発表会レポート【前編】
2022年12月1日、日本政策金融公庫が主催する「第10回 高校生ビジネスプラン・グランプリ」のファイナリストを発表する記者発表会がオンラインで行われた。
「高校生ビジネスプラン・グランプリ」は、高校生・高専生を対象にした全国規模のビジネスプランコンテストで、2013年から開催されている。第10回となる2022年度には、全国から5000近い応募が集まった。この記者発表会では、2023年1月8日に東京大学本郷キャンパスで行われる「最終審査会」に進出するファイナリスト10組が発表された。
このレポートでは前後編の2回にわたって、記者発表会の様子やファイナリストに選ばれた10組の紹介のほか、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を経験し現在起業家として活躍する卒業生から後輩たちへのビデオメッセージなどを紹介していく。
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若者ならではの自由な発想や創造性と
ビジネスプランとしての「経営資源」や「収支計画」も審査基準に
記者発表会の冒頭に、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」の実行委員長を務める、日本政策金融公庫 常務取締役の渡邉正博氏が挨拶を行い、グランプリ開催の経緯や今年度のグランプリに寄せる期待などを語った。
渡邉氏は「日本政策金融公庫では、イノベーション、雇用の創出、地域の活性化が期待できる重要な施策として、創業支援を幅広く推進している」と話し、そのひとつとして“将来を担う若者の創業マインド向上”を目的とした「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を行っていることを伝えた。
さらに渡邉氏は、「10回目となる今回は、過去最多となる455校4996件もの応募があった」ことを報告。第2回からグランプリの最終審査会を見てきたという渡邉氏は、「年々発表のレベルが上がってきている。そして、『世の中の役に立ちたい』、『地域の課題の解決につなげたい』という高校生・高専生たちの純粋な思いに、毎回大きな勇気と感動をもらっている」と語り、冒頭の挨拶とした。
続いて、日本政策金融公庫 特別参与の川上一郎氏から、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」についての概要が紹介された。
「高校生ビジネスプラン・グランプリ」の応募は高校生、高専生であれば誰でも参加することができ、若者ならではの自由な発想や創造力を生かし、人々の生活をより良いものにするプラン、地域の課題など社会課題を解決するプランなどが求められる。川上氏によると、審査のポイントは「商品・サービスの内容」、「顧客」、「経営資源」、「収支計画」の4つで、「ビジネスプランとして、この4つのポイントで審査を行う」という。
日本政策金融公庫が本グランプリを行う目的として、「他の先進国より低い日本の開業率向上」、「日本政策金融公庫に蓄積されたノウハウを起業教育に生かす」、「高校生・高専生に対して、ビジネスを身近に感じてもらうことで、若者の創業マインドを向上させる」といったことを通じて、「活力ある日本を創る」こととしている。本グランプリにあたっても、学校から要望があれば、日本政策金融公庫の職員が学校などに出向き、ビジネスの基礎知識からアイデアの発想方法、ビジネスプラン作成方法などを解説する出張授業を実施している。
川上氏は、2013年に始まった「高校生ビジネスプラン・グランプリ」の10年間の軌跡として、応募実績の推移を紹介。「応募校数は、第1回から約3倍になった」と、応募が増加傾向にあることを語った。
あわせて、川上氏はグランプリ参加をきっかけに起業した卒業生を紹介し、「起業事例が今後も誕生してくれることを願いながら、今後も若者にビジネスを身近に感じてもらえるように『高校生ビジネスプラン・グランプリ』を開催していきたい」と語った。最後に、川上氏は1月8日に開催する「最終審査会」の概要を紹介し、若者たちへの期待を込めるとともに、発表会に参加した報道陣に取材を呼びかけた。
次に、11月17日に発表された「高校生ビジネスプラン・グランプリ」ベスト20プランの紹介が行われた。「どのプランもユニークで、若くて柔軟な高校生・高専生だからこそ」という紹介の言葉どおり、プランタイトルだけでも興味をそそられるものばかりだ。この中からファイナリストが選ばれることになる。