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Core i7-12700HとRTX 3060 Laptopの「LEVEL-17FX162-i7-RASX」をチェック

ノートPCで充実ゲームプレイならコレ! 17.3型144Hzを存分に使える性能

2022年11月30日 11時00分更新

文● 勝田有一朗 編集●八尋/ASCII

提供: ユニットコム

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何でも快適に実行できるCPU性能
14コア/20スレッドの力を再確認

 LEVEL-17FX162-i7-RASXが搭載するCPUは、インテルの第12世代Coreプロセッサーでノートパソコン向けとなる「Core i7-12700H」。性能重視のPコアを6基、効率重視のEコアを8基搭載の合計14コア/20スレッドで動作するハイブリッド・アーキテクチャのCPUだ。最大ブースト時の動作クロックは4.7GHzに達し、デスクトップPC顔負けの処理能力を提供してくれるだろう。

 システムメモリーは16GB(DDR4-3200 8GB×2)を搭載。現在のゲーミング用途としては必要十分な容量だ。もし動画編集などのクリエイティブ用途でも使ってみたいと考えている場合は、注文時のカスタマイズオプションでメモリーは最大64GBまで変更可能となっている。

 ゲーミングパソコンにとってもっとも重要なGPUには、RTX 3060 Laptopを搭載。フルHD環境をターゲットにしたNVIDIAのミドルクラスGPUで、LEVEL-17FX162-i7-RASXにピッタリなGPUといえるだろう。なお、LEVEL-17FX162-i7-RASXではCPU内蔵GPUの「インテル Iris Xe グラフィックス」も動作しており、3Dゲームなどの重たいグラフィックス処理以外は自動的に内蔵グラフィックスを使い、消費電力を抑える設計になっている。

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の実行結果

 なお、LEVEL-17FX162-i7-RASXは付属ツールの「Control Center 3.0」にて、使用シーンに合わせてパソコンの動作モードが変更できるようになっている。「省電力」「静音」「エンターテイメント」「パフォーマンス」の4つの動作モードが用意されており、デフォルトは性能と発熱のバランスに優れた「エンターテイメント」に設定されている。

付属ツールのControl Center 3.0

4つの動作モードがある

 今回の検証ではLEVEL-17FX162-i7-RASXのフルパワーを確認するため、とくに断り書きがない限りパフォーマンスモードで検証を進めている。

 では早速、いくつかの定番ベンチマークを用いて、LEVEL-17FX162-i7-RASXのゲーム以外の基本性能を確認していこう。

 まずはCPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を、3DCGのレンダリング速度で測る、定番の「CINEBENCH R23」から。

CINEBENCH R23の実行結果

 結果はマルチコアが15278pts、シングルコアが1790pts。かなりの高ポイントで、デスクトップパソコン向けの「AMD Ryzen 5800X」や「Core i7-11700K」と同等以上のマルチ性能と、「Core i9-11900K」を凌駕するシングル性能を叩き出している。ノートパソコン向けプロセッサーが、1~2年前のデスクトップパソコン向けハイエンドCPUを凌駕するのだから、驚くばかりだ。

 なお、ここでLEVEL-17FX162-i7-RASXの動作モードによる違いを確認するために、静音モードでもCINEBENCH R23を走らせてみた。

CINEBENCH R23の実行結果(静音モード)

 結果はマルチコアが5136pts、シングルコアが1509ptsとなり、マルチ性能は大幅に下がったものの、シングル性能はそこそこのスコアが出ている。これだけのシングル性能があれば、普段使いに困るところはなく、実際にYouTubeなどで動画を見る程度であれば処理速度に不満はまったくなかった。

 また両モードのベンチマーク中のCPU消費電力をチェックしたところ、パフォーマンスモードで80W前後だったものが静音モードでは15Wにまで抑えられており、これだけ差があれば冷却ファンの動作音にも大きな差が付くはずだ……と納得した次第だ。

 次に、実アプリケーションに近い負荷でPC全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2574)を実施した。

PCMark 10の実行結果

 総合スコアは6424で、その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、Webブラウジングの性能を測る「Essentials」が9763。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が10455。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が7048という結果になった。

 Essentials、Productivityは1万前後のスコアが出ており、普段使いやオフィス用途も快適に実行できる性能を持っていることが伺える。

 一方でDCCはGPU性能に大きく影響を受けるテストなのだが、RTX 3060 Laptopにしては少々低いスコアという気がする。スコアの詳細を確認すると一部の処理がRTX 3060 LaptopではなくCPU内蔵のインテル Iris Xe グラフィックスで実行されたとのログが残っていたので、処理内容が軽すぎる場合は外部GPUと内蔵GPUの切り替わらないときがあるようだ。処理が軽い作業もフルパワーで作業したい場合は、NVIDIA Control Panelから、目的のソフトウェアでどちらのグラフィックスを使用するか設定しておくといい。

 DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD(1920×1080ドット)のFire Strikeが20301、4K(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが5353というスコアに。DirectX 12のテストを行なう「Time Spy」では、WQHD(2560×1440ドット)のTime Spyが8748、4KのTime Spy Extremeが4115という結果になった。Direct X Raytracing(DXR)のテスト「Port Royal」のスコアは4899だ。

3DMarkのスコア

 そして今回より新しく3DMarkに加わった、DirectX 12 Ultimateに特化した性能テストを行なう「Speed Way」のスコアは2132だった。

 RTX 3060 LaptopのターゲットでもあるフルHD解像度のFire Strikeではいいスコアを残せていて、テスト中のフレームレートも100fps前後に達していた。しかしそれ以上の、とくに4K解像度のテストになるとやはり厳しめの結果だ。テスト中のフレームレートも20fps前後に留まっていた。新しく追加されたSpeed Wayについても、ハイエンドGPUや次世代GPUに向けたとても重いテストで、テスト中のフレームレートはこちらも20fps前後だった。

 ただ、LEVEL-17FX162-i7-RASXに搭載されているディスプレーはフルHD解像度なので、4K解像度のテストを気にしても致し方ないところではある。そのため、これらはあくまで参考程度に留めておいていただきたい。

 基礎ベンチマークのしめくくりに、内蔵ストレージの転送速度を「CrystalDiskMark 8.0.4」で計測した。事前に「CrystalDiskInfo 8.12.7」にて内蔵ストレージのモデルを確認したところ、試用機には「インテル SSD 670pシリーズ」が搭載されていた。PCI Express Gen3接続で3D QLC NANDを採用する500GBのM.2 NVMe SSDだ。

CrystalDiskMark 8.0.4の実行結果

 テスト結果はシーケンシャルリードが2339MB/s、シーケンシャルライトが1598MB/sとなった。リード性能はPCI Express Gen3接続のSSDの中でミドルレンジあたりだが、ライト性能は少々低めな性能だろうか。ただゲーミングはライト性能をあまり必要としない用途なので、これくらいの性能があれば十分快適に動かせるはずだ。

 どちらかというと、容量512GBという点がゲーミングパソコンとして少々心もとないと感じる。最近はまた魅力的な基本プレイ無料ゲームが増えてきているので、タダだからとアレもコレもと手を出すと、あっという間に空き容量がなくなってしまうだろう。

 LEVEL-17FX162-i7-RASXは2枚目のM.2 NVMe SSDを増設可能で、注文時のカスタマイズオプションで最初から追加しておくことができる。複数のPCゲームを同時に楽しみたいのなら、1TB SSDの増設がオススメだ。

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